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#53 SVHのテストマッチ、ドイツで初審判体験。ESVリーグ戦でのガチガチな試合。

こんばんは。お疲れ様です。
フライブルクは平日は15℃ぐらいまで気温が上がる時もあり、温かくなってきました。
と思ったら週末は最高気温4℃、、、
まだまだ冬は続きそうです。
今日は午前中にホッホドルフのテストマッチ!そして午後からは最近見学にいってるESVのリーグ戦を見に行きました。
そのあと家に帰って、ブンデスリーガをみて、プレミアリーグをみて。
とサッカーしかしてない1日です。
ちなみに明日も午前中は家主さんに誘われてESVの女子チームの試合観戦。からのスタジアムでブンデス観戦の予定です。
サッカーしかしてない、、、

・ホッホドルフU13テストマッチで審判をやった。
今日は審判をやらせてもらいました。笛もないので声で。
日本ではチビ達のサッカーが多かったので久々に大きなコートでの審判でした。
ドイツでの審判については最初は結構驚きました。U13もU19も副審がいません。レベルの高いところだと副審が付いてたりしますが、グラスルーツは基本的に審判は1人です。これはテストマッチだけではなく、リーグ戦もです。一応両サイドに各チームから1人ずつ旗持ちがいて、横のラインのラインアウトだけみてくれます。オフサイドは全部主審がみます。なのでなかなか大変。

さて、審判をやってみた感想ですが、審判はコミュニケーションが大事だなぁと感じること。ドイツ語が下手くそなのであまりコミュニケーションが上手く取れず、笛がなかったり、久々の審判で自信がなくてはっきりしなかったり、選手らには少しストレスをかけてしまったかなぁと反省です。
各チームの中間に立ちジャッジするのはこんな難しかったっけか?と審判の難しさを再認識。リスペクトを忘れないようにしたいです。それを育成年代の選手達にも教えていきたいなぁと感じました。

・テストマッチの内容は?
ぶっちゃけですね、ジャッジに一杯一杯になってまして。今日は全然試合内容を見れませんでした。笑

でも結果は8-0!快勝!少し力の差があるように感じましたが、練習でやってるビルドアップは上手く行うことができ、フィニッシュもしっかり決めてました。
前回もそこに注目してましたが、今日もやっぱ0点に抑えたディフェンス陣を褒めたいです。特にセンターバックをやってた7番の選手。元々攻撃の選手ですが最近は守備もやってます。こないだの下級生とのテストマッチでも守備をやってましたが、途中一方的な展開になると「攻めたい、攻めていい?」とコーチに言いにくる場面が。それでも自分のポジションでやるべきことを遂行し、最後の砦としてしっかり守備をしていました。多分今日は被シュートは0じゃないかな、、、?その中でも真ん中から運びチャンスメイクしたり、シュートをうったりと自分の攻撃センスを活かしたプレーをみせてくれました。

それと審判をやりながらも相手コーチの声がよく聞こえてきたのが印象に残っています。
力の差があり厳しい試合でも決して試合を放棄することなく、前向きな声掛けを続けていました。時々出来るチャンスや良いプレイでは、「いいぞ!いいぞ!」と盛り上げ、下を向く選手を勇気付ける声掛けをしていたのがジャッジで一杯一杯の僕にも伝わってきました。
そんなおかげでか、最後まで選手らは戦うことをやめず僕らの良い試合相手になってくれました。

・ESVリーグ戦。
最近毎週木曜日に練習見学にいってるU15のチーム。コーチから「土曜見にきてくれよ!」と言われたので行きました。そのコーチは僕にはすごく優しい笑顔でいつも声をかけてくれます。今日も試合中なのに僕に気付いて、笑顔で挨拶してくれました。
「挨拶をする」過去になんでする必要があるの?って考えたことがありました。それは相手を認知し、認める行為。確かに勝手に見学してて迷惑じゃないかな、、、?と考えていましたが、この挨拶のおかげでその考えは吹き飛びました。

