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高度外国人財と残業

仕事に対する考え方は、それぞれ国や文化で異なってきます。
日本人は、どちらかといえば仕事は「人生の中心」にあるような気がします。『仕事中心』です。ですが、他の国の人にとっては、仕事は単なる生活の糧を得るための手段でしかなく、『家族中心』、『自己実現中心』的な考え方を持っている人たちも多いと感じます。

どちらが良くて、どちらが良くないのかは誰にも判断できるものではありませんが、世界経済という視点で見ると、働く気がない人たちの場合は別として、『家族中心』、『自己実現中心』的な考え方の人の多い国でも、素晴らしい製品やサービス、デザイン、美味しい料理、心を揺さぶる芸術等々で十分に経済活動が成立しているので、日本のように『仕事中心』という生活スタイルを持たなくてもやっていけるということのように感じます。

戦後の焼け野原からこの国を復興させてきた世代の、次の世代までが、「24時間働けますか?」系の働き方を美徳としていたかと思います。しかし、徐々に考え方が変わってきていることは、今を生きている私たちも感じていることです。

深夜残業当たり前!といった意識を持つ人は今はほとんどいないでしょう。それぞれの人生をどう生きるか皆さん徐々に考え、それに合わせた時間の使い方をしてきていると思います。

ちなみに、日本では国民の祝日が他の国に比べて多い理由って知っていますか?

その理由は、アメリカの圧力です。1980年頃までは日本は飛ぶ鳥を落とすような経済発展をして、東京都の土地を売れば、資本主義の本家本元のアメリカ本土を買えるなんて言われた時代でした。それはアメリカにとって脅威以外の何物でもなく、経済的に日本潰しをするにはどうしたらよいか?
と考えたときに、経済制裁だけでなく、日本人を働かせなくすればよいと考え、猛烈な圧力を掛けてきたものです。当時の政権は、国民の祝日を作る分には国民から反対が出るわけでもなかったこともあり、アメリカの圧力を受け入れたという経緯があります。

さて、残業のことを英語で"overtime"と言いますが、よく見てください。残業とは『残った業』を意味します。つまり、私たちの頭の中は、仕事が終わらないために会社に残って仕事をするという理解です。しかし、overtimeは、仕事のことなんて何も書かれていません。『退勤時間の後』という表現です。

人生にとって時間は有限で、一日は会社のためにあるわけではありません。『仕事の時間』がある対局には『個人の時間』があるわけです。ですから仕事の時間を超えて個人の時間を侵食するということは、とんでもないことな訳です。

ですから、高度外国人財に仕事をさせる際には、仕事量、仕事の配分、結果の責任ということを理解させ、それを管理監督する(managingする)ことを日本企業の上司の方は行ってください。そうすることで、overtimeをするかどうかは本人が決めることになります。

是非、貴社も『残業』という概念を止めて、『overtime』という考え方にシフトしてみてはいかがでしょう?
withコロナの世の中にも、これはマッチする考え方です。


異文化コミュニケーション研究所(R)
https://www.globalforce.link/
日本企業のダイバーシティ教育、高度外国人財の採用・活用


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