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グローバルリーダー育成の「動脈硬化」を防ぐ


第260回グローバル人材育成研究会では、「バーチャル学習最前線~組織にインパクトをもたらすグローバルリーダー育成の現在~」と題し、世界最高峰のビジネススクールIMD北東アジア代表である高津尚志氏との対談やディスカッションを通して、グローバルエグゼクティブの育成に関する最新のトレンドや今後の戦略について皆様と一緒に考えて参りました。
今回は、その第一部にあたる「グローバルリーダー育成における”動脈硬化”」の様子をお届けします。

人材の「枯渇」問題

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「究極の他流試合のため、海外のトップビジネススクールにリーダー層を派遣したいが、そもそも派遣できる人材が少ない。。派遣できるような人材を育成するには、どこからスタートするのが良いだろうか?」

このような人材の「枯渇問題」のご相談を受けることが増えてきています。

グローバルに活躍できるリーダーを育成すべく様々な施策を計画しても、なかなか思うような成果に結びつかない。

この状態はまさに「動脈硬化」。放っておくと、コストをかけている一方でグローバルで競争・協働できるようなリーダー層が全く育っていないという、大きな病を引き起こしかねません。

「動脈硬化」、原因は?

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動脈硬化の原因となる主な「血栓」は以下の3つです。
①グローバル人材の定義がない
②謝罪型人材育成
③依存的な社員

「グローバル人材=英語ができればいい」と思ってはいませんか?グローバル競争がより激化し、不安定・不確実・複雑性・曖昧さが増している状況では、ただ英語ができるだけでは生き残っていけません。この発想からスタートしてしまうと、資格試験での点数アップ、といった短期的な目的で終わってしまいます。
そもそもなぜグローバル人材が必要なのか?その必要性・危機感を社員と共有できていない限り、社員自らが動き出すことは難しいのが実情です。「社員のグローバル化」は会社・個人双方にとって急務にもかかわらず、「業務でお忙しいところ申し訳ありませんが、研修を受けてください」というスタンスで人材育成企画を運営することになりかねません。
したがって、このようなメッセージを送られた社員は、仮に英語学習や異文化コミュニケーション力の強化を決意したとしても、しばらくしたら「会社にやれと言われたから、やっているだけ。業務で忙しいのに勘弁してほしい…」というマインドに戻ってしまう可能性が高いのです。

こうした動脈硬化に対する根本的な解決策は、「社員の自立/自律」しかありません。社員一人一人が変わらなければいけない理由を納得して危機感をもち、目指すグローバル人材の具体的な像を明確に持っていれば、自立して日々自らをアップデートしていくことができます。研修の場を離れても、個人が「やらなければいけない」「やりたい」という意志を持てるところまでもっていけるアプローチこそが、最も根本的で効果的な方法なのです。

自立したグローバル人材とは?

では、自立したグローバル人材とはいったいどのような人物なのでしょうか?私たちはそれは、「個のグローバル化」を促進するモデル、「パーソナル・グローバリゼーションモデル」だと考えています。

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『枠にとらわれないひらめきと仕事へのひたむきさを併せ持ち、
その実現性を検証するためのロジカルで全体を俯瞰(ふかん)できる思考力をそなえ、常に内在するパワーを自ら引き出し、心は決して折れない。
多様な価値観の人々との協働を楽しみ、そして、状況に応じて最も効果の 高いコミュニケーションのツールを使いこなせ、それらを表現できる英語力を持つ』


こうした定義を認識することによって、「何をすべきか」が明確になり、自己変革への道のりがはっきりと見えてきます。

「個のグローバル化」とはどういうことか?こちらが4分間での解説です。

「なぜ?」の腹落ちが重要

「会社に言われたから」ではなく、「なぜグローバル人材になるのか?」というwhyの部分の腹落ちさえしっかりできていれば、優秀層の方々は自ら動き出していくことができるのです。その上で、目標とするwhat「パーソナル・グローバリゼーションモデルと現在の自分とのギャップを認識し、howの部分となるスキルを日々の生活の中で身につけていきます。

このように、自立的に自己変革するマインドの社員を増やすところにコストをかけて本気で向き合っていくことで、社内の人材育成企画が大いに機能していきます。また、組織のどの層からレバレッジをかけていくのかを見極めることも重要です。たとえば、このマインドをコア層から浸透させていくことにより、その部下、さらに若手へと広がりが早くなります。組織全体に大きなインパクトをもたらす人材育成を成功させるために、一刻も早く自立マインドの土台を固めていくことが重要なのではないでしょうか。

成功するグローバル人材育成プログラムや海外赴任前研修にご興味のある方は、ぜひ当社までお問合せください。

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