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デジタルマーケティングは機能不全に陥っている。 元Googleのマーケターが挑むマーケxテクノロジーの事業変革支援。

Googleという圧倒的に居心地の良い素晴らしい会社を退職し、2018年8月3日に、テクノロジー活用に特化したデジタルマーケティング・DX支援会社として株式会社GLASSを創業しました。

創業からまもなく4年が経ちますが、毎年着実な成長を遂げています。

今回、デジタルマーケティング領域でGLASSが何を課題と捉えて、どのようにアプローチしようとしているのかお伝え致します。


デジタルマーケティングの機能不全

私がGoogleに在籍していたときに、幸運にも国内外の多くのマーケティング現場を目の当たりにしてきました。当時の私の役割としては、

  • 大手から中堅までの国内トップ50程度の広告代理店様向き合いのコンサル(代理店様経由で中小規模の事業主様の支援)

  • 通信テクノロジー業界を中心とした大手広告主様のコンサル
    (この他にもレアですがGoogleの自社サービスのSEOもやっていました)

というように、広告主側から代理店側、中小から大企業、広告からウェブ解析やSEOまで包括的に現場を見て、かつ現場に入って手を動かす機会に恵まれました。このような現場に入って感じたのは、マーケ現場が完全に機能不全に陥っている状況でした。例えば、

  • マーケティング支援能力の低い広告代理店の現場
    例:新卒や若手のほとんどマーケ実務経験がない担当者中心で、単なる作業代行屋になっている運用現場。ミスが置きても放置される運用体制。

  • 発注者としての能力不足な広告主
    例:マーケティングのノウハウが圧倒的に不足しており、代理店に依頼した後は放置という広告主。緩い目標とPDCAで代理店にやりたいことが伝わっていないがために間違った施策を行っていたり、感覚的な判断に右往左往している現場。代理店へ適切なプレッシャーも掛けられていない。

もちろん全てではないものの、多くの現場において上記のような状況が発生しておりました。その状態は構造的なものであり容易に改善することはできません。

複雑性を増すデジタルマーケティング環境

何故このような事が起きてしまうのか?これらは、誰かが怠けているとか、単純に能力が低いという単純な話ではありません。原因は複雑に絡み合っていますが、根本の原因は「デジタルマーケティングの複雑性」にあります。

DXの最先端を走っているデジタルマーケティングがゆえに、その内容が急激に複雑化していて、もはや1人の担当者や1つの会社で全ての領域を実務レベルでカバーすることは極めて困難になっています。

マーケティングのチャネル例(これでも一部抜粋)

マーケティングテクノロジーのカオスマップがありますが、まさにカオス過ぎて誰が使うのかという状況です。「ほら、カオスでしょ?」というためのマップと化しています(笑)。

マーケティングテクノロジーカオスマップJAPAN 2021

ここで複雑性を増している対象について軸で分けてみると以下のようになります。

複雑性を増す要因

  1. チャネルの多様化

  2. メディアの多様化

  3. ユーザータッチポイントの多階層化

  4. ユーザープライバシー保護のための情報の部分的な欠落

  5. マーケティング関連サービスの乱立

  6. マーケティングプラットフォームの分断(ウォールドガーデン)

  7. AIによるブラックボックス化

一つ一つの項目自体がマーケターの業務に極めて大きなインパクトを持つものなのですが、それが波状的に重なることで、下記のような話が現実に起こりえます。

マーケティングチャネルや個別メディアが増え、どんどん多くなる情報量。計測されるユーザー行動が増えるのはある意味嬉しいが、これをどう活かすべきか?さらに、単純なリマーケティングではない、ユーザータッチポイントに応じたMAツールでのメールのシナリオ配信やコンテンツの出し分けをしなければならない。それぞれのツールに掛かる費用も高いし、今のツールで良いのかという見直しも必須。

月次レポートを作っていたら、何かデータがおかしい。GoogleとFacebookで取れているCVと全体のCVの乖離があまりにも大きいが何故?他にもおかしな点がたくさんある。あれ、このCVそもそも計測できていない?計測タグが外れてる?

