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デザイナーを経営から遠ざける要素

こんにちは。Globee代表の幾嶋です。

様々な場面で「デザイナーがもっと経営に近づくべきである」といった意見を聞きます。個人的にもそれについては同意見ですし、自分自身abceedのデザインを通してデザイナーの重要性を非常に強く感じています。
ではなぜそれが進んでいないのか。今回はその理由を考えてみました。

経営者とデザイナーの役割

私はこれまでGlobeeの経営者として事業を推進する傍ら、abceedというAI英語教材アプリのデザインを行ってきました。abceedは3年半ほどで100万人の英語学習者(主にTOEIC受験者)が利用するサービスとなり、社員10名ほどの会社を収益的にも支える基盤となりました。70%のプロダクトやサービス、事業が2~3年で終了すると言われますが、私は幸運にも経営者としてGlobeeという会社を軌道に乗せることができたと同時に、デザイナーとしてヒットプロダクトを生み出せたように思います。次の目標は、abceedを誰もが知るプロダクトに磨き上げていくことですが、こうした経験を踏まえ、デザイナーに求められる非常にシンプルな役割が見えてきました。それは、
①新規プロダクトを生み出す
②既存プロダクトを伸ばす
の2つです。
また、常日頃、経営者の主な役割は、
①新規事業を生み出す
②既存事業を伸ばす
の2つだと考えています。

プロダクトドリブンな会社に限って言えば、経営者とデザイナーの役割に大差はありません。要は両者とも、新たな価値を生み出すか、既存の仕組みを改善するかの2つしか役割はないのです。

デザイナーを経営から遠ざける要素

ではなぜ、デザイナーが多くの会社で経営権を持っていないのでしょうか?それは、上記役割にコミットする人とデザイナーが別であるという構造に問題があると考えています。事業経営では、数字的な結果が必然的に出ます。KGIとしての事業の売上・利益といった数字であったり、KPIとしてのプロダクトのユーザー数、リテンション、有料会員数、課金率、解約率といった数字になると思います。経営とは、こうした事業上のKGI/KPIを最大化することが期待されていると思いますし、こうした指標に影響を与えるポジションという観点から、デザイナーは経営に近い存在であると考えています。

経営者は経営指標を最大化する上で、投資判断力、資金調達力、採用力、事業提携力など、さまざまな能力が求められます。同様に、デザイナーは経営指標を最大化する上で、企画力、UIデザイン力、UXデザイン力、UXリサーチ力など、様々な能力が必要になります。逆にいえば、こうした能力はあくまで新規で価値を生み出す OR 既存の仕組みを改善するための手段です。その能力を高めたことで、新規のヒットプロダクトを生み出せたといった経験や、既存のプロダクトを改善できたといった経験に繋がっていなければ意味がありません。会社としてデザイナーにそこを握らせなければいつまで経ってもデザイナーが経営に近づくことは無いと思いますし、デザイナーが経営数値にコミットしなければいつまでたっても経営の一翼を担うことはできません。

Globeeの代表取締役兼デザイナーとして、今後経営指標にコミットするデザイナーが増えてほしいと思いますし、そうした人が増えた結果、真にデザインの価値が証明される時代がやってくるのではないかと思います。
そしてデザインの価値を信じる者として、引き続きGlobee・abceedを通じてデザインの価値を証明していきたいと思います。


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