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Visual Facilitation for Service Design 商品を作る場でのビジュアルファシリテーション

グラグリッドでは、ビジュアルを用いた様々な活動を行っていますが、実際のところどんな分野でサービスデザインに取り組んでいるのか?とお尋ねいただくことがあります。また、私たちの特徴でもあるビジュアルファシリテーションはそこでどんな効果を出しているのか?今回は商品やサービスをつくることを中心に、実際の事例をご紹介します。

新しいライフスタイルの創造

こちらはパートナーさまからお声掛けいただいたケースです。このプロジェクトは「既存のサービスや製品だけでは今後伸び止まってしまう……。」という課題意識に端を発します。改めて、課題発見から顧客理解、更には新サービスを醸成できる一連の流れを、自分たちが事業開発していく文化として定着できるように包括的に大きなチームの一員として支援をしていました。(プロジェクト自体は段階的に継続中です。)

社内の様々な部署から30名ほどの参加者で進むプロジェクト、当初は初対面の方同士も多く、まだお互いをつなぐ強い何かが見出だせないところからスタートしました。私たちはまず、それぞれの想いを混沌を混沌のまま受け止め、現在これだけ様々な思いが存在していることをビジュアルで示しました。普段接点が無い人同士の想いを全員で俯瞰し、「この先で価値がある事業を生み出したい、変えて行きたい」というボルテージを引き上げ、まだ無い道を作り上げるチーム作りにもビジュアルが活躍します。

初めてサービスデザインに取り組む中では「明確なゴールが見えない」状況での戸惑いや焦り、フラストレーションも生まれます。「今やっていることは何のためになるの?」「これに意味があるの?」といった場面でも、現在の状況やこの先を伝えたり、手応えを感じるまで何度でも考えを行きつ戻りつできるよう、ビジュアルファシリテーションを実施しています。例えば考えの足掛かりになるテンプレートをその場で描く(創る)ことも、その使い方・考え方を示すために描くこともビジュアルファシリテーションのひとつです。

このようにプロジェクトの設計から、ワークショップの現場においてファシリテーション/ビジュアルファシリテーションを実施し、共に一つのチームとしてサポートを実施しています。加えて、参加者の皆さんがプロジェクトに集中しつつも、一連の流れを振り返ることができるよう、都度ワークショップの模様をグラフィックレコーディングによって記録。これまでのプロセスを今後自分たちの血肉としていくため、私たちは共に足場を硬めています。

業種:消費財メーカー
期間:4ヶ月
実施内容:サービスデザインパートナー/ファシリテーション/ビジュアルファシリテーション/グラフィックレコーディング

地域の魅力を掘り出し商品化へ

株式会社 JTBさまとグラグリッドで開発した「地域デザイニング」を活用した地域資源発見のプロジェクトでは、郡山市の皆さんと私たちとで一丸となり、自分たちの記憶や思い出にあるシーンから、今まで長く住んでいてもなかなか見ることがなかった資源が発見しました。

こちらでは全体的なプロジェクト設計を行い、JTBさま、郡山市観光課の皆さま、地域の企業や学生のみなさまと何度もワークショップを重ねました。
新たな魅力となりそうなシーンを実際に自分たちの足で訪ねて、自分たちの五感で「どう楽しむ?」「どんな面白さがある?」「ここで何ができそう?」と考えながらフィールドリサーチも実施。さらに振り返りを行いながら、楽しみ方のストーリーを一緒に描きながら、新たな地域のコンセプトを創造しました。
今、郡山市では皆さんの手によりプロジェクトの2段階目が進められています。自走に向けたバトンを手渡すことができた、感慨深いプロジェクトでもあります。
参考:地域の魅力を掘り出し商品化するサービスデザイン「地域デザイニング」郡山で芽吹く

業種:旅行会社
期間:9ヶ月
実施内容:サービスデザインプロジェクト及びワークショップ設計/ファシリテーション/ビジュアルファシリテーション/グラフィックレコーディング

はたらくことをどう思ってるんだ?!

こちらは、ある人材派遣会社さまとのプロジェクト。かねてから派遣先企業との関係性を維持・向上に注力をしていた反面、人材となるスタッフさん側を見据えきれていなかった状況から、改めて「働く人」を捉え直し、自分たちのサービスの根幹を考え直すプロジェクトでした。

「働くこと」にフォーカスを当てたインタビューから、働くスタイルや働きくことへの捉え方を見出し、自分たちが向き合うスタッフの方々の姿を浮き彫りに。そして浮き彫りにした姿に対して、将来に向けてどう働くのか?どう支援していけるのか?という今後の事業のベースとなる部分を共に考えました。

インタビュー分析中、いわゆる働きがいや、働き方を考え続け……何度もディスカッションをして沸騰しそうな混沌とした状況で出てきた「はたらくことをどう思ってるんだ?!」という言葉が印象的でした。自分たちの事業を深く深く追った末に出てきたこの発言は、このプロジェクトを通じてひとつの大きなテーマにもなりました。

こういったまだ答えが無いものに対しても粘り強く向き合い、考え続けられるよう伴走するファシリテーションをしながら、現在地を見失わないようにプロジェクトを可視化しています。

業種:人材派遣会社
期間:5ヶ月
実施内容:サービスデザインプロジェクト及びワークショップ設計/ファシリテーション/ビジュアルファシリテーション/グラフィックレコーディング

サービスデザインのプロジェクト全体を俯瞰しながら設計し、ファシリテーションをすることは、目指すゴールに向かっての推進力を高めます。その中で常に「状況を捉える」「全体像を掴む」「混沌を受け止める」「アイデアを発散する」「アイデアをより磨き上げる」「ストーリーを作る」といった様々なビジュアルファシリテーションをすることで、その推進をよりパワフルに、プレイフルに強化することができます。

「新しいことをやっていきたいけど、どうやって始めよう。」「これまでのままやり続けるのではなく、これからに価値があることを今一度考えたい。」そんな時は、ぜひお声掛け下さい!

(名古屋)

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