ひとまず広告の最適化をしよう。ただ、AIの自動化ではパフォーマンス改善がこれ以上はうまくいきそうにない。原因を探りたいが、AIの最適化は中身がブラックボックスで追加の打ち手をどうすべきか。。。

こんな絶望的な状況が容易に起こり得るのです。結果として、

  • ソリューションが多すぎて情報のキャッチアップが不可

  • あらゆる業者からの提案が波のように来るが、全体を俯瞰して優先度を決定できるスキルを持った担当の不在

  • 各種ツールが乱立することで、その連携を取るための追加の作業が発生するという非効率

  • 採用及び育成コスト・期間の増加

  • 社員定着率の悪化(経験の浅いマーケターでも一定の成果が出る仕組み化という名の「単純作業化」によるモチベーションの喪失)

というような悲劇が生まれてしまうのです。

このようなデジタルマーケティングの環境変化という大波が波状的に現場に押し寄せることで、もはやごく一部のマーケターを除いてこの大波をうまく乗りこなすことは不可能ですし、乗りこなせたとしてもその労働環境が良いものにはなかなかなりにくいでしょう。

複雑性に対するGLASSの解

この絶望的と言える複雑性に対するGLASSの解は「マーケティングの個別施策ではなくマーケティングの全体戦略、場合によっては経営にまで入ることで事業変革にまでコミットする。その上で徹底的にテクノロジーを活用して効率化・最適化する。」ということです。

これは誰もが実現できるわけではないですが、実現できると驚くべき成果を出せます。ステップとしては以下になります。

  1. 【現状把握】事業・マーケ全体を可視化するデータ基盤の迅速な構築

  2. 【全体設計】全体施策の優先度付け

  3. 【施策実行】テクノロジーの徹底活用での施策の推進

この3ステップをできる限り分業化せずマーケター自身で一貫して行います。全体を包括的に理解しているマーケターが担当することに価値があります。

【現状把握】事業・マーケ全体を可視化するデータ基盤の迅速な構築

事業全体のデータ基盤の例

まずは複雑なデジタルマーケティング環境をシンプルにするために事業やマーケ全体を可視化するデータ基盤を構築します。以下のようなインプット・アウトプット・プロセスでデータを整理します。

  1. 【インプット】広告投資額などの施策への投入変数データ

  2. 【アウトプット】売上などの最終的に欲しい成果データ

  3. 【プロセス】インプットデータがアウトプットデータに変わるまでの中間指標データ。ボトルネック特定に使うもの。

この基盤は、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)やCRMのシステムを使うことを必ずしも意味せず、あくまで現場の工数や費用の負担が少ない、費用対効果の一番高い方法で迅速に事業・マーケ活動全体を可視化することを想定しています。

例えば、ECサイト以外の事業であれば売上は基幹システムやExcelで管理されているかもしれません。現場の管理方法になるべくあわせて、余計な工数を掛けずに、まずは迅速に事業やマーケ全体を可視化するデータ基盤の構築を行います。

さらに、このようなデータ基盤を専門のエンジニアやデータアナリストが構築するのではなく、マーケの現場で活用し、かつ全体を俯瞰できている「マーケター」が構築するという点も重要です。

【全体設計】全体施策の優先度付け

前述のデータ基盤による事業・マーケティングの全体把握ができるようになった前提で、どこに課題があるのか?優先順位をマーケティング施策を遂行するマーケター自身が設定していきます。

【施策実行】テクノロジーの徹底活用での施策の推進

最後の施策実行フェーズになれば、あとは専門性を持って各種のマーケティング施策を推進するだけです。これまでのステップをマーケター主導で全て行うにあたって、どうしても求められるスキルが高いし、そこまでやる時間があるのか?と思われるかもしれません。

