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コーヒー、酒、読書、依存

9月21日(月)

普段も月曜休みなので月曜祝日は旨味がないけれど、明日も休みだと思うとそれはそれでとてもうれしい。昨日は父のことで泣いて寝付けなかったけれど、今日はいつも通りの時間に起きてゴミを出す。そして二度寝。
起きて紅茶を飲みながら、文フリに持って行く新刊の編集作業を進めたりする。横書きでweb上に発表したものを縦書きの書籍で読みやすくなるように表記を大幅に変更するので、ものすごく時間がかかる。前編のときにも同じ作業をしているのでわかってはいたけれど、進みの遅さに焦る。新刊のタイトル候補はいくつかに絞り込めた。飽きると筋トレをしたりスマホを見たりしながら作業を進める。

ハイアット女子会の前にネイルサロンで塗ってもらったボルドーのネイルが剥げかけていたので落とす。リムーバーの量が足りなくて落としきれず、指先に赤色が残って、人を殺めた後ですか? という感じの手が完成してしまった! つらい!
そこで、ネイルリムーバーを買うついでに散歩に出かけることに。そういえばずっと行ってみたいと思いながら、いつでも行けるしと先延ばしにしていたところがあったのだった。

春日駅近辺の入り組んだ住宅街に入り、細い坂や階段を上がったり降りたりする。スマホの地図をにらみつつ向かったのは菊坂にある樋口一葉菊坂旧居跡。細い路地からさらに細い路地に入ると、そこは時間の流れ方がほかと違ったような趣と生活感のある雰囲気で、両脇に昔ながらの木造家屋が立ち並んでいた。軒先に洗濯物が干してあったり自転車が止めてあったりと生活の様子がうかがえて、勝手に進入してきてよかったのかと心配になる。誰かの生活にスマホのカメラを向けてシャッター音を響かせるのがためらわれた。路地の奥右手に一葉が使っていたとされる井戸が残されていたので、その井戸の写真だけ一枚撮った。

そのさらに奥左手に「ICHIYO HOUSE」と小さな看板が掲げられた家があった。観光客への気遣いがすごい。ちょうどウーバーイーツのリュックをしょったお兄さんが自転車でやってきて、「ICHIYO HOUSE」に何かを届けていた。一葉が針仕事や洗濯を請け負ってわずかな収入を得て生活していた家の跡地に、外注した出来立ての食事が届けられる令和!!

その後、これまた行ってみたかった一葉旧居跡近くの喫茶店「ひとは」へ。文学散歩マップなども置いてあり、観光に訪れた人にやさしい雰囲気。近所の常連さんが楽しそうに店主の方と話しているのもよかった。クリームあんみつとブレンドコーヒーを頼む。コーヒーは後の方がいいかしら、と先にあんみつを持ってきてくれた。

ゆっくりしていっていいよ、と言ってもらっているようで嬉しい気遣い(途中からアイスで腹が冷えてコーヒー待ちになるのだけれど)。久々に食べたあんみつは、ゆで立てのふかふかの白玉に冷たいアイスと粒のしっかりした小豆がよく合ってすてきだった。薄い固焼きのおせんべいを二枚添えてくれていて、甘いとしょっぱいを交互に食べたい私にはありがたかった。

後から出してもらったコーヒーにも、チョコレートとおせんべいが添えられている。調度品もおばあちゃんちみたいだし、居心地がよくてリラックスできたのでのんびり読書。「村井さんちの生活」を半分ほど読み進めた。筆者が心臓の手術後に自分を取り戻した、と感じる章がとてもよかった。

帰りに無印でネイルリムーバーを購入。ついさっきまでつるつるで綺麗な赤ワイン色をしていただった爪ががさがさ(しかも血染め感)になっているのがかなしくて、ふらりと立ち寄ったショップでukaのネイルカラーベースに目が止まった。その場でググったところ、一度塗りでベースコート、四度塗りで淡い発色のポリッシュになるという商品らしい。どんなに下手でもムラにならずに綺麗に塗れる、色はラベンダーが可愛い、という情報を得て思い切って購入。ついこの間「ネイルはプロに頼るに限る」という知見を得たはずなのに。でも、帰宅して、早速リムーバーで指先の血のようなまだら模様を拭ってカラーベースを塗ってみたら、本当に地爪の色と馴染みつつつるんとした美しい艶が出たので満足。短く切りそろえた爪にも違和感がなくて手が綺麗に見える。趣味の邪魔にもならないしネイルケアのファイナルアンサーが出た。

↑インスタでよく見かけるネイル紹介写真の真似。指が短い。

9月22日(火)

