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みかん園に1区画だけのキャンプ場開設#1  キャンプ場(らしきもの)を創る理由。

こんにちは。

最初の記事をアップしてからすぐにこの記事を、と思っていましたが、
師走には勝てません。

さっそくですが、なぜ今回みかん山の中にひと区画だけのキャンプ場(らしきもの)を創ることにしたのか、なぜここになったのか。書かせていただきます。

スタイルというか世界というか、が減って来ているような。

もう30年近く前ですが、大学生時代には、本当によくキャンプに出かけていました。
ホームセンターで購入した安いドームテント、クッカーセット、ナイフとジッポーと、てな装備で。
時にはテントではなくブルーシートを持って、山の中で樹木を活用してとんがり屋根のテントにしてみたり。

大切にしていたのは、訪れた場所の香りや近く野野菜直売所などで買う食材、そういった〝そこのもの〟を感じる、ということ。

それから四半世紀近く経ち、気がつけば10年ほど前から、グランピングの企画に加わったり。トレーラーハウスのプロデュースをしたり。末端なので、たいした意見はしていませんが。

ところが、ウッドデッキ+ドームテント+ちょっとゴージャスなBBQ=グランピング、という、とんでもない勘違いが定着してしまいました。
これは本当にマズイですね。運営上の利益が上がりやすい形態、オペレーションが複雑でないことを考えた結果がこのスタイルであって、
施設にどっぷり浸ることがメインになったことで、近隣の自然とはむしろ境界ができてしまった。あるのは、景色を眺めることくらい。

もちろん、アウトドアライフは人の数だけ、運営の数だけいろいろなスタイルがあっていいのです。が、スタイルというか世界というか、そんなものが減って来ているような、この数年。

とはいえ、それは違うよ、とは声高には叫べませんでした。僕は自分で「これですよ」と見せられるものを持っていないから。

そんなこんなの思いを抱えて数年。ちょうどコロナ禍で、自身の会社の仕事のほとんどがストップしました。で、今ならできるんじゃないの?とつい思ってしまったわけです。思い立ったが吉日、自分のプランを、理解してくれそうな人に話してまわり、「下津きょうだいみかん山」をご紹介いただいたわけです。

思いが通じた。伝えたい気持ちがくっついた。

下津きょうだいみかん山」は、温州みかんを低農薬で栽培しているみかん園です。
園の成り立ちや思いは上記のリンクをみていただく方が、僕が語るよりもいと思うので、ここでは割愛するとして。
ホームページのトップに書かれている「君に見せたいみかんがある」というフレーズが、今回のキャンプスペース実現の出発点。
僕は「みかん山のみかんを見てもらう、知ってもらう」ための場所を、僕が思い描く「自然と向き合うキャンプ」で創る。
現在の農園主である大柿さんの思いと、僕の思いがくっついた。そんなことです。シンプルですが、これが根本。

春に誕生するキャンプスペースは、農園主が毎日みかんを育てている農園の中です。目の前、横、うしろは、みかんの木々。利用してくれる人のガイドは農園主ですが、あれこれ世話をするのではなく、みかん園やみかん農家、農業のことが気になったら、利用者の方から声をかけていただくシステムにしようと思っています。
もちろん、存分にのんびりしたい、だけでもOK。
ひと組貸切ですから。

標高500メートルなので、天候が急変しても大丈夫なように、オールドのトレーラーハウスをキャプスペースに設置します。エアコン付きで。
せっかくの眺望なので、風呂も創ります。オープンエアです。屋根はつけるつもりです。
バイオですが、水洗トイレも。

創ろうとしているスペースは、必要最低限の快適さ、そこにちょっとだけの不便を残すことで、工夫とか、楽しみ方を利用する人それぞれで考えてもらえる場所になります。

まだワクワクだらけの中にいて、これから3ヶ月は間違いなく大変になるのですが、それも楽しみ、その中で学び、修正し、形にしていきます。