求められるスキルが高いというのはまさにその通りなのですが、世界中で開発されているマーケティング関連のテクノロジーを徹底的に活用することで業務を効率化し、高速かつ高品質な施策の推進を実現させることは可能です。

例えば、リサーチ業務では海外のリサーチ領域で最先端の有料サービスを徹底的に使い倒す。業務のありとあらゆる内容をゼロベースで自ら作り込むような車輪の再発明はせず、マーケターとしての高い情報検索力で持って既存の最先端テクノロジーをうまく使うことで業務の自動化・効率化を推進し、高い生産性を意図して実現します。

言うは易し行うは難し

このような事を実際に実行することは非常に難しいです。マーケターに求められるレベルが非常に高いこともわかっています。ただし、複雑性を増した現在のデジタルマーケティング環境において、高い基準をクリアしたマーケターでなければ、高い成果は出せないというのも厳然たる事実です。その基準に達しないのであれば、単純化されたマーケティングの1ピースの中でスペシャリストを目指していくしかありません。それで満足できますか?

近視眼的で個別最適化された施策が出す価値よりも、全体を俯瞰して統合した現状認識と課題設定、そこからの課題解決策の遂行の価値がいよいよ高まっています。

個別最適化されたマーケ施策<<<全体最適から導かれた個別マーケ施策

この当たり気になる方はこちらの記事もご覧ください。

GLASSについて

最後に当社のGLASSについてお話させて下さい。

マーケティングとテクノロジーであらゆる事業変革を推進する

これがGLASSのミッションです。これまで語ってきたように、単なるマーケティングではなく、「テクノロジー」を徹底的に活用する。結果として、マーケティング支援にとどまらない、クライアントの事業の変革までを推進することを意識しています。当然、GLASSメンバー一人一人に求められるスキル・経験は圧倒的に広く深く、現状維持ではなく常に新しいことにチャレンジすることが求められます。

代理店ではなくコンサルティングファーム

GLASSは自社をいわゆる広告代理店ではなく、テクノロジー活用に特化したデジタルマーケティング・DXの「コンサルティングファーム」と定義しています。代理店ではなくコンサルティングファームとしているのは明確な意図があります。

複雑性を増し過ぎた広告・マーケティング領域において、多くの場合において事業主側で適切に自社の置かれた状況を把握し、本質的な課題設定をし、課題解決にフィットしたマーケティング業務を外部の代理店に依頼するということは極めて困難になってきております。

以前であれば、予算は潤沢にあるのでTV CMをやる、限られた予算なので検索広告でCPAを◯円以下に抑えてリスティング広告をやるで、おおよそ間違ったことにはなりませんでした。

しかし、ソリューションの選択肢が膨大に増えた現在、手法ありきの安易な施策の失敗リスクはどんどん高まっています。もしかしたら、最終的な施策は動画の方がよいかもしれないですし、LTV改善でユーザー獲得後の継続率改善を優先すべきかもしれないですし、その複合かもしれません。

実際に、弊社にご相談いただくクライアント様の80%以上は、「何かマーケ施策を打つべきだと思うのだが、何をどうすべきか良いかが分からない。現状の定量的な数値もうまく取得できていない。」、「広告はやっているのだが、今後の成長を考えると現状のままで良いのかわからない。」というようなケースになっています。

結果として、現在求められているのは、マーケティング(場合によっては経営)上のデータに基づく現状把握を支援し、課題を事業主に代わり抽出すること。その上で、課題の解決策を提示・実行することだとGLASSでは考えています。これはいわゆる「代理店」ではなく、「コンサルティング」なのです。

一度お話してみませんか?

GLASSの考え方に共鳴してくれるマーケターは是非一度弊社のメンバーとカジュアルにお話してみませんか?今はマーケターではないが、もっとマーケテイングに関わる仕事をしていきたい「アナリスト、エンジニア、デザイナー、ディレクター、動画編集者」などの精鋭もお待ちしております!


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