参加男性を燃え上がらせるには、どうしたら良かったのかを考える【バチェロレッテ3・武井亜樹】
バチェロレッテ3、やっぱり観ちゃいました。
ここ数年「もういいかな…」と思いながらも、結局観ちゃう。
結果として、バチェラー1からシリーズ通して全て観ています。
そして、観たらワーワー言いたくなっちゃう。
ということで、今回はバチェロレッテ3についての所感!
現時点では2週目の公開が終わりエピソード1〜7まで視聴しており、最終回を待つのみです。
今回のバチェロレッテは武井亜樹さん。
東大卒・元官僚・ミスユニバース出場経験ありと、才色兼備の27歳女性です。
大学では航空宇宙工学を専攻し、経済産業省を辞めてからはフリーランスで宇宙に携わる仕事をするために活動しているそう。
亜樹さんがバチェロレッテを務めた今作は前代未聞の展開になりました。
まさかの参加男性がどんどん辞退する。
一度、番組の主義主張を振り返ってみましょう。
番組側がこう銘打っている通り、"複数の男性がバチェロレッテを奪い合う"のが基本構造。
参加男性が辞退するということは、基本構造の崩壊を意味します。
それもあって、今作は賛否両論沸き起こっています。
「外野がワーワー言ってるのはいつも通りじゃないの」とは思いつつ、自分の感想をまとめておきたく、今この記事を書いています。
今作がまとった空気感
前述した通り参加男性の辞退が続いたことで、亜樹さんはモテない印象を与えてしまいました。
エピソード1〜4が公開された時点で「亜樹さんモテてないなぁ」と皆薄々気付いてはいたのですが、「さすがに失礼すぎるので公言は避けよう」といった空気感でした。
しかしエピソード5〜7で辞退者が増え続け、最後の3人にまで残った人までもが全員「自分を最後まで選んで欲しくない」アピールをしたことにより「ここまで来たら亜樹さんがモテないって指摘しても良いでしょ」の空気に完全になってしまった。
最終回公開を前にして、あちこちで「亜樹さんのここが良くない、だからモテない」指摘をする輩が沸いている状況。
見た目がどうとか、高学歴はどうとか。探せば大量に出てくるでしょう。
そんな中で、わたしは「亜樹さんは何も悪くない」論者です。
亜樹さんはとにかく良い子!
そのまま真っ直ぐ育って欲しい!!!!!
でも「男性参加者が一人の女性を追いかける」構図が必要なこの番組において、参加男性が全員手を引くのはまずい。
じゃあどうすれば良かったのか。
亜樹さんのポリシー
全参加男性が最初に対面で挨拶をするレッドカーペットで、亜樹さんの異性との距離の取り方を象徴するシーンがありました。
「初対面の男性からの『あーん』はお断りします」。
(※完全な抜粋ではない。記憶ベース。以降出てくるセリフも記憶ベースとして捉えてください)
ニュージーランドにゆかりのある参加男性が自己紹介でマヌカハニーを亜樹さんに食べさせようとした時、彼女はそれを断って、自分でスプーンを手に持ち、蜂蜜を口に含みました。
蜂蜜が嫌なんじゃない。
「あーん」が嫌なんだと。
その後もダンスが得意な男性が「ダンスを教えるから手を握ってください」と手を差し伸べても、「手はいいです」とお断り。
とにかく初対面の男性と距離を取る。
パーソナルスペースを守りたい。
前述の物理的距離を詰めようとした男性2名は、初回で落とされました。
亜樹さんは「信頼関係を築いてから恋心を深めていきたい」と述べています。
それ故に、いきなり物理的距離を詰めようとしてきた男性は合わないと判断したのでしょう。
一方で「直感を大事にします」と言い、見た目が好きな坂口さんに真っ先にファーストインプレッションローズを渡します。
自己紹介されただけ。
最初のカクテルパーティーでの会話も始まらぬ内に、です。
これらの事から意思の強さと、必要に応じた積極性も持っている人だとわかります。
男性からのアプローチを受けるだけの存在ではない。
おぉ!カッコいいじゃん今回のバチェロレッテ!
