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AIR Design誕生秘話 Part5

株式会社ガラパゴスの代表を務めております中平です。

2019年9月にローンチしたAIR Designは、ありがたいことに約2年で導入300社を突破しました。

ただサービスの成長には紆余曲折のストーリーがあり、簡単には超えられなかった試練もありました。

昔を思い出しながら、AIR Designの誕生秘話をお伝えいたします。
Part4に続きまして、Part5となっております。

アクセラレーションプログラム”B-SKET”への応募

B-SKETとは、ベーシック社が主催しているアクセラレーションプログラムで、その責任者でありメンターだったのが「起業の科学」の著者でもある田所さんでした。

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これは本当にたまたまですが、僕らがピッチデックを作成する時に隅々まで参考にさせてもらったピッチの極意を作っていたのは田所さんでした。

若干の運命を感じながらも、募集資格を見てみると「SaaSであること」の記載がありました。僕らは全然SaaSではなかったですが、将来的にはSaaSを作りたい気持ちに偽りは無かったし、そんな事に構ってる余裕もなくて、本当に藁をも掴む気持ちで応募し、何とか滑り込む事ができました。

アクセラプログラムに参加するにあたり、僕は2つの事を決めました。

1つ目は、創業取締役3名でフルコミットすること。
2つ目は、資金調達活動をストップすること。

創業取締役3名全員で参加しないと、意識にズレが生じてしまうと恐れていました。3人でちゃんと常に同じイメージを共有して行くことを決めました。

そして今回のアクセラプログラムで事業そのものを生まれ変わらせると決めていたので、中途半端な資金調達活動は一切辞めました。

始まったB-SKET

2019年2月から始まったB-SKETでやっていただいたのは主に2つでした。

1.週に1度の田所さんとのメンタリング
2.ほぼ毎日、各メンターをお招きしての講義

ほぼ毎日の各メンターとの講義は、年代が近いスタートアップ経営者のRepro平田さん、キャスター中川さん、ジョブカン石山さんや、ベーシック社の皆さんであったり、VCの皆さんや、ヘッドハンターのmorichの森本さんなど、後に僕らの事業をグロースさせるのにとても重要な出会いが多くありました。

そして毎週の田所さんとのメンタリングでは、とにかく、”ユーザーペイン”と”マーケット”の探索を行いました。

当時の僕らの持っていたデザインAI技術を頭の片隅に起きつつも、ゼロベースで、デザイナーや関連するユーザーのペインを調査しまくりました。

50名を超えるユーザーの皆様にお時間をいただいて、とにかくワークフローをヒアリングしながら、定量/定性のペインを聞いて回りました。

20190221_RSさんヒアリング結果 (1)

(こんな感じでヒアリングをして、ペインを洗い出します。)

その際に活用させていただいたのがビザスクさんでした。繋がりの無いマーケターの方などとコンタクトを取らせて頂いて、数万円の謝礼でインタビューをさせて頂き、ペインを探索しました。

そして1週間5−10名にインタビューを行った結果を、田所さんとのメンタリングであーでもないこーでもないと仮説を立てたり潰したりしながら、また次のインタビュー対象者を決めて持ち帰ってというのを2ヶ月ほど繰り返して実行していきました。

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(当時のスライドメモですが、これが130ページくらいになりました。)

徐々にユーザーペインとマーケットの輪郭が見えてきました。

デザイナーはツールはあるものの非常に非効率な制作環境で苦しんでいる。給与や労働面でとても良い待遇ではない。一方で、マーケターは成果が出そうな良いデザインを手に入れる手段が無い。

そして、インターネット広告のデザインの一つであるLPサイトに大きなペインがありそうだと当たりを付け始めました。

実際にクレンジングを売ってみる実験

仮説は立ったのですが、実際にどのくらいのペインが深いかを理解するために僕たちは実際に通販事業者の立場として商品を売ってみる事にしました。

友人の会社の社長にお願いをして、クレンジングを仕入れさせて頂いて、自分たちでLPを作ってみて、売ってみました。

20190328_株式会社ガラパゴス_事業説明資料_BSKET中間デモデー

(こちらは中間デモデーのスライドの一枚。やってみようと思いついて、翌日には友人社長と話をまとめさせてもらいました。)

20190221_株式会社ガラパゴス_田所さんセッション

実際にやってみるとリアルなペインも見えてくるものの、販売のKPIはクリアできたし、制作プロセスも実際にやったので緻密に見えてきました。

プロセスを分解して、再構築して、最適化すれば多くの課題解決ができそうだと確信を持ちました。

そこからサービス化を進めていきました。

AIR Designというサービス名の誕生

”AIR Design”というサービス名が生まれたのもこのB-SKETの期間中でした。

中間デモデーが開催された2019年3月29日のこと。

会場に行く前に、なんとなくふと頭の中に”AIR Design”というサービス名が降りてきた。本当にふとした瞬間。多分電車に乗っていた時だと思います。

すぐさま、Slackに投稿しておきました。

その夜、懇親会があり、居酒屋で田所さんの横に座った時に話をしていてふとこう言われました。

「ガラパゴスは、デザインを民主化したいのでは?要は”空気のように””デザインしたいのでは?」

「え!?ちょうど、さっきSlackで、AIR Designってどうかなって言ってたんですよ!!!」

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あまりにシンクロし、あまりに運命的な出来事で、サービス名はこの時にAIR Designと決まりました。

Part6に続く!