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”グローバル教育のススメ“(1)

渥美育子の”グローバル教育のススメ”(1)

(10年前にAmebloに同じ題でエッセーを2つ書いた。その後2016,7,8年ころ、(一社)グローバル教育研究所のオフィシアルメールマガジンを1000人くらいの会員に配信していたが、それ以上広げる努力をしなかった。
今度、ホームページを新たにしたのをきっかけに、Noteを使ってグローバル教育について自分が理解していること、発見したことをみなさまと共有していきたいと思う。3度目の正直、である。)

グローバル教育とは、どんな教育なのか?

グローバル時代に人類と地球全体を視野に入れて新しい未来づくりに貢献できる能力を身につける教育である、と私は定義したい。言いかえれば、グローバル時代の要請と連動する教育、グローバル化のメリット(良い点)を人類や地球に生かす能力を身につけ活用する教育なのである。
 
ところが、世界を2分していた冷戦体制が崩壊しても“全体を視る“、”全体を知る”というグローバル化の重要性に気づかず、グローバル化に失敗。それ以前の国際時代と21世紀のグローバル時代が混じってしまった日本のような場合は、どうなのだろうか?
 
1980年代後半に米国にわたり、2年後に21世紀型の研修会社をボストン郊外で起業した私は、グローバルな学びを求めながら真似するモデルがなかった。それでまず、おかしいなと思っていた(ハードコア)ビジネス対(ソフトコア)文化という対立を、“世界のビジネスマネジメントの理解は、文化の多様性の理解から始まる”というビジネスと文化の統合から始めた。これがマルチカルチャㇽマネジメントブームを引き起こしたのだ。

その後1991年末に世界のグローバル化が始まると、世界の目的は多様性を認める一方、多国籍モデルからグロ―バルモデルへの一元化戦略であるということがいち早くわかり、目的に向かって猛進できたのである。

初めから、グローバル化の本質は対立する価値の共存であることが、直感として分かった。グローバル化の実現にはこうして、2段階踏んで成功した。
 
現在日本が、グローバル化の失敗から回復して世界の競争力を取りもどすには、やはり2段階踏む必要がある。まず、グローバルな世界の中での日本の正確な診断が必要だ。それを原点として、第1段階では国際モデルとグローバルモデルの違いをしっかり理解し、グローバルモデルにチェンジをすること。第2段階として一刻も早く21世紀化すること。
 
この2段階をはしょってSDGsの枠組みだけを安易に唱えていると、本質的なことを永久に見失ってしまう。世界が急速に変化する中で、日本の国力がどんどん落ちていることが見えるだろうか。いま国民が本当のグローバル化を理解する人としない人に分断されてしまうと、国の安全保障上も非常にに危険である。
 
したがって、正しい段階を踏まえて一刻も早くグローバル化すること、今後5年、10年、15年先に世界に出ていく子どもたちに現実を知らないで出ていくのではなく、21世紀とはどういう時代なのか、いま何を理解しておけば将来自分のためにも日本のためにもなるのかヒントを提供する教育、グロ―バル教育、が喫緊に必要なのである。


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