視聴者はそう思いました。
しかし、問題はここから。
致命的なミス
亜樹さんがすごく実直で、素直で、責任感のある人だということは、番組を通してすごく伝わってきました。
そんな彼女はバチェロレッテを務めるにあたり「真実の愛を探す旅」の主題を自分に落とし込んで、丁寧に進めていこうとした。
しかし、そもそもそれが間違っている。
バチェロレッテと言っても27歳。撮影時は26歳かもしれない。
擦れてないお嬢様の亜樹さんには「番組は旅の中での恋にまつわるドタバタを撮りたいのであって、出演者たちが番組終了後も続くほどの真実の愛を育むかどうかは二の次」ということに気付けなかった。
真摯に自分なりの方法で、参加者と愛を育もうとした。
対話を重んじて、ゆっくりと彼女なりに参加男性との絆を深めていく。
撮影期間がピークではない。
撮影終了後も長期的な関係を結ぶつもりなのだと。
なんといういじらしさ。
その純粋さに涙が出そう。
彼女は何も悪いことをしていない。
それなのに、撮影期間中に男性たちは離れていく。
参加男性を燃え上がらせるには、どうしたら良かったのか
過去2作ではモデルなど、芸能経験のある人がバチェロレッテを務めました。
3の亜樹さんは、唯一芸能経験がありません。
だから、カメラで撮られる時に何が必要なのかをわかっていなかったと思います。
リアリティショーとはいえ映像作品である以上、動きが欲しい。
もちろん編集では大量の据え置きカメラを駆使して画角変更は行いますが、そんなことよりも出演者に動きがある方が100倍面白い映像になる。
画面に動きが出て盛り上がり、かつ参加男性の心に火をつけられる。
そんな一石二鳥のテクニック。
それは
物理的距離を近づけること
ではないでしょうか。
ここで間違えて欲しくないのは、無理してぺたぺた触る必要は無いということ。
相手が大切なことを話す空気を察した時に、ソファに並んで腰掛けている距離を80cmから50cmに近づけるとか。
そんなレベルでいいと思います。
初回で「パーソナルスペースを守りたい」と言った彼女が自ら相手と距離を詰める姿を見ることができたら、男も視聴者も舞い上がれる。
真摯な態度が完璧なフリになっているから。
これは亜樹さんにしかできない。
男も視聴者もみんなバカなのである。
たったその程度のことで舞い上がっちゃうのだ。
エピソード3のカクテルパーティで
「山本くんて、話すの上手だよね。(中略)ラフに話してみて」
とお願いをしたら、山本さんは動揺して少し亜樹さんから離れて座り直してしまいました。
この時、追いかけるように亜樹さんも座り直してくれたら、
山本さんはもっと頑張れたんじゃないでしょうか。
でも現場の亜樹さんは微動だにしない。
櫛田さんとハンモックに並んで寝そべっても寄りかかりはしないし、
坂口さんと一緒に水着でフラワーバスに入っても、坂口さんの足の間に座るような定番ポーズはしない。
誰にも少しも触れない。
その動かなさは、まるで銅像のよう。
動きがないと、視聴者は永遠に同じ距離にいる出演者の会話を聞くことに集中しなければならない。
それは映像としてつまらないし、観ていて疲れる。
旅の進行と共に、出演者たちの距離が目に見えて近付いていく姿を見たいのだ。
重ね重ね言いますが、嘘をついたり、媚びを売る必要はありません。
彼女は言葉や目線では十分アピールをしている。
ただ"自分の心が動いた時に、物理的距離を変えることで表現する"サービスがあったら、もっと良かったんじゃないかなぁと思うのです。
実直な亜樹さんだからこそ、少しの表現で十分足りる。
それはきっと相手にも伝わるし、気持ちも盛り上がる。
その少しの工夫ができていたら違う結果になっていたのではないかと思うと、外野ながらに悔しいです。
誠実だからこそ踏み出さない銅像ムーブ
亜樹さんを観ていると、大学時代の友人を思い出します。
彼女は東大卒ほどの高学歴ではないし、見た目も色白、ファッションも女子アナ系。
今回巻き起こっている一般論で言うならば普通程度にはモテてもおかしくない見た目とプロフィールですが、大学6年間(※薬学部は6年制)で一度も彼氏が出来ずに終わりました。
もちろん大学以前にも彼氏がいたことがないので、当時で言う「年齢=彼氏いない歴」でした。表現が古いね!
