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「育成就労制度」参議院で審議開始:新制度で外国人労働者を支援

2024年5月24日、新たに育成就労制度を設けることを柱とした出入国管理法などの改正案が参議院で審議を開始しました。
岸田総理大臣は、外国人から選ばれる国となるために制度の適正化と環境整備に取り組むとして、今国会での成立に向けた理解を求めています。
この改正案は、日本の労働市場における人手不足を解消し、外国人労働者を効果的に活用するための重要な法案です。

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改正案の主な内容

技能実習制度から育成就労制度への移行

今回の改正案では、現在の技能実習制度を廃止し、新たに育成就労制度を導入することを目指しています。
技能実習制度はこれまで多くの問題が指摘されてきましたが、育成就労制度はこれらの課題を解決し、より効率的に外国人労働者を育成・活用することを目的としています。

「特定技能」水準の育成

新制度では、外国人労働者が3年間の研修を経て「特定技能」の水準に達することが求められます。
「特定技能」とは、日本の労働市場における介護、建設、農業などの分野で専門的な技能を持つ外国人労働者を指す在留資格です。
この制度により、外国人労働者が専門技能を習得し、労働市場での価値を高めることが期待されています。

受け入れる分野と転籍の要件


育成就労制度の下で受け入れる分野は、働き手が不足している介護や建設、農業などが想定されています。
また、外国人労働者が一定の要件を満たせば、同じ分野内で他の企業への転籍が認められる予定です。
これにより、労働者のキャリアパスが広がり、企業側も必要な人材を適切に確保することが可能となります。

永住許可取り消しの条件と修正点

改正案には、故意に納税などの義務を怠った場合、永住許可を取り消すことができる規定も含まれています。
ただし、取り消しにあたっては生活状況などに十分配慮することが付則として加えられており、外国人労働者の権利保護が強化されています。

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参議院本会議での審議

趣旨説明と質疑応答

参議院本会議では、改正案の趣旨説明の後、質疑応答が行われました。
立憲民主党の石橋通宏氏は、技能実習制度の下で多くの実習生が人権侵害などの被害に遭ってきたことを指摘し、
「政府案は名称が育成就労制度に変わるだけで基本構造は全く変わらず、単なる看板の掛け替えではないか」と批判しています。

岸田総理大臣の答弁

これに対して岸田総理大臣は、「育成就労制度はこれまでの課題を踏まえて、人材育成と人材確保を目的とする新たな制度として全体を適正化するための方策を講じている。看板の掛け替えとの指摘は当たらない」と反論しました。
また、「外国人から選ばれる国になるために環境整備に取り組む」と述べ、今国会での成立に向けた理解を求めています。

今後の見通し

改正案は、来週から参議院法務委員会での詳細な審議が予定されています。
参議院での審議が順調に進めば、改正案は今国会での成立が期待されますが、立憲民主党や他の反対派の意見もあり、引き続き議論が続く見通しです。

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まとめ

今回の出入国管理法改正案は、日本の労働市場における人手不足を解消し、外国人労働者を効果的に活用するための重要な一歩です。
育成就労制度の導入により、外国人労働者が専門的な技能を習得し、日本社会に貢献する機会が増えることが期待されています。
同時に、外国人労働者の権利保護や労働条件の改善が求められており、今後も継続的な改善と対応が必要です。
日本が国際的な人材獲得競争で魅力的な国となるためには、こうした取り組みを着実に進めていくことが重要です。

参考文献:NHK(2024)「育成就労制度」出入国管理法など改正案 参議院で審議始まる」, <https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240524/k10014459341000.html> 2024年4月4日アクセス.

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監修:センターポイント協同組合


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