ワークショップの効果を高める、ワークショップの「場作り」とは?
みなさん突然ですが、ワークショップの「場作り」していますか?
「ワークショップのテーブルって、スライドが見えればいいんでしょ?」
「ワーク内容や、ファシリテーションが良ければOKでしょ?」
そう思っていませんか?
ワークショップの内容や、テーブルの配置も大切ではありますが、ワークの内容をより実感できる場所を探したり、参加者がワークに没入できるような仕掛けをすることで、ワークショップの効果がより高まるんです!
今回は、私達グラグリッドがワークショップの効果を高めるために工夫している「場作り」についてをご紹介します。
みなさんは「企業で実施するワークショップは、会議室でやるものだ」と思っていませんか?
グラグリッドでは、ワークショップの目的や内容に合わせ、温泉施設や、お寺、小学校の体育館や廊下など、様々な場所でワークを行ってきました。
こちらはお寺で実施した「デザイン態度」を体験するワークショップの様子です。
ワークショップを通じてデザイン態度を考えたい。
今までの固定観念を解放させたい。
ワークショップにそのような期待をした時、いつもと同じ会議室で、スーツでワークをする。それも悪くは無いです。ですが、よりワークショップの目的にあった場で、服装で、ワークショップを実施できれば、よりよい効果を得られると思いませんか?
この写真は、小学校の体育館に3年生~6年生の全員が集まり「ノート学」というワークショップをした時の写真です。
教室で自分の席に座り、先生の授業を聞き、ノートに板書を書き写す。
そうではなく、子どもたちが自律的に学びを探求できるように、身体を大きく動かし、様々なノートに挑戦する「フェス」のようなワークショップを実施しました。
こちらは、会議室で実施したワークショップ開始前の写真です。
お寺や小学校でのワークショップで、ダンボールを机代わりに使用したり、大きなロール紙を床一面に敷いたり、壁にワーク内容を記載した紙を貼るなど「場作り」をしていたように、会議室でのワークでも沢山の工夫をしています。
どんな場所であれ、ワークの内容と参加者のみなさんのことを考え、場を作っていくことが大切なのです。
ここからは、より具体的な場作りの事例をご紹介していきます。
ファシリテーションセンターを作ろう!
グラグリッド内で「ファシリテーションセンター」と呼ばれている、ワークショップファシリテーションの、とても重要なセンターテーブルがあります。
ファシリテーションセンターは、参加者さんの座る位置、ファシリテーターの立ち位置、ワークでの人の動きなど、導線を意識して机を配置します。
この机には、ワークの途中で配布する印刷物や、備品、時間を知らせる鐘、予備の備品、ゴミ袋などを配置しています。
会場に足を踏み入れた参加者さんに、このファシリテーションセンターを見て「面白そうなものが置いてあるな?」「今日は手を動かすワークがありそうだぞ?」と思ってもらい、ワークの雰囲気を作っていくことを目的として配置しています。
また、ワーク中にファシリテーターからワークシートの説明をする際に、すぐにシートを手に取れたり、ペンや付箋などの備品を手渡したりなど、導線を意識して机を配置することで、ファシリテーションをスムーズに行えます。
ワーク中に参加者さんが困ったときには、このファシリテーションセンターに行けば解決してくれるかも!という目印にもなります。
壁をセッティングしよう!
場作りは、空間づくり!壁もセッティングしよう!
模造紙を使うワークの場合は
・事前に模造紙を壁に貼る
・机と壁の幅を確認し、複数人でワークする際に窮屈ではないかを確認する
・テープを切っておく(模造紙になにか紙を貼る場合)
など、準備すべきことはたくさんあります。
また、ワークショップの中で、リアルタイムに話されたことを絵で可視化していく「グラフィックレコーディング」を行う場合には、グラフィックレコーディング用の模造紙も事前に用意します。
グラフィックレコーディングの模造紙は、参加者のみなさんがファシリテーターの話を聞いているときに、視界の隅に入るくらいの場所に貼ると良いです。
正面だとグラフィックレコーディングのほうに参加者の意識が行ってしまったり、後ろだと書いていることに気づかれません。
視界の隅で認識しつつ、グラフィックレコーディングの内容を共有する際にはすぐにそちらに視線を移せる。そんな位置関係を意識してグラグリッドでは準備をしています。
この他にも、ワークショップのグランドルールやお願い事項などを紙に書いて貼るなどの工夫もしています。ふと周りを見渡したときにグランドルールが目に入ると
自分を見つめ直すきっかけになります。
このように、ワークショップの場作りはテーブルを配置するだけではなく、備品の準備から、壁のセッティングまで考えることが沢山あるのです。
備品を用意しよう!
