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「海のはじまり」ダイジェスト版1話〜8話の感想。

台風の影響がまだ収まってない9月最初の日曜日。日曜日だから、朝から洗濯やいろいろと片付けしながら、お昼御飯食べようと一息。TV付けたら、番組表を画面にアップしたら、「海のはじまり」の文字が見えて、「え?昼12時からダイジェスト版?!」と思い、始まる三十分前だったので、急いで全てを終わらせて(中断して)TVに構えた。
この夏、いちばんの私の・・・なんと云うのだろう、「楽しみにしている時間」ではないなぁ、、、かと言って「真剣に考察する時間」でも無くて。
「心の痛みの共有する時間」というか「涙活のひととき」というのか・・・兎に角、なんか逃す事の出来ない、「必要な時間」として観ている。多分、毎週視聴してる方々には今更ストーリーを話すのは野暮な事だが、一応知らない人に話す形として、7年も前に嫌いで別れた訳では無い元カノが亡くなり、彼女には「堕胎」の「承諾書」を書かされた過去があっててっきり記憶の奥底に忘れ去られてた事が眼の前に意外な形で現れ、、、つまり、堕胎したと思われてた「自分との子」=「海」が現れた事で色んなことがこの夏から急転直下する、それを受け入れるのには「元彼氏=男」としては突然の事であり、元カノの遺した子ども=海との「親子関係」が始まる、それを受け入れる為の準備と覚悟で、余裕が無いまま冷静になろう、父親に成ろうと決めている矢先に、「実は『大切なもの』を失い掛けてる」事に見落として気付かないまま、また「同じ様な繰り返し」をしようとしている、「彼」・・・「夏」とその子ども「海」、そして、その周りの実は辛くても優しい人達との一夏の物語、、、とでも云うべき内容である。
本当に、このドラマは、とても丁寧に作られており、内容も本当に重く毎回、泣いてしまうくらい、それぞれの人達の心境や隠されたその人なりの裏の物語があって、本当に、最初は一見「なんてキツい人」「うわぁ、そんな言い方って、、、この人嫌い」「いやいや、もっと考えてよ。。。」と思われがちの人達ですが、実はどの登場人物も「その人の立場」になると、見方がガラリと変わる、というか、人には、他人にはそれぞれ「動機」と「理由」があるから、その様な形に、態度や言葉になって誰かを傷つけるつもりでは無くても結果、他の誰かが人知れず哀しい想いをしてしまう、という負の連鎖を次々と生んでは解消しそして、それによりまた新たな苦悩が生まれるという、どこまで行っても優しい人達は、厳しい言葉を投げ掛けても実はとても優しくて。夏の今カノである「弥生」は、言ってみれば、夏の元カノ「水季」にとって「海」の「命の恩人」的な存在で、でもそんな事は実は誰も知らなくて。弥生は、弥生で「過去の堕胎」の罪に苛まれて「実母=親」の、「水季の家族と環境」とは真逆の対応で、、、それでも「自分で選択した道」を引き摺りながらも逞しく生きてきた訳で。そしてある日突然、彼氏の「隠し子」が発覚、それでも彼共々その子も受け入れようとするけども、「彼=夏」があまりにも優し過ぎて、でも、「自分」を見てない事に少しづつ気付きながらも見ないフリしながら、実はとても迷ってて。周りにはそんな姿を見せず気丈に何も無かったかの様にやり過ごしている、様に見せてて。それが理解るから、余計に不憫に見えるというか、「夏、海ちゃんも大切だけど、弥生ちゃんもちゃんと気遣って、見て。」と思う。唯一、それを夏の居ない時にずっと「水季」の側に居た「津野君」が見抜いて「水季、水季、ってうるさいですね」って弥生の気持ちを代弁してくれた。