そんな友人と亜樹さんの共通点は
「誠実すぎて、恋愛序盤の出来事に重きを置きすぎてしまう」です。
友人は言いました。
「デートに行くからには結婚しても良いくらい好きな人じゃないと無理」
すごい。
結婚生活を意識したデートを初回に持ってくる。
難易度が高すぎて目眩がする。
「付き合う前のデートなんか実にならないのが殆どなんだから、まずはとにかく経験値を積め!」
わたしは反論し、在学中1度だけ、珍しく友人の"好き"が芽生えた相手をデートに誘わせ、どうにか二人でご飯に行かせました。
この時のデートへの誘い文句と店の候補はわたしが下書きし、友人が推敲した上でメッセージを送信しています。
そこまで他人が介入してくれないと動かない。
その強固さ、銅像の如し。
結果、友人の初デートは大失敗。
「デートに誘ったのは良かった。お店も良かった。
でも、私がダメだった。」
友人はそう語りました。
その後、二度とその人とのデートはありませんでした。
残念ながら映像はないため、どんなに悪いデートだったのか詳細はわかりませんが、とにかくダメだったそうです。
その失敗を経てようやく、
「本当に付き合いたい人とのデートで自分が納得できる振る舞いをするためにも、軽い気持ちのデートは必要」
だと気付いた友人。
気付いたからといって次からどんどんデートに誘える訳では無いんですが、本命と希望通りの結果を迎えるためにも、手前の行動の経験値が大切だということはわかってくれたようです。
付き合うと決めた人(今回でいえばファイナルローズを渡した人)とじゃないと触らないし、触らせない、近づかない、銅像の亜樹さん。
過去の彼氏とどういう心づもりで付き合っていたのかはわかりませんが、
「結婚が見える相手としか付き合わない」
と考えてそうだなと想像してしまうのです。
違うんだよ。
とりあえずでも付き合って、それから考えて、だんだん「結婚」という枠の中の「生活」イメージを固めていくんだ。
そのずっと手前にある、
他人との距離を近づけるためのスキンシップや物理的距離を縮める行為は、
決して不誠実でも淫らでもない。
前述の「座り位置を変える」から始めて、
心が動いたらそっと手を重ねるとか、
弱いところを見せてくれたら背中に触れるとか。
エロを含まないスキンシップや距離感を表現出来るようになれたら、「モテない」なんて汚名は軽々返上するでしょう。
人間はとても単純で、ちょっとのことで印象が変わる。
実直さはそのままに、あとちょっと柔らかさを身につけたら、亜樹さんはもっと魅力的になるのではないかなぁと、外野からは思うのです。
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「バチェロレッテとして運命の相手を一人選ぶ」。
この大義を絶対に遂行する胆力と責任感のある亜樹さん。
家族対面まで進んだ男性3名からあんな態度を取られて、どれだけ苦しかっただろう。
想像するだけでこちらの胸も苦しい。
こんな悲しい気持ちを、もう味わわないで欲しい。
おせっかい外野は心からそう思うのです。
まだ27歳。
伸び代は十分あるよ!
幸せになってくれ!!!!
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