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#15 DFBサッカーの教科書その3 タレント育成のためのトレーニングコンセプトと構造

昨日に引き続き、DFB出版の本について。

・タレント、才能のためのトレーニングコンセプト
多くの若い選手たちが最高のレベルでサッカーをするという目標を達成するにはどうしたらいいのか?将来、世界に通用するプレーヤーの資質をどのように身につけるのか。
DFBのトレーニングコンセプトは段階が明確に定義されている。
トレーニングの全体的な構造(初心者からトッププレイヤーまで)が国際サッカー界でトップクラスの質を身に付けることができる。トレーニングの段階を明確に定義しそれを積み重ねるというコンセプトはすべてのコーチにとって不可欠なことである。

1 キッズ、ベイビー 3-6歳
「動く」
・多様な運動課題を通じて子どもたちの成長を促進する。
・サッカーの試合を楽しむ
・遊びたい、動きたい、そんな気持ちを呼び覚ます
・みんなで楽しめるゲームがをたくさん。

2.F/E Junioren 7-10歳
「プレーする」
・小さなサッカーゲームを通してサッカーを学ぶ 
・クラブでストリートサッカーを
・少人数制で、小さなコートで行う
・ボールにたくさん触れる機会をつくる

3.D/C Junioren 11-14歳
「学ぶ」
・基本技術と戦術の基礎の体系的なトレーニング
・ゲームを楽しみ、創造性を育てる
・個人の強みを生かすように。

4.B/A Junioren 15-18歳
「安定」
・真剣さ、パフォーマンスへの意欲、サッカーを楽しむ姿勢
・戦術的な手順を完成させる
・より複雑に、同時に個性を尊重したトレーニングを
・プレイヤーを積極的に巻き込もう

5.若手選手 17-20歳
「トップパフォーマンスへの準備」
・個人能力の強化 
・ゲーム哲学とシステムに基づいた基本技術と戦術の最適化
・プロフェッショナリズムを伝える
・トレーニングの個別性を高める

6.トッププレイヤー 21-29歳
「トップパフォーマンスの完成」
・プレー哲学・システムを志向した戦術的な可変性と安定性
・選手自身のパフォーマンスに対する自発性を促し、要求する
・プロフェッショナリズムで生きる

7.トッププレイヤー 30歳以上
「パフォーマンスの安定」
・ピッチ内外でチームの模範となる行動
・サッカーに特化した身体作り
・選手の手本となり若手に要求する
・プロフェッショナリズムの模範を示す

タレント、才能のトレーニング構造
4つの段階に分けられる。Stufe=段階
・Stufe 1 基礎能力の獲得
・Stufe 2 才能へのサポート
・Stufe 3 エリートの育成
・Stufe 4 トッププレイヤー

・Stufe1 基本能力の獲得
クラブ、学校、幼稚園。
この最初のレベルではトレーニングはサッカーに特化したものだけではない。多様で興味深い動きのタスクで全人的な発達を促す。これは健康だけでなく後のトップパフォーマンスの基礎となるもの。

Stufe2 才能へのサポート
エリートシューレ、パフォーマンスセンター、人材育成協会、人材育成プログラム
年齢、地域、現在のプレー力、あるいは若い選手の個人的な状況によって、才能ある選手が異なる当局によって分担されている。緊密な連携が不可欠。

Stufe3 エリート育成
アンダー世代のドイツ代表、ライセンス取得クラブ、エリートシューレ
人材育成の目標は才能をエリートレベルにまで高めること。ここではドイツの優秀な選手たちが「世界に通用する」ことを目標に高い専門性を持って個別に練習する。

Stufe4 トッププレイヤー
ドイツ代表、国際サッカー連盟、ブンデスリーガ
世界のサッカー界で上位に入ることは自信をもって打ち立てた目標であり、同時にドイツサッカー界における才能とエリート登用の指針でもある。ドイツ代表やクラブチームの国際的な活躍も含まれる。

今日はここまで!第一章「基本」がおわりました!
まずは年代で考えられる重要な要素について。子どものサッカーを大人のサッカーにそのまま当てはめずその年代に合ったものをトレーニングしていきたいですね。その年代で獲得したい要素、目標。それらを理解してトレーニングをオーガナイズしていくのは指導者にとって最低条件です。注目したいのは10歳までは基礎能力の獲得のために身体を動かすことやとにかくボールにたくさん触ることが大切とされています。日本の育成現場では3.4年生(9.10歳)ぐらいから既に公式戦は8人で行います。伴い練習試合も8人で行うのが当たり前となっている現場も珍しくありません。果たして9歳に8人制はその年代に適したフォーマットなのでしょうか?今一度再考し公式戦のフォーマットを変更して行ってほしいですね。
そしてトレーニング構造について。4段階に大きく分けられます。これからこの段階をそれぞれ一つずつ詳しくみていくことになります。特に2段階でのエリートシューレの取り組みについては気になります。

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