韓国映画『タクシー運転手~約束は海を越えて~』

遅ればせながら韓国映画『タクシー運転手~約束は海を越えて~』を見た
1980年5月に起こった韓国現代史上の悲劇とされる光州事件
その現場で取材したドイツ人記者と彼を乗せた平凡な一市民であるタクシー運転手。
事実と実在した人たちを描いた映画
タクシー運転手役のソン・ガンホという役者が面白い
韓国映画を代表するような役者で、様々な映画に出ているが、私には、ソン・ガンホ、というご本人の名前よりもよりも(同じ人だと分かっていても)「ほらあの運転手の人」という方がしっくりくるし、パラサイトなら「ほらあのお父さん」っていう方がしっくりくる感じだ。
物語の中にすっぽり埋没してしまう役者とでもいえばいいのか。
簡単に言うと、名優ということなのだろう。
ただ、それだと簡単すぎるように思うくらい面白い役者だと思う。
光州市での反政府蜂起、それに参加した市民を軍が暴徒とみなして銃弾を浴びせたといわれる1980年5月の光州事件
『タクシー運転手』という映画で光州事件の映像を見ていると、今、BBCニュースで毎日のように見ている、香港のデモ、ベラルーシのデモ、アメリカでのBLMの抗議運動、そんな日々現実で起こっている様子も思い起こしたりもする。
各国の市民蜂起、反政府蜂起が、全世界で同時進行で報道される現在でも、その現場では誰かが不当に拘束され誰かが亡くなったりケガをしたりする。
現在のようにインターネットも広がっていない時代の1980年はもっと酷かったことだろうと想像はたやすいし、このドイツ人記者とこのタクシー運転手はよく無事に光州から脱出できたものだな、と思う。
だからこそ、この映画は韓国人にはとても大事な映画の一つになっているのだろう。


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