津野君は、最初、本当に嫌な奴に見えたのだと思う。でも、私は初見から「津野君には津野君の哀しみがきっとある、だって、海ちゃんが懐いてるから」と見て観てたけど、7話の、生前の水季、海ちゃん親子の事をずっと支えた描写、場面、時期を観てたら、やっぱりなって思って。前回の特別編「恋のおしまい」は、それを証明する、水季と津野君の恋物語で、しかも「両想い」なのに、その恋を実らせずに、水季の想いを優先し、親子を優しく包んで常に近くでサポートする、なんて並の人間では出来ない偉業であって。恐らく水季が亡くなる2週間前まで近くで支えてその後は水季の、両親に託して、朱音からの電話を取るまでは、本当に不安で不安で(覚悟もしていて)仕方なかったんだと察する。あのシーンは、本当に、心に刺さる。多分、あまり津野君のスマホは水季か海ちゃん又は職場から位しか鳴らないのだろう。水季親子と離れて、覚悟はしていたけれど、本当は鳴らないで欲しかった「『南雲朱音』からの電話」がスマホの画面に通知された瞬間の、あの、動揺と息切れ、そして心拍数を抑えようと必死で、必死に落ち着こうとしてる描写が、、、その意味を、スマホが鳴った意味を判っているから、溢れる涙が止まらない訳で。決して鳴って欲しく無かったのに、、、電話で涙を堪えながら、振り絞った一言、「・・・はい。」は、本当にこの世でいちばん知りたくなかった現実なのだろう、それくらい、津野君は、水着を愛してた。海ちゃんも一緒に。彼が序盤でどんなに近くにいても、「所詮は血の繋がってない他人ですから。」の意味は本当にここへの伏線というか、どれだけ心の繋がりがあってもどれ程水季と海の親子を長い間支えてきた近くの恩人であったとしても、彼から見た「夏」は、ぽっと出た7年余も何をしていたのか、どれだけ水季が無理して苦労して海ちゃんを育てていたか、知らないクセに、という序盤の「嫌味な奴」はそういう経緯がある訳で。海の色鉛筆が床に落ちたのを拾おうとした夏に「触らないでください」の言葉は、水季のアパートを片付ける、朱音が、津野君に放った言葉のそれと同じで。
そう、ここまで書くと、登場人物の誰かの立場になると、その人の視点で物事が視えて、このドラマの深さが理解る。
視聴者の中にはアンチ水季もいるのも判っている。「あんなに好き放題やりたいようにやって最低な女」まで言われてる事もあるが、私はそうは思わない。水季には、水季の不器用な一生懸命さがあったのだ。「学生時代」を本当に楽しかったと言い、夏に堕胎承諾書まで書かせて、なのに、夏と相談する事を選ばなかった。水季なりの夏に対する、優しさ、多分、もし堕胎してたら、水季は、夏とは一緒に居なかったと私は思う。勿論、だから、「一緒に居ること」を選ばなかったのだから。でも、水季の中で、「弥生の手記」を目にした事で決心が変わってしまった。けれど夏には伝えなかった、独りで産み、誰の手も借りずに「海」を育てる決心をしたのだから。だから、実家も極力頼らない、書士の資格もとって、津野君の求婚も断り、身体に病が見つかる迄、必死で海を育ててた。けれど、水季は、その必死さを海には見せなかった。たとえ、病魔に冒されていても元気な母親という自分を見せ続けた。海が哀しまない様に、母親の死を引き摺らない為に。実の父が夏だと云うことも、海には正直に隠さず話して。でも、夏には「新しい恋人」がいる事を春に知ってしまい。。。それでも、海をいちばんに、最後まで愛する我が子の為に生き抜いたんだと思う。津野君に頼ったら、彼との3人での生活を選んでたら?と?どんなに楽だっただろう。
