見出し画像

真女神転生Ⅴ 1周目終わって感想書いてる間に2周目終わりそう日記


2020年7月のティザームービー…もっと言うと2017年にニンテンドーswitchの詳細発表会で流れた新作発表トレーラーから、ずっと待ってた真・女神転生の最新作。てか4年も待ってたってマジかよ…。その間にペルソナ5なんて完全版のRとSが発売されてるじゃん。

自分のメガテン歴は正直浅くて作品をやったりやらなかったりでなんとなくメガテンやってるニワカ勢なので、こんな記事書くのも気が引けてしまうのですが、それでも「長いこと待って良かった…!」と言えるゲーム体験でした。

荒れ果てた東京散策が楽しい

まずなにが最高かって、荒れ果てた東京を自由に散策できる点が一番大きい。ふだん死ぬほど人間がいる都心の街は人っ子一人おらず、ビルは無残に崩れ、あたりは半分砂漠に埋もれてる東京。ポストアポカリプス好きの自分にとってこんな嬉しい遊び場はありません。
ⅢやⅣなどでも3Dの荒廃した東京が舞台となってあれこれするわけですが、縦横無尽にフィールドを動き回るというのはスペック上難しかった。
だが今回はついに色んな建物を登ったり、傾いた建物からスキーでもするように滑ったり、自動車の上で跳びはねたりすることが可能となりました。

画像1

下は普通に歩けるようになってるのに楽しすぎて意味もなく橋のアーチ部分を歩いてる。

この東京では満員電車にイライラしたり、ありえん量の人ごみに疲弊することはありません。ヒトのいない東京はこんなにも自由なのか!

画像2

見るも無残な銀座の街。絵になる。


単に東京を観光するだけではなく、「ミマン」と呼ばれる小人を探して報酬を得たり、自販機で換金アイテムを集めたり、悪魔から依頼されたクエストをするのがまた楽しい。

ミマンは5人集めるごとに何かしらアイテムをもらえるわけだが、それ以外にも御厳(みいつ)と呼ばれる主人公のパッシブスキルを取得するために必要なポイントも得られるのでお得。隠れている場所も「こんなの見つけられんわ!」みたいなことはなく、絶妙に「探索しながら周りを見渡してると意外といる」「後半になるといそうな場所に検討がつく」ようになっている。どうしても見つからない場合は、チロンヌプという悪魔にお金を払って居場所をマッピングしてもらうことも可能。
このミマンは一言セリフを言ってその場を去るわけだが、東京の豆知識だったり世界観におけるちょっぴり重要なことを言ったりするので、それが知りたくて探すのも楽しい。

画像3


自販機漁りもめちゃくちゃ楽しい。いわゆる換金アイテムを出してくれる貴重な資金源として各所に配置されている。
この自販機の良いところは、荒廃して人っ子一人いない東京で唯一人間らしい声を聞けるオブジェクトとして機能しているところだ。
自販機から流れる「アリガトウゴザイマシタ」という普段の生活なら無機質に感じる電子音声が、この荒れ果てた東京の中での癒しとなっている。

画像4


換金アイテム自体もフレーバーテキストもネタ満載で、取っ手付きゲーム機(ゲームキューブ)、セガサターン、メガテンTCG、デビチル漫画、スク水、メイド服etc…色んなものが出てくる。
少しネタバレをすると今作で歩き回ることになる『ダアト』と呼ばれる東京は、18年前に魔界となった東京。時間が止まったようなアイテム群にノスタルジックを感じる。
巷ではメイド服のテキストが明らかに着た後の感想だよな!?と話題になってる。

画像5


悪魔の中にはなにかしらを依頼してくる悪魔もいて「アイテムを取ってきて欲しい」といったおつかい系もあれば「あいつを倒してきてくれ」と殺しの依頼を受けることも。
「あいつを倒してきてくれ」系クエストの面白いところは一方の依頼を果たそうと目標の悪魔に話かけたら「あいつの方こそ間違ってるからあいつを倒せ」と逆に依頼してくるものも多いところだ。どちらか一方が完全に悪と断ずることの難しい「思想の対立」を主に描いており、プレイヤーを悩ませる。この相反する考え方の対立の中、プレイヤーがどちらかを選択しなければならないというのがメガテンの根幹にある。ぜひとも会話可能な悪魔には積極的に話しかけてもらいたい。

画像6

詳細内容は伏せるが、序盤にこんな選択を強いるあたりやはりメガテンだぁ、と思う一幕。彼女はまったく間違ったことを言ってないので手をかけるのは心苦しい。


これだけ広くて複雑だと迷うのでは?とおもうだろう。実際なんども道に迷ったり、同じとこをグルグル回るなどをした。けれど今回は「回帰のピラー」と呼ばれる超々ド級の便利アイテムが序盤にもらえる。
このアイテムはLボタン一つで直前に使ったセーブポイントまで瞬時に何回でもワープできる空前絶後のアイテムだ。「どうしたんだアトラス!? そんな優しさがお前にあったのか!?」回帰のピラー、消費アイテムかと思ってたわ…」と既存のファンから言われるほど、アトラスには珍しい便利アイテムだ。これのおかげで「迷ったらとりあえず仕切り直し」が容易になり、探索が自由になった。


広大な東京を歩くのは大変だが、それに見合った面白さや便利さが完備されており、まったく飽きない。楽しい。

バトルが難しいけど快適

古来よりメガテン(というかアトラスのRPG)は総じてバトル部分が難しいと言われていた。敵が強めの設定だったり、状態異常ワザの強さが異常だったり、戦闘システム自体が大味だったり、要因はさまざま。
Ⅴも難しい部類に入ると思われる。システムを理解しなければ、だが。

