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新劇場版エヴァ ラストの考察 渚カヲル編

※以下はネタバレを含む内容になっていますので、新劇場版シン・エヴァンゲリオン:||を観てない方は注意が必要です。

    本記事は前回の続きとなっています。本記事だけでも渚カヲルがどうして最後の駅のシーンに居たのか?が分かるようになっていますが、ラスト全体を知りたい方は以下の記事を読むと理解が深まると思います。

●.はじめに

    一番難しい渚カヲルの最後を考察していきましょう。彼はチート要素が多く月面で半裸で生きていたり、DSSチョーカーを勝手に外したりと人間(リリン)という定義の外に生きる存在なので、考察がとても難しい存在です。そしてシンジくん曰く「カヲルくん!君が何を言ってるか分からないよ!」という感じで特に独り言の類は意味深だけど何の事を言ってるのか分からない渚カヲルくん(笑)問題児な彼がどうしてラストの駅のシーンに居たのか考察していきましょう。

●.新劇場版:Qで死んでましたよね?

    渚カヲルは新劇場版:Qで第13使徒として認識され、自分で「フォースインパクト」と呟いたように、そのトリガーにされてしまい自分自身で責任を取る形でDSSチョーカーの爆発を受け入れて爆死した描写がされました。ですが、:||ではアディショナルインパクトの最中に碇シンジとの対話、そして最終的に最後の駅のシーンで綾波レイと一緒に居るような描写がされました。

    新劇場版:Qで渚カヲルが爆死しなければならなかった理由を考察する上で劇中では出番の無かった第11使徒の存在が重要になります。以下の記事を読んでもらえると第11使徒の存在やエヴァ第13号機の秘密も理解しやすいと思います。

●.ゲンドウの罠

    私の推察になりますがゲンドウは第11使徒をエヴァ第13号機に使用した為に、第13使徒を無理やり作り出し第12、13使徒を倒すことでリリスとの契約にある10体の使徒を殲滅するという高難易度な策略を実行します。但し渚カヲルが自らを葬る形を取らなければそれを実行できないと分かっていたはずです。邪魔に入る弐号機や8号機は本来イレギュラーな存在で有り、後にゲンドウがフォースインパクトで使う予定の第13号機を壊されるのも想定には入ってないはずです。※アスカやマリに倒せるとも思ってないはずですけどね。

●.渚カヲルは本当に爆死したのか?

    新劇場版:Qでの内容に関しては長いので割愛しますが、DSSチョーカーの爆発で死体を目視したわけではないのですが、渚カヲルは普通に死んだ様子でしたよね?ですが最初にも述べたように渚カヲルの身体ってどうなってるの?という疑問は解決しなければなりません。月面で半裸でも大丈夫だし、DSSチョーカーを碇シンジから外して自分に付けて、爆死したりと、、、あの場合、罠にハマったのでああするしか方法は無かったのかもしれませんが、外せるんなら外せば良くない?と思いませんでした?そして、実は死なない理由がサラッと:||の最後で自慢風に発表されます。(笑)

●.彼の存在を消せるのは真空崩壊

    新劇場版:||のアディショナルインパクトの最中に碇シンジと渚カヲル&加持リョウジの対話シーンで、あんまり脈絡が無い感じで「僕の存在を消せるのは真空崩壊だけだ。僕は定められた円環の物語の中で演じることを繰り返さなければならない。」と言います。円環の物語はファンタジーですが、「真空崩壊」はファンタジー寄りのリアリティーです。以前マイナス宇宙に関してはアカデミックな内容になりますが考察したので、興味のある方は読んでみて下さい。

●.脇道の量子テレポーテーション

    真空崩壊はマイナス宇宙と同じ量子物理学の理論の1つの事象です。ちなみにマイナス宇宙でゲンドウがしていた量子テレポーテーションは私達のリアルな世界でも研究され基礎的な実験では成功しています。量子もつれという素粒子の持つスピンというパラメータの特性を使ったモノ(厳密には距離を無視して送り先に情報を送る)や量子ゆらぎ状態を増幅させる事で物体を移動させる等、説明されても困ると思うので(笑)興味があれば調べてみて下さい。ちなみに量子ゆらぎが40kgの鏡という人が目視できる大きな物体で観測されたのは2020年の事なんですよ!

