見出し画像

EM勉強会〜Chatwork開発人事門田さんへ徹底壁打ち〜

こんにちは!グロービス採用広報です。

グロービスでは6年ほど前に開発組織を立ち上げました。現在は100名を超えるエンジニアが在籍し、ミッションである「学びの未来を作り出し、人の可能性を広げていく 」の実現に向け、プロダクト開発に取り組んでいます。

開発組織を醸成していく中で、現状取り組んでいることがエンジニアリングマネージャー(以降EM)の役割の見直しについて。そこで今回はEMの役割を見直し、開発組織の醸成をリードしたChatworkの門田さんをお招きし、EM陣のお悩み解決やグロービスの今後の開発組織について壁打ち会を実施させていただきました。

今回は壁打ち会の内容をお届けします!

登壇者

門田 矩明(Chatwork株式会社)
2012年サイバーエージェント中途入社。メディア系新規サービス立ち上げにエンジニアとして関わった後、広告系SaaSサービスの責任者として、開発組織の改善やサービス提供体制の整備をしつつ、ダイレクトスカウトや技術広報などを用いた採用力の強化に従事。 数々の失敗経験をアンチパターンとして蓄積しながら、成功に導くために「人」と「チーム」を中心とした組織作りに取り組む。2020年にChatwork株式会社に入社。急拡大する事業を支える開発組織の強化施策や、エンジニア採用強化に奔走中。

末永 昌也(株式会社グロービス)
Startup Weekend世界大会入賞を機にEdTechサービスを手がける株式会社LOUPE(現ARROWS)を共同創業。CTOとしてプロダクトの新規立ち上げ、技術リードを行う。グロービスに入社後はグロービス学び放題等の立ち上げに関わり、現在はVPoEとしてグロービス・デジタル・プラットフォームにおける開発統括を行う。

大沼 和也(株式会社グロービス)
ベンチャー企業でインフラからフロントエンドまでシステム開発に従事した後、株式会社グロービスに入社。『GLOBIS 学び放題』『GLOBIS Unlimited』などオンライン学習サービスの開発に携わる。バックエンドエンジニアとして入社し、チームの課題を解決するためにスクラムマスターを経て、現在はエンジニアリングマネージャーを務める。

渡辺 大洋(株式会社グロービス)
GLOBIS 学び放題/GLOBIS Unlimitedのエンジニアリングマネジャー、事業部の組織開発を担当。グロービス入社前はDeNAにて新規・既存プロジェクトの開発、開発マネジメントを行う。

ChatworkがEMを分割するという意思決定を行った理由

門田:本日はよろしくお願いします。早速ですが現状のグロービスの開発組織についてお伺いさせてください。

大沼:よろしくお願いします!現在のグロービスの開発組織では、ミッションベースで事業部とチームを構成しており、今後もミッションベースでチームや事業部を作っていく想定です。

現状受講者側、法人側に分けているのですが、今後法人側にリソースを割きアプローチしていこうと考えていて取り組みを開始していますね。また、WebとAppで学習の体験を考えていくためのチームを構成したりしています。

門田:なるほど。現状のマネジメント体制はどうなっていますか?

大沼:チームごとにEMやスクラムマスターを立てています。ただ現状だとチームによって評価体系もまちまちなので、今後統率していく必要があると思っています。

末永:私はVPoEとしてEMのレポートラインにサブで入ることもありますね。。事業部制をとっているのでレポート的には事業部のリーダーが担っています。ちょうど体制について見直している段階で、ChatworkさんがEMを分割する意思決定を行なった理由についてぜひお伺いしたいです。

門田:1番の理由はEMのリソースを最大限に活かすためですね。プレイングマネージャーとして開発だけでなく、ピープルマネジメントまでするとかなりの工数が必要になりますよね。もともとChatworkは職能ごとにメンバーをアサインしてたんです。そこで2つの壁にぶつかりました。

1つはEMのなりてが少ないこと。テックリードクラスのメンバーにピープルマネジメントまでお願いする方法もありましたが、どうしてもコードを書く時間が少なくなってしまうので嫌がるエンジニアが多いんですよね。

