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丼とレンゲ

 先週数日間の出張をした際、お昼はラーメンを食べていた。

 最近のラーメンは味だけではなく器もこだわる傾向にあるようだ。


 昔のラーメン丼といえば、外側は朱色で内側の淵には雷紋が並び、食べ終わると底には龍がいた。


 この度訪れた店はいずれもシンプルな器で、配色や模様などとは無縁の器であった。


 ラーメン自体を映えさせるためにこのようなデザインの器を選んでいるのだろうなと推察する。


 そしてもう一つ共通しているのが、「形」である。


 地元で食べるとなると昔からのお店がほとんどなので、器の口は広く底が浅いが、それとは反対に口が狭く底が深い器であった。


 新しくできたお店はこういった傾向が強いように感じる。


 麺をすする際には特に気にはならないのだが、問題はスープを飲む時だ。


 豪快に丼から直接飲む方であれば器の形など特に関係ないのだろうが、レンゲを使って飲む分にはそうはいかない。


 広く浅い器であればレンゲでいただいても特に不便差は感じないものの、狭く深いと一般的なレンゲではすくいにくい。


 おいしいからもっと飲みたいと思っても後半はレンゲで飲むのが窮屈になり、周りの目を気にせず豪快に行くしかない。


 ただ私自身、外見が豪快な感じではないので気が引ける。


 店によっては、レンゲまで心を砕いてくれているところもあるが、そこまで至っていない店がほとんどと感じた(今まで言ったお店だけでの判断だが)。


 せっかく麺もスープもこだわりぬいておいしいものを作っているのだから最後まで楽しめる配慮をしていただければ、食べる側としても非常にありがたいと思う。

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