●.真の真空こと真空崩壊

    制作側は量子物理学が好きなんだとは思いますが、存在を消せるのは真空崩壊だけという無敵感は、「おれスーパーサイヤ人10!」とか言ってるのと変わらないんじゃないかと思いました(笑)真空崩壊とは真の真空と呼ばれる状態の事で、例えばある空間を囲ったとして、あらゆる全ての方法を使ってもそこを完全な真空にはできないとされています。厳密にはその空間から取り出せないダークエネルギーヒッグス場、量子揺らぎと呼ばれるモノ等が有り、それらが無いと私達の宇宙は形成できないと言われています。以下で概念的な部分を少し説明してみますが、そもそも世界の学者が研究中で分かっている事も少ない事柄の為、私のような素人だと稚拙な説明になってしまいますが、興味のある方はご自身でも調べてみると良いかと思います。

●.ダークエネルギー

    ダークエネルギーですが、ちなみに名前が中2病でも付けなさそうな名前ですが、物理では謎なモノにダークとかスーパーとかエックスとか普通に付けるので、本当の名前です(笑)これは宇宙が膨張する為に必要なエネルギーと言われています。ビックバンが起こってから宇宙は膨張し続けていますが、銀河系間の距離や遠くから届く光の赤方偏移という光が赤外線方向に波長が伸びていく事(空間が伸びてる)などから計算すると、ビックバンの力とは別の力が余計に働いてないと膨張速度に説明がつかないとされました。※むしろ収縮してる説があった。ですがその力が何か分からないので、理論としてダークエネルギーを設定する事で説明しようとしている、只今絶賛研究中のエネルギーです。逆に考えると、ダークエネルギーが無ければ宇宙は収縮してしまい、最終的に一点に収縮してしまうとさえ考えられています。理論物理は先に言ったもん勝ちなので、後々発見されればラッキー的な要素を含むために先んじて発表された理論の1つです。

●.ヒッグス粒子

    次にヒッグス場ですが、2013年にピーター・ヒッグスさんがノーベル物理学賞を受賞して有名になったヒッグス粒子のようなモノの発見で、場の理論と呼ばれる、例えば空間を伝わる事象はその空間に元々敷き詰められている数種類の素粒子がそれぞれの役目を果たす事で伝わってるのではないかという理論を後押しする事になりました。ヒッグス粒子はその場、つまり全ての領域(地中や空間や身体など関係なく)に存在していて素粒子に質量を与えるモノと言われています。あらゆるものは素粒子→原子→分子→物質というように元は素粒子なので、それらに質量があるのはヒッグス粒子の作用であるという事です。※簡略化して説明してるので理解するのが難しいかもしれません。

●.こうなれば渚カヲルは死ぬ その1

    そして話は真空崩壊に戻りますが、真空崩壊はその空間から取り出す事ができないとされる、ダークエネルギーやヒッグス場(粒子)がなくなり、それらのエネルギーが失われた更に低いエネルギー状態の真の真空を示しています。具体的にどんな事が起こりうるのか?ヒッグス粒子は質量を与えると言いましたが、質量とは重さの事ではなく、その空間の動きにくさと定義され、例えば真空ではその作用は弱く、水の中などでは強くなると考えて下さい。当たり前の事のように聞こえますが、もしこのヒッグス粒子が無くなったと仮定すると、変化する状態における質量の変化が無くなる事になります。つまり、全ての質量がゼロになり全てが光速で動く事になります。例えば身体を構成する莫大な数の素粒子も各々の方向に凄いスピードで動くため、全てがバラバラの粉々になり、あらゆる物質が無い虚無な世界になるという事です。コワッ(笑)※別名、神の粒子とも言われています。

