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基山瑣末のその他諸々

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短編でも駄文でもないものを雑多にまとめたよ。
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2024年8月の記事一覧

【詩】スミメガワによろしく

【詩】スミメガワによろしく

いつも通りに翻っている
脆くなったこと
たいそう阻むこと
そういうことにかかずらって
進取を謳う
それを拝みに来たというのに

軟膏をもらっていいいかな
とびきり辛いやつ
舌に染みて
全く蟠るやつ

針の穴に
注連縄を通した気がする
放埒至極に存じて挙句
地の利を失った感覚
それだけ残ってる

「コーヒーを飲んで
苦さを噛み締めて
過去に追憶を馳せ
感傷に浸った」
やめとけ
その先には何もない

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【詩】ムサシグン

【詩】ムサシグン

星が帳に貼り付いて
ちかちかしている
砂浜へ散らばるガラス片と
そうも違うまい
ムサシグンへ行こう
手の届くか否かの
大切を晒しに

ロールケーキは
クリームをケーキへ押し込んだのか
ケーキをクリームの周りへ巻いたのか
ムサシグンには分かるまい
あいつは飽きあぐねている
押し並べて倦んでいる

絵を見た
写真の方が上手いと
ナナメを衒った
視界がギュッと遠のいて
洋々とムサシグンで溢れた

ムサシ

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【詩】夏の眠り

【詩】夏の眠り

ぼうッと
真っ暗な中へ点を打つ
蚊取線香を蝕む灯

のたり   くらり   ふわり
寝つけず   うねる
煙のように
あるいは
煙を浴びた蚊の
眩暈に喘ぐように

渦巻の
灰に尽きた分だけ
いたずらに
時間をとろとろと
ふやかしている

日が昇り
火が消え
陽が射す
いよいよ微睡める頃に

這う
撫でる
からかう
羽音