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修羅の処方箋

冨山和彦の『コロナショック・サバイバル』(文藝春秋)が出色だ。

昨日受講したwebセミナーでも話題に上っていた。冨山さんは、NHKやNewsPicks でも、この経済的混乱について、どう対応すれば良いか、危機をサバイブする策を矢継ぎ早に提示している論客と言える。意見や調査観測でなく、「策」だ。コロナショックこそ昭和的な価値観や経営スタイルからおさらばする絶好の機会であるとも。

今必要なトリアージ

昨日amazonから取り寄せようとしたら、書籍版は品切れ。印刷所の稼働も通常より下回っている中では、増刷対応が遅れるのは仕方がない。電子版をDLし、半分読んだ。

冨山さんは、産業再生機構時代に一度取材したことがあるが、その鋭さ、覚悟、ドラスティックさ、具体性に舌を巻いたことがある。修羅場にその能力が冴え渡る人物だ。保身に汲々とする経営者は拒否反応を示すであろう。しかし、それは平時だからこそ、だ。

拓銀、長銀、山一、カネボウ、ダイエー……まさかという事例を我々は数々見てきたではないか。コロナでかようなケースがボロボロ出るだろう。

本書でJALの経営破綻を再生させたプロセスも紹介されてあり、これから暗礁に乗り上げる(であろう)企業にとっては、むちゃリアルに、希望の事例、ただし覚悟と痛み付き、として響くはず。

しかし、名経営者稲盛和夫が何百人もいるわけではないし、護送船団はできない。やはり生命を救うための優先順位を付けるトリアージが要るというのだ。

ステイホーム中にできるのは

首都圏はまだ多くの企業で在宅勤務継続中。企業役員も、ステイホームで意思決定している中で、実効性ある策を打てているかというと、どうだろうか。

解除して、慌てて手を出しても、すぐ市場が回復するわけではない。やはり日頃の体質と姿勢の良し悪しが、危機に問われる。わたしは、コロナは別の世界を露わにすると思っている派なので、今は自分の中に、これだけは確かだという本質は何かをじっと探っているところなのだが。

「なぜなら、危機はいつも新しい形で押し寄せてくる。その新しさの本質を洞察し、それを歴史的な法則に当てはめ、想像力を働かせて答えを導くには、形而上的な広範な知識や教養と、形而下的な凄まじい修羅場体験から凝縮されたリアルな抽象的原理との両方を持っていないと難しい』(同書)

「経営理念だって不変ではない。だって、理念だって同じじゃ飽きるでしょう?」とサイボウズ青野慶久氏が、昨日のセミナーでさらりと言ったことに、はっとした。大黒柱に車を付けよ(イオン創業者岡田家家訓)だ。

変化しなくてはならないときに、変化に踊らされるのではなく、現状を正確に把握して、シームレスに変幻するメンタルモデルが必要なんだな。。。

#コロナショック #冨山和彦 #修羅場の経営者 #日記

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