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カタールが次期中東のリーダーになる!?

中東で起きている紛争を見るときの注目ポイント

中東で起きている紛争を見るときの注目ポイントは、
Saudi Arabia(サウジアラビア) と Iran(イラン) のライバル対立なのですが、

今 Qatar(カタール) という国がそこに台頭してきているんです。

独立後

Qatar(カタール) は1971年にイギリスから独立し、石油と天然ガスが豊富にとれる国です。
今現在も天然資源を輸出して、食料などを輸入するといった経済体制をとっています。

1981年に the Gulf Cooperation Council (GCC) という連合組織が組まれ、
United Arab Emirates(アラブ首長国連邦)
Bahrain(バーレーン)
Kuwait(クエート)
Oman(オマーン)
Qatar(カタール)
Saudi Arabia(サウジアラビア)
の6か国で政治や経済における協力を約束します。

ちなみに、この結束には "1979年におきたイラン革命の反動がアラブ諸国に及ばないようにしよう" といった狙いもあります。

新しい首相と新しい方針

しかし、1995年に新しく就任した Qatar(カタール) 首相は、中東でサウジアラビアが強い勢力を保持していることをあまりよく思わなかったんです。

そのため、その Qatar(カタール) 首相はサウジアラビア) のライバルであるイランとの協力を強め、
さらに国営の Al Jazeera というメディアをつくるんです。

この Al Jazeera というメディアは、中東政治に関する際どい内容なども報道していくスタンスをとっていて、これは中東のリーダーをしてきたサウジアラビアにとっては都合が悪かったんです。

そんな中でも、2001年にアメリカで同時多発テロが起きた時には、the Gulf Cooperation Council (GCC) がテロ組織と戦っていくよう団結したりしていました。

2008年にはイラン、ロシア、Qatar(カタール) など天然ガスが多く取れる国同士での話し合いをおこなっていたりして、
Qatar(カタール) は中東の二つの強大勢力(イランとサウジアラビア)と双方同時に関係を保っていくわけです。

しかし、2010年にアラブの春が始まると、Al Jazeera というメディアは積極的に報道を行い、この時に反政府として立ち上がっていた the Muslim Brotherhood という組織をサポートするような報道をしていたんです。
The Gulf Cooperation Council (GCC) のメンバーからしたら、”中東での混乱を後押ししている” という印象になりました。

外国の反発

この Qatar(カタール) に対する不信感が中東諸国のあいだで続くなか、
イランをライバル視しているアメリカがサウジアラビアの側につき、
”イランとの強いつながりとテロを促している” ことを名目に、2017年に Qatar(カタール) の陸海空をブロックしたんです。

しかし、イランの支援や Qatar(カタール) の天然資源の需要などもあって、この政策は Qatar (カタール) の力を弱めるには至らなかったんですね。

こうした緊張の中、2019年に Qatar(カタール) は、
the Organisation of Petroleum Exporting Countries (OPEC) と呼ばれるサウジアラビアが権力をにぎっている石油機構から離脱しています。

こうして今現在も Qatar(カタール) が中東の新たな勢力として台頭してきているわけです。

参考: Al Jazeera, BBC news, CSIS, Council on Foreign Relations

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