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「楽しむ」を超越し、「解放」しあった子供たち~新宿区立落合第六小学校×グラグリッド 参加型体験授業 ~

体育館5面分を紙でいっぱいに埋め尽くした、9/28(金)の新宿区立落合第六小学校の参加型体験授業「おえかきシンキング」第一回。(授業の様子は以下の動画と、前回記事「未来へ向けて「1人1本の自由」が生み出すパワー!~新宿区立落合第六小学校×グラグリッド 参加型体験授業~」にてご覧いただけます! )


この第一回目の授業について、私達は、落合第六小学校に関わる地域の方々へ向けて、取組みの報告を準備すべく、ワークショップの振り返りを行っていました。

その中で、私達はとても大事なことに気がつきました。
「もはや、子供たちは、第一回のテーマ『楽しむ』を超越していた!」

一体、子供たちに何が起きていたのでしょうか?
『楽しむ』を超越していた、とはどういうことなのでしょうか?


この記事では、おえかきシンキングのプログラムのねらいと照らし合わせながら、授業で起きていたことについて紐解いてゆきます。

おえかきシンキング 第一回目「楽しむ」とは?

おえかきシンキングの授業は、未来を進む力として「考える力」「まとめる力」「促す力」を育んでいくために、以下4回の授業に分かれています。

1:楽しむ
描き、伝えることを楽しむ
2:空想する
未知のものを形にし、意味を見つける
3:きく
深く人の話を聴き、受けとめ合う
4:まとめる
話し合いをリデザイン!ビジョンを語り、描く

「楽しむ」ということは、教育の場においては、一見すると場違いに聞こえるかもしれません。しかし、私達は、この「楽しむ」こそ、とても大事なものだと捉え、授業として計画をしました。

閉塞感を打破し、未知のことに探索しながら立ち向かっていく時にこそ、真剣に取り組むことと同時に、「楽しむ」ことが必要不可欠だからです。
新しい事業を創造していくプロセスの中では、既にあるものから放たれ、自由な発想をし、仲間と形作っていくことが求められます。この自由さを作り出すエンジンが「楽しむ」こと。
未来を進む力を育むのに、鍵になるのが、エンジンを手に入れること=「楽しむ」ことといっても、過言ではありません。

私達はビジュアルシンキング、ビジュアルファシリテーションといった「絵で伝えあうこと」を通じて、様々な事業創造の現場で、「楽しむ」を発明し続けてきました。
そしてそのパワーが、未知のものに立ち向かうチームにとって、大きな力になるということを肌で感じてきました。

「楽しむ」を超越していた

しかし、私たちが授業で目の当たりにしたのは、「楽しむ」を超越した状況でした。

「楽しむ」を超越し、それは、枯渇していた子供たちの根本的な欲求(本能)に、火が付いた状況でした。

では、枯渇していた子供たちの本能に火をつけたのは、一体何なのでしょう?私たちは、授業で起きていたことをもう一度紐解き、その要因が「大きさ」「パワー」「自由」「未知」であると捉えました。

「楽しむ」ことに必要なのは、「解放」だった!

子供たちの本能に灯され、体育館中に凄まじく燃え上がった火。
なぜ「楽しむ」を超越するまでになったのか?

それは、子どもたちの「解放」に他なりませんでした。

私たちが試みた解放には、様々な種類があります。

・視野の解放
周囲とつながる大きな紙があることで、個人のテリトリーで小さく描くということから飛び出すことができる。

・固定観念からの解放
求められる答えを、きれいに、正しく行動することが評価されるようなこれまでの経験から離れ、正解のないモノを自由に作り出すことは固定観念を壊すことになる。

・個人の壁の解放
みんなで一枚の絵を描くことは、みんなで一つの世界をつくること。主体を「私」から「私達」にしてくれる。

・自己の解放
一人一本持って描けるということは、存在を認めるということにつながる。社会に認められるからこそ、自己を認め歩き出せる。

私たちが授業のテーマに据えて、組織の中でとても大事にしていた「楽しむ」ことの真のねらいは、実は「解放」だったのです。そして、この「解放」こそが、未知のものを、共に創っていくための前提となってゆくのです。

落合第六小学校で、校長先生や地域の方々に、授業でおきた「解放」をお話したところ。校長先生が「まさにこれだ!」と大きく肯き、熱量を持って授業について語りだされた姿が、私達にはとても印象的でした。

次の授業「空想する」は、11月上旬を予定しています。
私達が様々な企業や組織で実践してきた内容を授業とした「おえかきシンキング」は、同時に実証実験でもあります。実証実験を通じて、このプログラムの本当の狙いが明らかにされていくことでしょう。

また、次回の授業の様子も皆様にお届けしたいと思います!
ぜひご期待ください。

写真撮影:逢坂憲吾

(和田・三澤)

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