「こんなところにあるなんて!」と言われるキャンプ場も、開設から2年が過ぎて3年目。さて・・・
農業とまちの接点をつくろう、みかん農家を応援できる場所にしよう、ちゃんと自然について考えられる場所にしよう。そんな思いをいろいろ詰め込んでほぼセルフビルドしたキャンプ場も、バタバタと月日が流れ、気がつけば2周年をさらっと過ぎ、3年目も後半。
3年目は、考えさせられることが多い日々となっています。今回はそのあたりについて。
2周年直前は、結構いい感じで動いていたのに・・・
大阪市内から車で90分ほどとはいえ、結構な山の中。
和歌浦の眺望が気持ちよくて空が近いとはいえ、周りには何もない。
「貸切です」とはいえ、本当に誰もいなくなる。
・・・そんなキャンプ場を開設して2年。
※開設すると決めた思いは下記の記事にあるので、読んでみてください。
2月後半あたりから、今シーズンの予約が入り始めました。
不思議だったのは、静岡県や山梨県から、わざわざお越しいただく方がいたということ。
目的は、ドデカイ薪風呂でしたw。
4月〜6月は、週末満場となり、おっ、今シーズンはなんかいい感じなんじゃないの? と思ったのも束の間。7月に入り、予約のペースが激減しました。
キャンプブーム終焉、なんてウェブ記事が増えて来たし、うちもやっぱりそうなのかな、なんて思ったり・・・。気になったので、知り合いのキャンプ場運営者に聞いてみたりしました。
各所、考えを巡らせていました。
話を聞いたのは数か所ですが、どこも異口同音「満場ではない週末が増えた」とのこと。
そういえばSNSで「週末に空きが出ました!」というキャンプ場のポストも増えました。
私のキャンプ場が予約フォームを使わせてもらっている予約サイトでも、週末に泊まれるキャンプ場など、今年に入りメールを展開するようになりました。
要するに、キャンプ場運営が大変になった、ということなのでしょう。
うち(Mandarin Field)は1日ひと組しか受け入れられませんから、それはまぁ、寂しく感じますw。
2周年を記念して、これまでご利用いただいたお客さん限定の割引キャンペーンをやってみたものの、反応なし。
今年に入り会員制システムを導入する施設も出てきましたし、キャンプ場運営に相当思考を巡らせる必要が出てきたということです。設備や料金だけで人に振り向いてもらうのが難しくなってきたのかも、などとも思います。
じゃあMandarin Fieldはどうすんのさ? となるわけですが、動き出せない事情があって・・・。
それは、みかん園が昨年ミカンナガタマムシによる甚大な被害を受け、3割以上の木を切らねばならなくなり、収入のために農園主がもうひとつ農園を借り、2つのみかん園を管理しなければならなくなったこと。
どちらも省農薬栽培といって、農薬にできるだけ頼らないみかん栽培をしているため、雑草との戦いがエンドレスになってきています。
加えて今年の夏、例年よりも降雨量が少なかったために、水源がほぼ枯渇してしまいました。
これでは、両手を拡げて「お越しくださいね」とは言えない・・・。
異なるチャンネルとの出会い
困ったなぁ、どうしようかなぁ、毎日そんなことを考えていました。
これを書いている今も、思っています。
そんな折、ちょっとした出会いがありました。
私は大阪で企業人が社会課題解決につながる学びを得られる場を、複数の方々と立ち上げ、運営していました。一昨年に運営側からはずれていたのですが、そこでMandarin Fieldの成り立ちや運営、思いについて話をする機会をもらい、これまでを整理してお話ししました。
その時の参加者の一人が後日連絡をくれ、Mandarin Fieldの視察へ。
話を聞くと、週末を利用して、草刈りなどの援農ボランティアをしているとのこと。農園の現状をお話しすると「援農+キャンプを楽しみたい人は結構いると思う」との意見が。
農家のお手伝いをし、泊まって農業従事者と話し、また翌日お手伝いをして帰る。宿泊料金はタダでなくてもよい、とのことでした。
そんなうまい話が・・・とは思いましたが、
農業とまちをつなぐ活動としては、ぴったりですね。
というわけで、最近はそのスキームを考えています。
もちろん農園で草刈りなどをお手伝いいただくわけですから、利用料金を満額でいただくことはなし。
ひとつの農園を舞台に、お客さんと農園主が同じ汗を流し、同じ話題で盛り上がる時間なんて、素敵な気がします。
価値の創り方、なのかもしれませんね。
あれやこれやと悩みは多いのですが、Mandarin Fieldには、ここだけの価値を創らなきゃいけない、ということは大前提です。
先述の援農ボランティアキャンプもそうですが、他にもできることはあるよなぁ、とも思っています。
チャレンジしようかと考えているのは、簡易民泊です。
Mandarin Fieldの設備のひとつに、古いトレーラーハウスがあります。1963年製で、ボディが相当古くなってきたので、ここで余生を過ごしてもらおうと思って設置しました。
山の上は天気が急変することがあるし、真夏の日射しは子供たちにヘビーだし、冷暖房付きでくつろげる場所があった方がいいし、というのも設置の理由です。
ただ、旅館業を申請していないため、ここで泊まっていただくことは現状はできません。
しかしながら、泊まれたら良いのに、という声は多いのです。
ほかにも、タイニーハウスライフを考えている方から、今後のタイニーハウスライフに向けての体験泊にできたらいいのに、という意見もいただきました。
確かに! 私もいずれはタイニーハウスライフを考えているので、それはありだな、と。
要するに、限られたフィールドではあるけれど、ほかにはない価値は、まだまだ創れるぞ、と確信できたわけで。
11月〜年明けまでは、みかんの収穫期に入るのでキャンプ場はお休みです。
その間に策を巡らせ、新たな1年を向かえなければな、と少し希望を持てている最近です。
ファンが増えたらいいなぁ、ともうっすら望んでいたりw。
記事を読んで、行ってみよう!と思ってくれる人が出てくれるのも嬉しかったり。