見出し画像

碧空

ある晴れた夏の日、
何者にもなれそうにない自分を振り払いたくて
一筋の飛行機雲を追いかけた。
雲が見えなくなった途端、
電池が切れたように足が動かなくなって、
誰よりも大きい空の下で寝転んだ。

空港に来ると、
いつもあの時の空を思い出す。
僕は、あの時憧れていた誰かになれなかった。
それでもいいのだと、
空は大きな身体で教えてくれる。


サポートありがとうございます!値段のないところにお金を出してもらえるって、本当にありがたいことだなぁと感激しています。大切に使って、そこから得たものを書いて恩返しさせてください。