1お部屋
お部屋をゆっくり見渡した。
この中にどれくらい、私の想いがあるのでしょう。
このメイク道具もシャーペンもキーホルダーもお洋服も、この部屋にあるモノたちのどれくらいが本当に私の宝物だったのか。
初めてひとり部屋を貰ったとき、ここが私の宝物でいっぱいになることを夢みていた。
けれど、私の部屋はたくさんの人の想いでいっぱいになった。
「貴方に似合うと思って」「おめでとう。プレゼントだ」
素敵なものをたくさん頂いた。その気持ちが嬉しかった。だけど、その想いが増える度に私の想いの居場所がなくなった。
私の宝物は、いったいどこにあるのかな。
部屋を見渡しても、見つけられない。
もう私の部屋には、床にまでたくさんの想いが転がり収まりきらなくなっている。
今日ふと思った。
想いだけを拾って、モノにはさよならしよう。
この部屋に私の想いがたくさん詰められるように。
結び
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