●.こうなれば渚カヲルは死ぬ その2

    ダークエネルギーの場合は空間を膨張させるエネルギーなので無くなると空間は一気に収縮する力が強くなるので、それだけが起こっても人々や地球も含めて宇宙は全体が破壊されるでしょう。このように空間や質量などを根本的に支配しているモノが無くなってしまう事を現在の真空状態を崩壊させるという意味で「真空崩壊」といいます。ちなみにこれらが起こる可能性は物凄く、0を書くのがダルくなるくらいの超低確率なので安心しても良いと思います。でも起こる場合は相転移と言って、一気に派生して起こると予測をされているので、痛みも何もなく即死すると思います。良かったですね(笑)

●.渚カヲルが死ぬ時は宇宙が死ぬ時

    いかがでしょう?かなりアカデミックな内容になりましたが、これが起こらない限りは大丈夫と渚カヲルは言っているわけです。他の理由じゃ死なないよ。と中2病丸出しで言ってるようなものです(笑)渚カヲルが死ぬ時は、その宇宙が死ぬ時と考えても差し支えないと推察できます。なのでDSSチョーカーの爆発等は蚊のゲップ、地球の真裏に居る人のおナラ程度にしか感じられないのではと推察できます。あえて「存在を消せるのは真空崩壊だけだ」と言ってるのは、一瞬は死んだ感じになるけど、蘇る世界が真空崩壊してなければ大丈夫という事なのかもしれません。渚カヲルが死なない理由を真空崩壊という漢字4文字で制作側が説明したが為に、それを説明する為にこんなにたくさん文字を書いた事をお許し下さい(笑)

●.加持リョウジとのやり取りの謎

    1つ謎が残ります。加持リョウジの発言です。:||のほぼラスト前に彼は渚カヲルこと渚司令と共に碇シンジから遠ざかっていく中で、「老後は葛城と一緒に畑仕事でもどうです?」と渚カヲルに言います。「そうだね。それもいいね」と渚カヲルは返します。渚カヲルは死なない理由は有りますが、加持リョウジは死んだ場面が無かったが概ね死んでいて葛城ミサトに至ってはヴンダーで特攻して爆死する描写も有りました。この生きてる体な感じで話が進んでいる会話に謎が残ってしまいました。

●.謎をハッピーに考察

    「そうだね。それもいいね」と畑仕事をやるのもやぶさかじゃないはずの渚カヲルが、ラストの駅のシーンで綾波レイといた理由を強引に考察してみると、渚カヲルは死んでも生き返る仕様なので、度々死ぬ事で加持リョウジや葛城ミサトに会いに行ってるのかもしれませんね(笑)

綾波レイに「ちょっとリョウちゃんの所に行ってくるね」ドカーン!と爆死、
そして冥界のような場所で畑仕事に飽きてきたら
加持リョウジとミサトに「ちょっとレイが心配だから行くね、そうだ息子に伝える事ある?」月の棺からパカッと戻るをくり返す。ある意味、生と死の円環の中で生きていますよね(笑)こんな生活を新世紀では送っているのかもしれません。これなら渚カヲルもハッピーかもしれませんよね(笑)

    ラストの駅で渚カヲルが綾波レイと一緒に居た理由は以下にまとめてありますので、そちらを読んでもらえると分かると思います。

●.まとめ

    渚カヲルは生命の実の象徴なので死なないことに関しては、絶対的な存在だったと分かりましたが、その分ゲンドウに出し抜かれるのは知恵の実を象徴させるゲンドウの精一杯の抵抗だったのかもしれませんね。死なない存在であれば自分への興味は薄れ、ループする世界で双璧となった自分と知恵の実の象徴ゲンドウ、その狭間で翻弄される息子の碇シンジに興味を持つのは自然な流れだったのかもしれません。ゲンドウも生命の実の子とも言える使徒を翻弄し利用したようにです。

    そういえばゲンドウはネブカドネザルの鍵で「俺は人間を辞めたぞー!」状態でユイと一緒にマイナス宇宙に消えていった感じでしたが、、、本当に死んだんでしょうかね?これに関しては考察する情報が少なすぎますよね。長文を読んでいただきありがとうございました。もし気に入っていただければ左下か右下の「♡」を押してもらえると励みになります。他の記事のリンクも下に貼っておくので、気になるものがあれば読んでみて下さい。







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