2つめは採用難易度が高いこと。職能ごとにEMを立てると全く見つからないんですよね。そうなると組織のスケールアウトができず、部署の人数が増やせない。そうなるとスケールアップできないので組織的な難しさを感じておりました。この課題が広がるとエンジニアにおいてはマネジメント能力向上しか選択肢がなくなり、さらにそのメンバーが産休や育休、怪我や病気になってしまったしまったとき代わりを探すのがかなり大変になってしまいましたね…。

門田さんはどのように開発組織変更をリードしたのか

末永:私も去年育休を取ったので、長期休みの際の代替について確かに悩みますよね。Chatworkさんはそこからどのように変化させていったのですか?

門田:もともと1つの機能開発に対しプロジェクトを編成するプロジェクト開発型を取っていたのですが、そこをやめて特定の機能に対し開発運用チームを固定化する前提で組織設計するようにしました。

プロジェクト型の際はチームビルドのコストの高さや継続的な機能改善が行いにくく、品質保証などで各部署の負担が月日とともに増大する形になってしまっていました。機能コンテキスト単位でチームを編成、固定化することでナレッジを蓄積し、品質保証や保守をしっかりできるよう仕組み化しました。

大沼:チームはどれくらいの期間固定化されるんですか?

門田:永続的に固定化する想定です。プロジェクト型開発の体制をとっていたとき、メンバーが毎回変わるのでチーム運営のノウハウが貯まらないんですよね。チームの固定化は大枠を変えないことが重要だと考えています。

また、チーム内ではキーマンがいると思うのですが、キーマンに依存してしまうのも良くないんですよね。組織としても1人に依存すると属人化してしまうので戦略的に異動させていくことも大事だと考えていますね。

体制変更がもたらした効果

渡辺:Chatworkさんが体制変更を行なったことは組織的にどのような効果が出ましたか?

門田:開発的なサイロ化が防ぎやすくなったことですね。チームごとに言語や技術的な選択をしていきますが、その際に横軸の連携がないと個別最適に陥りやすくなります。

横軸でギルドを用意し職能組織が担っていた機能は残しつつ、情報共有をしながら技術的なサイロ化を防ぐことに取り組んでいます。

大沼:開発的なサイロ化を防ぐこと、大事ですね…!組織の硬直化を未然に防ぐ取り組みはされていますか?

門田:コンテキスト的なサイロ化として、このチームが一番この機能に詳しくなってほしいという意図もあるのでそれはOKなのですが隣のチームが何をしているかわかりにくくなってしまうこともあります。

そこでChatworkではビアバッシュ的にチームやミッション、方針を発表し合うLT大会を開催しています。この取り組みによって隣のチームが何をしているのか?と理解し隣のコンテキスト理解や連携につなげています。

末永:横の連携を取るためのLT大会とても良いですね。組織課題への効果はありましたか?

門田:以前のモデルだとどんどんEMを増やす前提でした。なのでそれに合わせたスピードで抜擢や育成、採用をしていくのが難しかったんです。

EMの役割を見直し権限と情報をEMに集中しない。技術とピープルマネジメントを分けることで組織を冗長化させる。そういった組織設計をすることで組織が100人以上に増えても耐えられる組織になってきていると思います。

今回はChatworkの開発組織の変遷についてお話しさせていただきましたが、グロービスさんも今後開発組織はどんどん増えていくと思います。どのようにEMの役割を見直していくのか、今後のグロービスさんの開発組織の変遷楽しみにしてます!

末永:現状グロービスでは開発組織作り担当の採用も進めているので、さらに開発組織の醸成に取り組んでいきたいですね。本日は勉強になるお話しありがとうございました!

全内容はグロービスPodcastで公開中!

今回の記事では壁打ち会の内容を一部公開しておりますが、90分にわたる壁打ち会の内容はグロービスのPodcastで全て公開しております!

門田さんの壁打ち会内容をさらに聞きたい方はぜひPodcastをお聞きください。

1、開発組織紹介(約24分)
2、なぜEMを分割するという意思決定を行ったのか?(約31分)
3、People Managerがどのように組織マネジメントを行なっているのか?(約41分)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?