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COVID-19 NYの現実:自宅待機の正義と日本の皆さんに伝えたいこと

NYは、今日で自宅待機生活7日目。これだけ篭っているにもかかわらず、感染者数は増える一方。NYで最大のコンベンションセンター「ジャビッツ・センター」は仮設の病院に、そして今日のニュースによると、セントラルパーク内にフィールド・ホスピタルが設置されつつあります。マウント・サイナイ病院の五番街を隔てたセントラル・パーク敷地内、East Meadowという広場に設置されているのですが、もはや野戦病院。。。

これがそのフィールド・ホスピタル。

NYの新型コロナウイルス関連のアップデートはこちらからご覧いただける。

そんなNYの状況をNY在住のライター黒部えりさんが、ご自身のブログでまとめていらっしゃる。是非お読みいただきたい。

筆者は、皆さんを脅すつもりはさらさらない。しかし、「眠らない街」と言われたNYが息を潜めている。いや、重く低い悲鳴を上げているかのようだ。これが紛れもないNYの現実であり、しばらく前から日本の様子を見るにつけ、NYと同じ道を辿ってしまう可能性を大いに秘めていると恐怖を感じる。一人一人がまずは気をつけて欲しいのだ。

それと同時に、ここ2ヶ月ほどの間、日本とNYでのコロナ騒ぎのなかで身動き取れなくなり、1週間前から自宅待機の発令によりお篭り生活に至っている中での、思いの丈を綴らせていただこうと思う。

2月初旬から今日に至るまでの間、直接やりとりをする日本の方、それも相当まともな感覚をお持ちの方々との間にでさえ危機感の温度差があり、チラリと伝える事柄の意味が通じない模様、大袈裟で神経質な外国暮らしのおかしな人扱いされているのだなぁということも感じる。そしてそんなこと聞きたくないし余計なお世話なのだろうと感じていたので、ずーっと自分の中に止めていた。

少し前、どなたかがSNSに投稿していた内容で驚いたことがある。「自宅にこもったって、一人がかかれば家族みんなかかっちゃう、意味ない」と言うような内容を目にしたのだ。

言わせていただこう。「寝言は寝てから言ってもらいたい」

極端な言い方だが、一人感染者がいたら、こもっている家族全員に感染する可能性は確かにある。しかし、その家族だけで止められたら、家族以外にうつさないで済む。感染は無いに越したことはない。でも、もう広まりつつあり、どこでもらってきてしまうのか分からない。ウイルスに変な色とか、変な匂いとかついていればいいのだが、それも無いのだから、発見して近づかないようにすることもできない。だから、かかったら感染を最小限でくい止められるよう、感染者は感染者として篭り、感染していない人も当然篭るのだ。

実は筆者は3月18日にNYを発ち3月19日到着、4月10日まで日本出張を予定していた。一応まだギリギリ日本に飛べる時期の出発日だったにもかかわらず、日本出張を取りやめた一番の理由は、両親に移したくなかったからだ。

日本に行くと大抵実家に滞在する。出張ということは、少なくとも外を出歩かなくてはならなくなる。特に日本の方は、皆さん直接顔を突き合わせて話をしたがる為、本当はビデオ会議ですむことも、「今度ニーナさんが日本にきたとき話しましょう」となる。当然、都内を終日ぐるぐる移動しまくることが日本出張中は必須だ。都内をがんがん歩いた筆者が、実家に帰るとどう考えてもウイルスの運び屋となる。また、いくら現在の空港には人が少ないとはいえ、違う国から来た人もいるであろう空港などという場所を通って実家にいくのも、ウイルスを運ぶ可能性が非常に高くなる。行動半径も小さい中で暮らしている実家の高齢な両親二人の通常の暮らしを、娘である筆者が脅かすなど、あってはならない。本当は側で様子を確認したかったが、大事な人たちを危険に晒すなどもってのほか。従って、日本出張を取りやめにしたのだ。

今回は結局、チケットをとった直後からあれよあれよといううちに日本がコロナで第一弾ワサワサし始めてしまったため、その様子を見て予定を建てるられずいにたら、どんどん出発日が近くなり、日本に行っても実家からのビデオ会議などになりそうだったこと、何より最優先事項は人の命ということで、出張はキャンセルに至った。その後、NY も一気に大変なことになっていったので、NYに残していく夫と黒猫2匹のことも心配だったし、NYに戻るのが大変になるだろうと容易に想像できた為、正しい判断だったと思っている。