「メロンパン350円」を買うのに躊躇しちゃう、「塩おにぎりの具」も入れられただろうし、どんなに新しい家族で生活が楽しかっただろう。でも、水季は、それを選ばなかった。海の為に。夏との思い出もあったから。自分に「自制」掛けてるって言ってたのもある訳であり。自分の気持ちに歯止めを掛けてる、好きになりたいのに止めるって、本当に勇気というか選択肢を、最優先を何か?が判っているから。
それはいつか、自分が海を蔑ろにしてしまい、新しい恋人の子どもを望んでしまう、それを良しとしなかった。好きな人の子を望むのは、極当たり前の事で。それを津野君に告げた上で、「もう、楽しいのは充分味わったから。余りあるくらいに。」と。だから、津野君への「塩おにぎり」も辞めてしまった。マネキュアも。余り有りすぎるくらいに。あれは水季なりの覚悟であったのだと思う。「楽しいのはもう一生分余りあるくらい味わったから。」と。こんなに健気な女性に惚れた、愛された夏や津野君は、本当に幸せ者だと思う。
「子供のこと忘れても良い日があるよ。」と母である朱音が言う。
津野君の名前「晴明」で弄っている場面、バスの中での会話本当に楽しそうだった。
ファミレスの御飯で「確実に美味しいから。それに、海の事考えちゃうから」と海の事を考え、自分から「自分だけ高い御飯食べるの?」と自問自答する母、本当に見習いたいと思う。津野君が「水族館」に誘うも「海とイルカを一緒に観る」と譲らないのは、どれだけ「海」を最優先に考えてるか判る。
代わりに行った、プラネタリウムで寝ちゃうのも、日々の生活が大変だから。子どもとの生活が、大変なのもそれで判るし。
津野君は、本当にいつも、「いいよ。」って、優しすぎて。津野君が靴紐をベンチで結んてる時に水季が背中にもたれ掛かるのは、そう言う相手が欲しかったんだと思う、甘えたかった、本当は。
「自分に色が無くなる」と本音を吐露して、津野君に心を開いてる水季の中には、本心と譲れない気持ちで揺れていたんだろうと思う。デートも半ばで、洗濯物やおかずの作り置きを気にするって言葉は、やはり海が中心なんだと。海が居て、自分がいる。そこに誰も入り込める余地は無かったのかも?水季の中では。津野君に寄り添って貰えたら、、、と何度も考えただろう。
「御飯の時に考えてるのは『好きな人の事』」なんか過去の経験から解る。真っ直ぐに「津野さんのこと、好きです」と告白した水季は、同時に「海のお父さん」としても考えていた。
しかし、「いいです、でも、駄目です。」と応えた先には、やはり海の事がいちばんで。「海がいるから絶対に忘れられないんです」ト言い、「女の上書きファイルは絶対に嘘です」とも、言いながら、両思いも告げた上で。「今はギリギリ大丈夫だけど、2人きりになりたいなぁ、子ども邪魔だなぁってこの子じゃなくてこの人の子が欲しいなぁって、思うことが怖いんです、海がいちばんって決めて産んだんです!」
・・・なんか、津野君、ノックアウト寸前で、気の毒だったけど、アレだけ言われても、やはり「いいよ。」って言うしか無い彼は本当に誠意の塊で、頭が下がります。本当なら、食い下がりたいだろうに。最後、水季、海、津野君と3人で手を繋ぐのが微笑ましい。津野君は、水季と繋ぎたかっただろうね。恋愛には成らないとは、、、、。でも水季の視線には津野君が居て。。。始まってたら、水季の運命も変わったかも知れないが。。。
水季と津野君が昼ご飯を休憩室でTV観ながら、
「次のオリンピックの時は海、小学生だ。楽しみ〜」は、これらが4年前の事だと判る。
「もう、『おしまい』です、そういう『恋愛』、楽しい事は。もう充分楽しかったし。余っちゃうくらい充分。。。余った分だけで余生生きれます。。。」
同じ頃に、夏が一生懸命、弥生に連絡してるのはこちらは「はじまり」を意味してて。
「百瀬さん、ペディキュアってなんですか?」とか
まだ馴れ合いが無いから付き合って無い感じで。