朝から快調に筋トレ。なんとかして太ももを細くしたいムーブメントが来ている。昼過ぎにメイコと電話会議をする予定なので、午前中に出かけたくて、祝日でもやっている店をあれこれ検索した。foufouのワンピースを着て、化粧をして出かける。本郷三丁目のベーカリー・pandaへ。モーニングセットは平日限定とのことだったが、美味しそうなパンがたくさん並んでいたので、クロックムッシュとコーンたっぷりの「北海道」を選び、コーヒーを注文した。

イートインスペースで日記を書きながらおいしいパンを楽しむ。オートミールばかり食べているので、小麦の底力に感動する。
パン屋のイートインで長居するわけにもいかないし、日記がぜんぜん書き終わらないので、そのまま近くの名曲喫茶・麦へ。こちらの店もコーヒー一杯分とほとんど変わらない値段でモーニングがあったけれど、食べ過ぎになるのでコーヒーのみで我慢。

雰囲気が落ち着いていて日記書きがはかどった。土日の日記を無事に書き上げて帰宅。トイレに行きたくて家までダッシュした。

ルイボスティーを淹れて、14時からメイコとLINE通話した。11月の文フリ東京に持って行く私の新刊の表紙デザインをいつも通りメイコが担当してくれるので、希望などをあれこれ伝える。春に作った日記本(前編)『#恋と似て非なるもの』とシリーズ感は出したいけれど、似すぎていて見分けがつかないのも困るので難しい。そして、会議の結果、新刊日記本(後編)のタイトルは『#手のひらサイズの愛』に決定しました!! もっとおしゃれなタイトル候補も、もっとコロナ禍っぽさが表れたタイトル候補もあったのだけど、決定してみたらやっぱり『#手のひらサイズの愛』が一番しっくりきて、他のタイトルは考えられないなあという気持ちになった。文フリに間に合うように編集作業を頑張る。

編集についての打ち合わせが無事に終わった後、メイコと関係ないおしゃべりを一時間以上する。私はお茶を飲み、くるみをかじりながら喋った。先日T氏にはわかってもらえなかった「頑張って生きる」発言の話をしたら、メイコにはちゃんと伝わってうれしかった。

電話を終えた後、編集作業を少し進めて、ダイエーに食材調達に行った。帰って、夕飯にヘルシーラザニア的なものを作った。耐熱皿に残り野菜ときのこを並べて加熱し、裏ごしした豆腐とオートミールを混ぜたものをその上に載せて、さらにセブンのタコスミートととろけるチーズを載せて加熱した。タコスミートは本当に優秀。チーズともよく合っておいしい。満腹!

土曜は美味しい熟成肉を食べたし、その翌日から3連休だったので気持ちが元気になった。急に寒くなって心身がついていけないけれど、頑張って生きたい。

9月23日(水)

朝、仕事に行きたくないなあと思いながらコーヒーを淹れる。朝食のヨーグルトを食べ終えてもお尻に根が生えたように動けないので、ハイアット女子会のときにメイコにもらって大事にとっておいた、とらやとピエール・エルメのコラボのイスパハン羊羹を食べた。味には変な癖はないのに、さわやかなベリーの風味とバラの香りが口の中に広がって幸せな気持ちになる。そして糖分が脳に行き渡って無事出勤するために動き出すことができた。パンツルックの上にポールスミスのシャツワンピを羽織るマントコーデ。

夕方、重要な会議が一本入っていて、それが長引いてしんどかった。今晩は詩の表現教室の第四回があるので、会議が終わった瞬間にダッシュで退勤した。講義がオンラインなので自宅に帰ってzoomの準備をしなければならない。何とか開始に間に合った。人の詩でも自分の詩でも、読んでいてあるいは書いていて気づかなかったような解釈を、先生や他の人が感想で挙げているのを聞いて目から鱗。これが毎回本当に面白い。他の受講生の方が話題に出していた本、私もとても好きで影響を受けていたのだけど、オンラインだと講義後に「私もあの本好きです」とか話しかけることができないので、それがちょっと残念。

今回、私は自分の提出課題で二つ新しい試みをしてみた。一つは、この教室で「そういう方法があるんだ!」と学んだ表現の方法(行分け詩の中で改行をしないで言葉を一続きに連ねる部分を作る)を自分の詩にも取り入れてみたこと。そして、もう一つは、早乙女ぐりこ名義で文章を書くときには明かしたことがない自分の出自の一部分を詩の中に盛り込んだこと。どちらについても、先生や受講生の方が指摘して感想を伝えてくれたのでとても嬉しかった。いつか推敲して何らかの形で発表したい。糖質ゼロ麺とヨーグルトを食べて、就寝。

9月24日(木)

