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碧空
ある晴れた夏の日、
何者にもなれそうにない自分を振り払いたくて
一筋の飛行機雲を追いかけた。
雲が見えなくなった途端、
電池が切れたように足が動かなくなって、
誰よりも大きい空の下で寝転んだ。
空港に来ると、
いつもあの時の空を思い出す。
僕は、あの時憧れていた誰かになれなかった。
それでもいいのだと、
空は大きな身体で教えてくれる。
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