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小さな冬の森

小さな森へ行く。よく晴れている。雪は積もっているが歩ける程度だ。風がないので湖面が静まり返り、青い空と雲をくっきりと写し取っていた。少しウユニ塩湖と似ているかもしれない。わたしの中のheavenのイメージはウユニ塩湖なので、それが身近で見られてとても嬉しい。


水場近くの雪には野生動物の足跡がいくつも残されていた。兎と狐しかわからなかった。湖面には水鳥が数羽浮かんでいた。一匹、大きな音を立てて飛び去っていく。黒鳥に似た、黒く、巨大な鳥のように見えた。幻かもしれない、と思った。


木製の橋の手すりに、誰かが赤い木の実を置いている。目を引く。鮮やかな生命、炎の色、内側には春を待つ種が眠っているだろう。葉を落とした木々もまた眠りにつき、血のような水を吸い上げて、蜃気楼の息を吐く。



この小さな湖には、まどろむ木々の夢が時折浮かびあがるだろう。今日の空を映した湖も、橋の上でそれを眺めるわたしも、木々の見る夢のひとつなのかもしれなかった。