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映画『ホビット』EE版考察(二周目)

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主人公側から観てしまうと分かりにくい裏ストーリーを主観的合理性とリアリズム(IR)の観点から掘り下げる。全11回。考察一周目⇒ https://www.nicovideo.jp/…
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#地政学

#5 レゴラスの母の死 どこまで掘り下げられるかやってみた──"闇の森"はなぜ参戦したか?

さて第5回目は作中に全く登場しない人物。レゴラスの母の死はどこまで掘り下げ可能か限界に挑むよ! さて…死んだと聞かされているママのお墓がない。お墓がないのは埋葬する対象がないからで、ということは本当は生きてるか、遺体を回収できなかったか──。 【拙訳】 スランドゥイル「レゴラス…母さんはお前を愛していたよ…この世の誰よりも…自身の命よりも」 そう…つまり、レゴラスの母(闇の森の王妃)の最期…遺体を回収してあげられなかったのです。 【拙訳】 レゴラス「かつての敵だ。"ア

#3 魚を食べないなら川上から出て行け──闇の森とエスガロスの地政学『エスガロス魂』

それでは前回の続きから、映画『ホビット』EE版の考察。助けに来なかった者たちについて。 スマウグに襲われる”エレボール”を助けなかったのは、スランドゥイルだけじゃなかった。実際には同族のドワーフを含め、誰ひとりとして助けには来なかった。 人間たちの国”デイル”がスマウグに応戦したのは、あくまで巻き込まれた自国を守るため。 【拙訳】 ビルボ「それは理不尽な死だった。スマウグにとって人間の街に価値はなく、その眼は別の獲物を捉えていたのだから。邪悪で貪欲な竜は金に垂涎していた