ワークショップ中に使用する備品が、使いやすいように配置されていたらワーク中、とっても嬉しくないですか?置き方次第で、人の行動は変わります。参加者の気持ちになって配置をしてあげることで、ワークショップがよりスムーズに進んでいくのです。
ここからは、グラグリッド流、備品配置のポイントをご紹介します。
この写真はとあるワークショップで、開始前に机の上を撮影したときのものです。
この時のワークショップでは以下の7点を配置しました。
【一人ずつ目の前に配置するもの】
① 配布資料に、チェックインで使用する付箋2枚を貼り付けたもの
② 名札とペン
【チーム用に中央に配置するもの】
③ ワークショップで使用するプロッキー、付箋
④ 事前提出課題を印刷し、グループごとにまとめたもの
⑤ ワークショップのタイムライン
⑥ おかし
⑦ グループ名の札
① 配布資料に、チェックインで使用する付箋2枚を貼り付けたもの
② 名札とペン
名札やチェックインで使用する付箋は、ワークショップが始まってすぐに使うものです。なので、すぐに使えるように手元に置いています。
③ ワークショップで使用するプロッキー、付箋
④ 事前提出課題を印刷し、グループごとにまとめたもの
印刷物が多いときには、写真のように付箋でまとめ、バラバラにならないようにしておくと便利です。また、事前に仕分けし、グループ名を記載しておくと、配置するときに間違いを防ぐことができます。
⑤ ワークショップのタイムライン
「今日はどんな内容だったかな?」とワーク中に思うこともありますよね。
そんなときに備え、タイムラインを印刷し配布しておくと、安心できます。
グラグリッドでは、タイムラインをA4用紙に書いたものを壁に掲示することもあります。
⑥ おかし
⑦ グループ名の札
机にグループ名を記入した紙を筒状にして配置しておくことで「私の席はどこだろう?」と参加者が迷わないのでおすすめです。
小さなことではありますが、ご紹介したような視点で備品を配置することで、参加者が迷わずスムーズにワークに入ることができるのです。
場作りの計画をしよう!
ここまでご紹介した場作りを全て行う場合、1人では時間がかかりすぎてしまいます。なので、ワークショップの前に、
・どんな場作りをする予定なのか?
・備品はどこに、何を置くのか?
・当日の役割分担はどうするのか?
を計画しておくと、当日に混乱なく準備をすることができます。
こちらは、グラグリッドでワークショップ前に作成している配置図です。
配置図では、まず初めにワークショップを実施する会場の広さ、間取り、備品を、明らかにします。そこから、ワークショップ内容に応じた配置を検討していきます。
配置図を作成することで、クライアントさんと当日のイメージをすり合わせたり、
ワークショップ本番には、運営メンバーで分担しながらセッティングを行い、大事な備品がないぞ!など、慌てることがありません。
ワークショップの目的に沿った最高の場作りをすることで、「場作り」を全く意識しない場合に比べ、ワークショップの効果は大きく変わると思います。
ワークショップのワーク内容ができて、スライド資料が完成すると、あとはワークショップ本番で頑張るだけだ!と思ってしまうかもしれません。
ですが、あともう少し!「参加者にどんな行動をしてほしいのか?」「どんな態度で参加してほしいのか?」などを考えると良い場作り、良いワークショップに繋がっていくのではないでしょうか。
(川村)
関連リンク
▼ワークショップの備品準備に関する記事はこちら
▼ワークショップデザインに活用できるシンキングシートはこちら
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