仕事の関係で、久々に幸田文の文章を読んで心がふるえた。一文一文から著者のユーモアや気品、そして著者から見た大作家の父親の姿が立ち上がってくる。どれひとつとして無駄な言葉、ベタな言葉がなくて、一文一文を読み進める度に新鮮な驚きや喜びが味わえる。中学生のときに「おとうと」や「北愁」を読んで、こんな文学があるのかと感動したことを昨日のことのように思い出す。私は著者のような人間にはなれないし、著者のような文章は書けない。けれどだからこそずっとあこがれているし、これからも読み返す度に心をふるわせるのだろうと思う。

夕飯に、もやしとレタス入りのオートミール炒飯を作る。昼間もナッツやお菓子を暴食したのに、これもたくさん作ってたくさん食べてしまった。食後に、村井理子『村井さんちの生活』を読了。

9月25日(金)

在宅期間が終了してから、仕事は多いのだけれど、優先順位を考えて効率的に最短時間でいろいろな仕事を進められている気がする。在宅開始前より頭の回転や作業速度も早くなっているような気がする。日付が変わるまで酒を飲んだり、ランチにがっつりした弁当を食べることがなくなったし、悩まされていた頭痛(歯痛)もなくなって、体調のいい日が増えたからかな、と自分では分析している。
しかし、やる気が増えたわけではないので、結局早く帰りたいということばかり考えてしまう。
今日はT氏と飲みに行く日。行ったことのない店に行こうということで、私が見つけた駅の向こう側の創作系小料理屋に行ってみることに。普段と違う店に来ると会話も不思議といつもと違う展開になる。新鮮で楽しい。和食メインかと思いきや、ピザやワインなどの洋風のメニューも豊富で、いろいろなものが食べられて楽しい。楽しいので飲み過ぎて食べ過ぎた。ワインのボトルが空いた後ウイスキーロックを何杯頼んだのだろう。がっつりピザの後に何品つまみを追加したのだろう。思い出せない。

9月26日(土)

仕事がびっしり詰まっていてきつい日なのに、前日の暴飲暴食がたたり、コンディションの悪い日になってしまった。頭の回転も作業速度も最悪です。前言撤回!

最近まったく足を露出しないので、スーツの膝丈スカートとストッキングに違和感がありまくる。スーツを買い換えたくない一心で体型維持に精を出し始めたのに、結局パンツスーツを買うしかないのか。

だるさを抱えてだらだらと非効率に仕事をこなす。飛び込みの仕事にもうまく対応できず。先輩女子がテンパってひたすらグチるのを聞くなどして、お礼に白くまの棒アイスをもらった。退勤して久々に趣味の集まりへ。懐かしい人にも会えて嬉しい。

9月27日(日)

七時頃起床。『阿佐ヶ谷姉妹ののほほん二人暮らし』を読む。姉の片づけが苦手なところと妹の一人の時間を守りたいところ、どちらもわかりみが深かった。一昨日の暴飲暴食に次いで、昨日も差し入れのパイやらアイスやら食べてしまったので、お腹の重さがぜんぜん解消されない。体重も増えているので、腸内洗浄サプリ・スムースベンデールを豆乳に混ぜて飲み干した。それが効いてくるまでの時間に、筋トレをひたすらこなしていく。

新刊の編集作業を進め、お腹が落ち着いてからカフェに出かける。のんびり歩いて本郷のアンモナイトコーヒーへ。二層にわかれたかぼちゃのタルトとコスタリカコーヒー。

たまった一週間分の日記を書き進めた。休みはずっと書くことに追われている。
前に訪れた喫茶店のエイジングコーヒーが美味しかったことを思い出して、その店に立ち寄って豆を購入する。さらに遠回りをして散歩。食材を買った後に本屋に寄り、大好きな作家さん2人の楽しみにしていた新刊を手に入れて帰宅。

どちらも表紙からして最高だ。
まんきつ『アル中ワンダーランド』文庫版を早速読む。もちろん単行本も何度も読んだけれど、漫画とエッセイが分かれてさらに読みやすくなっていた。そして、描き下ろしのおまけ漫画と、よしもとばななとの特別対談が本当によかった。断酒した後に再飲酒してしまったエピソードの中の、

「自分の人生がいつもどこかで他人事なのだ」「つらい出来事があるともうどうなってといいと自暴自棄になってしまう」「これは私の人生ではないから」

という言葉がものすごく刺さった。そういう気持ちでお酒や異性に依存していたときが、私にもたしかにあった。自分の身体や自分の人生が遠くにあって、自分が誰かにないがしろにされていても、自分で自分を痛めつけていても、悲しんだり痛がったりしているのが自分じゃないような感覚。
著者が酒でない抜け道をいくつも見つけられてよかった。私も、時々自分をコントロールできなくなるときはあるけれど、基本的にはご自愛を合言葉にしてなんとかやっている。
今この文庫版を読めてよかったなと思う。心から。

#日記 #エッセイ #アル中ワンダーランド #喫茶店 #仕事 #酒

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