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成果を出す部下を育てる上司は、何をしているのか?今すぐできる、フィードフォワードのススメ

2021年09月13日(月)に開催された、第274回グローバル人材育成研究会では、「成果を出す部下を育てる上司は、何をしているのか?今すぐできる、フィードフォワードのススメ」と題し、パートナー講師の久野和禎講師をお招きして、当社代表の福田とお送りしました。

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変化の時代に成果を出すための信頼関係構築

コロナ禍を経て、ビジネスにおいて「求められる成果」は、どのように変化してきているのでしょうか?

「未来を見据えて新しい価値を生み出す」ことが成果である、ということはいつでも変わらないものの、それに
グローバル・アジャイル(俊敏さ)・デジタルという側面が加わってきており、難易度が更に高まっているのが現在だと私たちは考えています。

つまり、グローバルを含めた多様な価値観の人と、お互いを刺激し合いながら、新しい価値を生み出すことが求められています。しかも、そのスピードが以前にも増して高まっています。

しかし、「お互いを知り合う」には時間がかかります。
人物のタイプ分けは分かりやすいものの、人間の複雑性を正確に表しているわけではありません。陰もあれば陽もある。矛盾を内包するのが人間です。
どうしたら、複雑な人間を理解し、チームとして成果を出し続けることが出来るのでしょうか?

キーワードは「個別化」です。

・自分以外は「全員違う」という覚悟の受け入れ
・個別化とエンゲージメント

が重要になってきます。

研究会当日は、それを可能にする思考特性・行動特性を可視化するアセスメントの活用をご紹介しました。最近では、上意下達の組織カルチャーをフラットに変革する、という組織開発プロジェクトでも使われており、上司・部下・同僚との対話を活性化しています。
アセスメントというと、「良い悪い/評価」と結び付けがちですが、その人の思考特性や行動特性を可視化すること、つまり人間という複雑な生き物を理解し、より効果的に協働するためにアセスメントを使うのです。

中には、自分のアセスメント結果を部下に見せることが気恥ずかしい、という方もいらっしゃいますが、自己開示を行うことで、よりチームとしての一体感も強まります。実際、気恥ずかしさを乗り越えて、ご自身の結果を部下に開示されたある部長は、その後の部下とのコミュニケーションがより円滑になり、チームとしての成果が生み出しやすくなった実感があるとおっしゃっていました。

フィードフォワードとは?

第2部では、当社パートナー講師の久野和禎講師にご登壇いただき、
「フィードフォワード feedforward」という、組織を活性化するシンプルなコミュニケーション技法をご紹介いただきました。

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私たちは、過去や現状にとらわれてしまいがちです。
しかし、過去は二度とやってきません。
これから人間が生きることが出来るのは未来だけです。
そこまで重要な未来なのに、私たちは毎日の生活で、どこまで「未来」を意識できているのでしょうか?

フィードフォワードの定義は下記の通りです。

「過去や現状にとらわれてしまいがちな人に対して、コミュニケーションや観察を通して相手の状況を把握し、相手に起きている出来事やそれにともなって体験している感情を受け止めた上で、その人が自分の未来に意識を向けて行動できるように促す技術のこと」(久野 和禎 講師)

「これからどうしたいですか?」

フィードフォワードにおける最も基本的な質問は、「これからどうしたいですか?」です。

これを聞くことで、未来 + 意志 に意識を向けることになります。
仕事においてどうしたいか、だけにフォーカスするのではなく、プライベートも含めて、自分にとってその時に大切なことを話せばよいのです。重要なのは、未来について考える時間を増やすことです。

人間の脳は、ある質問をされると、その回答を見つけるまで脳を働かせ続けるようだ、ということが様々な研究を通して分かってきています。
他者に対してフィードフォワード的な質問をすると、自分の脳も考え始めるため、自分の脳も「未来モード」に移行できるのです。

一つ注意したいのは、フィードフォワードは、フィードバック、つまり、「過去に起きたことや行動に対しての軌道修正を促すこと」の重要性を損ねるものではありません
フィードバックとフィードフォワードの両方を使い分けることが重要なのです。1ヶ月に一度、30分など時間を決めて、フィードフォワードを行う。その時間は、「未来のことを話す」と決め、出来る限り、過去の話はしないということが大切です。

例えば、「週末は何をしたいですか?」という質問をする時、通常の会話では、山を好きになった「きっかけ」を聞いてしまいがちです。しかし、「きっかけ」は過去のことなので、フィードフォワードには適していません。

実際にやってみると、未来のことを聞いたり話しているつもりなのに、いつの間にか過去に引きずられてしまうような難しい場面もありますが、フィードフォワードを実践し続けると、

・新しいアイディアに対してポジティブになる
・未来志向の時間を増やすことで、組織の生産性向上につながる

という効能があります。

実際、フィードフォワード対話を実践している企業様では、下記のようなコメントをいただいています。

・どちらかというと受け身な部下が、フィードフォワードを実践することで1on1時に前向きな発言を引き出すことができた。

・目の前の仕事をこなすことが中心だった社員が、フィードフォワード面談を通じて、徐々に抽象度の高いゴールを設定し、そのゴールに向かう行動のスピードが早くなった

過去にとらわれがちな私たちにとって、フィードフォワードを利用した対話方法は、未来に意識を向け、人の可能性を引き出すことが出来るコミュニケーション方法です。しかし、この方法は継続して実践しない限り、一過性のものに終わってしまいます。一時の流行ではなく、「未来志向」であり続けるために、フィードフォワードは重要なコミュニケーションスキルです。

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思考特性・行動特性把握のための人材アセスメントに興味がある、また、久野講師のプログラムや組織変革プロジェクトにご興味をお持ちの方は、ぜひ当社までお問い合わせください。

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