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泣き試合

スポーツの試合を見て涙したことはありますか。

自分の試合でなく、それも負け試合ですが、1試合だけ泣いてしまった試合があります。

自分はバスケットボール...特にレイカーズというロサンゼルスを本拠地とするNBAチームが好きで、オンラインでの試合観戦は勿論、現地まで何度も試合を見に行ったことがあります。


初めて生でレイカーズの試合を見たのが現地時間2016年の2月19日。今まで、試合はおろか海外旅行さえ行ったことがなかった自分をアメリカまで突き動かしたのは、尊敬する選手コービー・ブライアントの引退でした。


中学校の部活でバスケットボールと出会い、購入した月刊誌で当時大きく取り上げられていたレイカーズとコービー。コービーはまだ21歳にしてNBAでの優勝を勝ち取り、ネクストジョーダンとして取り上げられていたほかに、ボウズや編み込みがほとんどの選手の中、ショートアフロと髪型もひときわ目立っていました。そんなコービーに惹かれるのは簡単でしたが、テレビでNBAを見るには衛星放送が必要だったし、今みたくネットで簡単に試合が見られる状況ではありませんでした。

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そんな状況なので、就職や一人暮らしなどNBAとの距離はあいていきましたが友人からNBA選手のカードコレクションRPGのスマホAPPに招待されて再加熱しました。中学生のころに知っていた選手は大半がキャリア晩年や引退で知らない選手の方が大半の中、ゲーム内でのレアカードとして比類ない扱いだったのがコービーでした。

久しぶりにNBAに興味を持ち、ネットなどで情報収集などを始めた翌年の出来事です。キャリア20年目を迎えたコービーがとうとう引退宣言をしたのです。当時36歳と加齢の他に幾度となくしてきたケガの影響もあり、優勝を成し遂げてきたころとは別の選手のようでした。アレほど勝利に貪欲で妥協のない彼が負けた試合の後に笑顔で相手選手をハグをし、会場を去っていく姿。一種の悔しさこそあったものの1度でいいから生でコービーがバスケットボールをしている姿を見たい...そう強く思いました。

といっても初めての海外旅行でしたし、英語もまともに喋られるわけではないのでいろいろと調べて友人と3人で空港~ホテル間の送迎があるツアーを選択しました。

初めての海外旅行、日本と違い真っ青な空で初夏の様な陽気のロサンゼルス。夢中にさせるには十分すぎる条件がそろっていました。

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ホテルに到着して周辺の散策をした後、早めの夕食にハンバーガーを食べてレイカーズの本拠地であるステイプルズセンターへ。

到着した自分の目に飛び込んできたのは人の山。レイカーズや相手チームのジャージーを身にまとった人がごったがえしている日本では見られない光景に興奮が隠せませんでした。そんな状況でしたので、出来についたのは国歌斉唱もおわり、試合の始まる直前でした。

相手チームは2年前に優勝している同じ地区の強豪チームで、対するレイカーズはというとコービーの周りはルーキーばかりのひいき目に見ても強いとは決して言えないどころかその年にチーム最低勝率をマークしたほどでした。試合は前半にリードされるものの後半、巻き返しを図りあわや逆転勝利するのでは...?というような展開でした。

お目当てのコービーもこの日は3Pこそ1/8の12.5%と不調だったもののFG%は10/25と40%近くのショットを決めて25得点でした。この日、憧れていたコービー、そのコービーが動きこそよくなかったもののチームの得点リーダーとして活躍している姿を見て試合中、涙があふれてきました。

ああ、ロサンゼルスまできてよかった...と心底感じたものです。

それからはコービーが現役の20年間をささげたレイカーズを応援しようと固く誓い、新型コロナウイルスにより無観客試合となっている今年を除き、毎年ステイプルズセンターまで試合を見に行くようになりました。

コービー自身がバスケットボールにささげた時間や情熱、それにどんな形であれ触れられたことで、自分もよりバスケットボールが好きになりました。野球に限らず、スポーツは筋書きのないドラマと言いますが、一人の人生を変えるほどのパワーをもっているな...と再確認できました。

東京オリンピックをはじめ、スポーツやスポーツ観戦をとりまく状況は決して良いものとは言えませんが、また笑顔で大声を出しながらスポーチ観戦を楽しめる世の中になればいいなと思う次第です。


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