結論、筆者がいいたいのは、「あなたは無意識のウイルスの運び屋で殺人者になりたいか?」ということだ。

あるイタリアの方の映像をみた。ご自分がコロナにかかって、それをご高齢のお父様に移してしまい、ご自身が入院している間にお父様がお亡くなりになったというものだ。
筆者は嫌だ。相手が誰であったとしても、それは嫌だ。ましてやそれが大事な人だとしたら、自分が治って復活しても、その先、生きながら死んでいるようなものだろうと思う。想像するだけで耐えられない。

コロナなんて大したことない、気にしない、気をつけない人は、それも自由かもしれない。どうぞご勝手になさればよろしい。だけど、人を巻き込まないで欲しい。気をつけている人の健康や未来を脅かす権利は誰にも無いのだ。

22日(日)8pmにNYでは正式に自宅待機が発令された。あれからまだ1週間。なのに、状況は刻々と変わり、その渦中にいる我々の意識もどんどん変わっていっていることを実感している。大袈裟ではなく、1週間前のあの感じが、ずーっと遠い前のことの様に感じるほどだ。

お水も電気もガスも通っていて、ネット環境も整っている家の中に篭るのは、突然の地震やハリケーン災害よりもましだ。
その一方、このお篭りはいつまで続くかまだまだ分からず(3/29現在:4/15まで篭ることになりそう)、それにもかかわらず、家ではできない仕事をしている人だとしても、仕事場に行くことはできず、篭ることを余儀なくされている。それは当然「働けない」という深刻な事態に直面している。

それでも、今の選択肢はたった2つ、「篭る」か「非人間になる」かだけ。

若者に警鐘をならす日本のメディアが多くあるが、危ないのは若者に限ったことではない。若者とくくってニュースを作っている方々も、注意が欠損していて相当危ないと思うのは筆者だけではないはず。

そして、2月ごろ、日本の医療系の方々が、今回の新型コロナはインフルエンザとたいして変わらない様な発言をしているのをたくさん目にした。そして、日本のコロナウイルスと欧米のものは違うとかなんとかいう発言も。また医療関係の方ではないが、日本はウイルス感染のトラッキングがしっかりできているから防げているなどなど。。。筆者は医者でも研究者でも行政の人間でもないので、それは全くわからない。ましては日本に住んでいないので、外の人間が吠えていると思われても仕方がない。百歩譲って、日本が最初に対応し始めた2月頃のコロナはそうなのかもしれない。でも、今現在のものはその時と一緒かどうか分からないはずだ。ヨーロッパやアメリカから、そのウイルスを持って日本国内に入った人がいると考えるのは間違いではない。そう考えれば、今のNYの惨状は明日の日本の状況かもしれない。それでも、インフルエンザよりも軽いと言い切れる方がいらっしゃるのであれば、是非とも大声でその根拠と対処の仕方を教えてもらいたい。実際、お年寄りでなくても、既往症などなくても、インフルよりもとんでもなく苦しいという話を聞くからだ。その人たちは例外なのか?そんなにたくさんの例外がいるのか?今、誰もが知りたいことだ。

まぁ、それがわかっていたら、このような事態には陥らないのだが。

だから、今できることは最悪の事態を想定し可能な限りポジティブを保って冷静に対応をする。これが危機管理の対策と対応だ。多くの命がかかっているのであれば、尚更なのだ。

「あなたは無意識のウイルスの運び屋で殺人者になりたいか?」

それを自分に問いかけて、嫌だと思うのであれば「ソーシャル・ディスタンス」をとり「篭る」こと。至ってシンプルだ。

この映像を見ればよくわかるだろう。

こうすることで、蔓延は防げるということを。それぞれが行えば、さらに収束は早くなるはずだ。

だから、どうか悲観的にならないで欲しい、あなたが篭って動きを止めることにより、新型コロナウイルスの感染を食い止められる確率はグッと高くなるのだから。これは未来の為に、そしてあなた自身とあなたの大事な人たちのためにできる、前向きでポジティブなことだ。

そんな皆さんに贈りたい映像がある。
それは『Les Miserable』の『ONE DAY MORE』自宅隔離バージョンだ。

今は休演中のBroadwayのシアターだが、出演者たちがそれぞれの自宅から歌う、まさに今の現実を生きる「ONE DAY MORE」の映像だ。
マスクをしたり、せっせと手を洗ったり、カードゲームをしたり、お酒を飲んだり、深刻な現実の中でも少しの笑いを持ち続けるタフさを持とう。そして、「one more day、one day more(もう一日、あともう一日)」と思いながら、自宅に篭ろう。

どうか皆さん、Stay safe & stay home

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