しかし本当に、これで水季の「アンチ」が居るとは、、、物語、ドラマちゃんと観てないなぁ??って思ったり。

あっ!ここで気付くと、「恋のおしまい」の感想ばかり書いてしまった。思入れが強いエピソードだったので。本編に匹敵する特別編の1話でした。

8話の夏の実父と会う必要は、夏の中のケジメみたいなものなのかな?今時の人がカメラを持ってる意味も判って良かった。実父が「面白い生き物、そう、毎日違う夏を残して置きたかったから、そんな毎日を。」と釣堀で話してたから、そこは実父の本音なんだろうな。育児に協力してなかったって自分でも言ってたし。
「無責任」という言葉。
実父と夏の唯一共通してた、感覚。お互いの考え方は違えど。
あと、夏って物持ち良いんだなあって、3歳で離婚して、それからずっと何年もAUTOのカメラを大事にしてるとは。カメラのエピソード(思い出したから)があるから、実の父に、会おうと思ったのは判るけどね、海ちゃん連れて行ったのは、「孫か?!嬉しいなぁ。」って反応を微かに淡い期待があったのかなぁ?職場の上司も質問したら同じ事言ってたし。
でも、その、ちょっとした実の父とのすれ違いがあったから、夏の本音が言えたのかも?周りの人達は言えない、夏の本音が。実際に久々にあった父は思い描いていたのと違ってて。夏も怖い顔になる位、取り乱して。
「育ててない親」ってのも、なんか引っ掛かった。

でも、ここの回から弥生との心の距離が明白に見えてる。スーパーで買い物するシーンで、どんどん夏が弥生から離れてしまうのはそれを示唆してるのかな?
公園にヤマトに呼び出された弥生は、夏の父の話を聞くことになり、弥生の親との不具合も共感したり。でも、水季の遺灰の入ったペンダントを弥生が外そうとした所は、なんか、夏との弥生の距離感を更に感じた。弥生が夏から離れて行く、又は夏から知らない内に弥生から離れて行くのかなぁ、このまま別れてしまうのかなぁ。
同性としては、夏の弥生に対する鈍感さには、本当に、気づけよっ!って思う。「水季、水季」「羨ましなぁ、知らない水季を知ってて」みたいな話をされたら、、、それは目の前にいるパートナーに失礼だなって思う。

そうそう、カメラで思い出した。
私も父の一眼レフカメラ持ち出した記憶があるけど、そんなに長い間持ってなかったなぁ、3年くらい?高校最後には持ってなかったな。何処に行ってしまったかな?

ただ、夏は水季に未練残り過ぎだなぁって思った。弥生を置いてけぼりで。
興味だけで、とか、実父の言う言葉、実は夏には響いてるのだろうか?反面教師として受取るのだろうか?
何度も連絡しろよ、って実父が言うから、これは後々また出てくる伏線かなって。
あと、手紙。水季の夏が「親になる。」と言ったら出して欲しいと遺した手紙。丁寧に、「夏くんの恋人へ」と、「もう一通」同封されていた。
それを弥生は、まだ現時点では、見ていない、らしい。
夏の方には何が書かれていたのだろう?
そして、「夏くんの恋人へ」の内容は、弥生が津野君に会い、手紙の内容について、『怖いですねぇ』何書かれてるんですかねぇ?」
の遣り取りに、
「『海ちゃんの母親になる人』に宛てた内容なら私が見ちゃうのも・・・。」
ちょっと津野君が寄り添う感じて、真面目に諭してる、慰めてる。
弥生の迷いが初めて他者に語られる、この回。

しかし、このドラマの人達は、皆必ず靴紐をキッカケに相手の優しさや意思の疎通をするのだと思ったりしたなぁ。
あー、初めてここまで長い内容を書いてみました。
あっちこっち行ったり来たりしてますが気にしないで下さいな。
行く末が本当に気になります。


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