プレスターンシステムはパーティ1体につき一つ行動アイコンが用意され(最大4つ)、そのアイコンをやりくりする必要がある。
やりくりの仕方の一つは敵の弱点を突くこと。相手の弱点を突けばアイコンが光り、行動回数が1回増えることを示す。単純にパーティ4人で相手の弱点を突けば合計8回攻撃することができる。これは強い。とにかく相手の弱点を突けば敵は即全滅だ! …とはならないのが難しいところ。このプレスターンシステムは相手も使う。なので、こちらの弱点を突かれたらこちらの方がピンチになってしまう。如何にこちらのアイコンを増やして、相手のアイコンを減らすか。これが基本的に考えることとなる。
ここにMPのやりくりも絡んでくる。ただ弱点の突き合いだけではすぐにこちらのMPが枯渇することとなる。

ではどうするのか。そこでバフデバフなどのサポートワザだ。このゲームはバフデバフや状態異常の重要度が高めだ。8回弱点を突くよりバフデバフをかけて4回攻撃する方がダメージ効率が良い場面も多い。そのため攻撃役とサポート役を役割分担させた方がいいし、行動順もあらかじめ考えた方がいい。ここにさらに今作ではマガツヒスキルというゲージ必殺ワザも合わせて戦略を考えることができる。

画像7

アレコレ話続けると非常に長くなるので、これ以上は割愛するが、このプレスターンの仕様を色々試して把握することが勝利への道となる。ぶっちゃけ言葉より実際に体験した方が理解が早い。メガテンⅢ以降、多くのアトラスRPGで改良・発展されてきたこのシステムは、システムを直感的に理解することで場を支配できる全能感に中毒性があるからだ。

それでもバトルを難しく感じると思う。そんなときは便利な道具をジャンジャン活用してほしい。
くらましの玉」はバトルから確実に逃げることができるアイテムで店売りしてる。「万里の眼鏡」は敵単体の弱点を調べることができる。これも店売りしてる(100円)。各種属性の魔法攻撃ができる「小秘石」も店売りしてる。使用したターンの間各属性の攻撃を無効にできる「障石」も店売りしてる。この4種の神器と言ってもいいアイテムはどれも序盤から買える素晴らしいアイテムなのでバンバン使って欲しい。特に万里の眼鏡は知らない悪魔に遭遇したらとりあえず初手に使って弱点を割るのが良い。「昔のメガテンはこんな便利なアイテムなんか無くってねぇ…」とつい老害部分が出てしまうくらい便利。アトラスのRPGは難しい、と言われるが、今作は難しさに負けないくらいサポートが充実しているので安心してほしい。

それでももし難しいと感じたなら、DLCの「御霊神楽 富豪の舞」(350円)を買うことをお勧めする。高価な換金アイテムを落とす敵の出現率を上げるこのDLC。アイテムを買ったり、悪魔交渉するときにも、悪魔合体をするときにも、なにかと必要なお金があると結果的に戦闘を有利できるようになる。他にもDLCはアイテムはあるが、どれか一つ選ぶとしたらお金だろう。結局世の中お金!

画像8


メガテンでしか摂取できない栄養素

今回久しぶりに(と言っても去年Ⅲのリマスターやったけど)メガテンをやって改めて思ったのは「メガテンでしか吸えない空気感があって、メガテンでしか摂取できない栄養素があって、自分はそれら定期的に摂取しなくてはいけない身体」だということ。なにがメガテンたらしめているのかは自分でも言葉にできないのが申し訳ないのだが。
今作では過去作のスタッフがほとんどいない新体制に近いメガテンらしいのですが、それでも、初めて無限に続くような東京砂漠に放り投げられ歩いている時「これはメガテンだ、真女神転生の新作だ」と確信し喜んでプレイしてました。

ひとまず60時間プレイして1周しただけなのでストーリー面は完全に把握できてないけど、わりと薄味というべきか、探索に集中してもらうためにあえて薄めにしてるのかなと。人間のいない東京散策がメインなので、どうしても人との交流が無く、それに合わせてキャラの掘り下げも少ないのでペルソナのようなキャラクターとの交流を求めるゲームを期待されると肩透かしにあうかもしれないのでそこは注意点だ。

画像9

認知度的にも売り上げ的にもペルソナの方が人気なのは確か(自分もペルソナ好き)でよく比べられるようになった。実際発売前に海外のゲームメディアで「ペルソナに比べ~」みたいなレビュー記事(ネタバレ付き)が炎上した。
だが思い返せば昔っからポケモンやドラクエやFFなどのRPGと比べられ、メガテン好きはマイナーで暗いヤツみたいなレッテルを貼られてた。なので今さらではある。比べられるのが自社IPか他社IPかの違いだ。
重要なのはメガテンでしか摂取できない唯一無二の栄養があり、俺の人生にはメガテンが必要ということ。そしてこの新・女神転生Ⅴで存分に味わることができたということ。
だからメガテンにはこれからも唯一無二の世界観で、東京と世界を滅ぼし続けて欲しい。

画像10


けど、シリーズが続くためには売り上げも重要なので、多くの人に買って欲しい! できればエキスパンションパス的なのでストーリーの補完をして欲しい…!頼む…!


この記事が参加している募集

いただいたサポートはお菓子に変化します