・リーグ戦はやはり一味違う雰囲気
ドイツは1.2月はオフシーズンでどのチームも体育館でのミニサッカー大会やテストマッチが多かったです。久々のリーグ戦を見た気がします。
先日もこのチームのテストマッチを見に行きましたが、その時と比べるとやはり雰囲気はピリピリしています。コーチは基本的には褒めながらも、素早い帰陣や切り替えなどをサボる選手にはテストマッチよりも激しく檄を飛ばします。
そんな中で印象的な声掛けを紹介。
試合展開は前半は1-1の互角な戦い。後半こちらが2点とり3-1に。しかし後半途中から追いつくぞ!と勢い付いた相手のペース。防戦一方の状況。そのまま失点し3-2。相手の勢いはさらに増します。そんな時に相手の激しいプレスからボールを失ってしまったディフェンスの選手。そしてキーパーと1vs1に。ギリギリ相手のシュートはポストに当たり失点は免れました。そのミスは技術的ではなく、防戦一方で集中力が切れた判断ミスでした。さらに疲れてきて周りの選手もサポートに入らず孤立していました。
するとコーチがとんでもない大声で檄を飛ばします。何を言ってるのか聞き取れなくても、何を伝えようとしてるのかわかります。「何してんだ!ふざけるな!勝ちたくないのか!?」って感じ。
その怒り方がミスをした選手だけではなく、チーム全体に向けてだったことが印象的でした。サッカーはチームスポーツでたった1人の選手のミスではないことを理解しているのでしょう。その後、コーチに檄を飛ばされた選手達は集中力を取り戻し、なんとか守り切り3-2で勝利しました。

・大人達のガチ喧嘩。でも終わったら笑顔。
もう一つ。試合中にすごく印象に残った出来事が。
この試合、結構たくさんの観客がいました。選手達の友達や恋人、親、祖父、ただのサッカー好きな近所のおっちゃん?、イヌ。と。
で、特に父、祖父、サッカー好きのおっちゃん達は結構熱が入って応援していました。
そして、先程試合展開を話したように3-2で逃げ切りたいチーム。しかしそんな中1人の選手がイライラしたのか、ボールが関係ないところで相手選手を突き飛ばしてしまいます。その選手はすでにイエローを貰っていた?らしく。なんと退場してしまいます。完全に無駄なファール、退場でした。逃げ切りたい状況で1人少なくなってしまい、さらに苦しくなってしまいます。
そんな試合をみて観客のサッカー好きのオッチャン達が野次を飛ばします。その中の1人の老人がドイツ語で何を言ってるのかわかりませんが、明らかに侮辱的な悪い声掛けを。 プロの試合をみて野次を飛ばすようでした。 「なにしてんだよ!バカかよ!」みたいな感じで。
するとその瞬間コーチが観客席の方に振り返り、先程話したミスへの檄よりもさらに強く、顔を真っ赤にして
「子どものサッカーだぞ!?理解しているのか!?彼らはまだ若いんだぞ!?ふざけるんじゃねぇ!」と。
これはドイツ語聞き取りが苦手な僕でもはっきり意味はわかりました。それは今日1のガチギレ。選手に向けてた怒りはコントロールされていたものだと理解出来ました。その姿は我が子を守る父親のようでした。
この声掛けに感動しました。これは大人のサッカーではなく、まだ15歳の未熟な子供達のサッカーであることを理解していて、間違ったことをする大人に対してはっきりと、それはいけないことだ。と伝えていました。確かに退場した選手は悪いことをしました。相手を突き飛ばし何か暴言を吐くことはスポーツマンシップに反しています。しかし彼はまだ15歳。大人よりも未熟です。その失敗から反省し、良い方向に大人達が導くことが大切なのです。
相手の老人も自分より若いそのコーチについ腹が立ったのか何かを言い返しています。それはもう大人達のガチ喧嘩。久々にこんな迫力のあるガチ喧嘩を近くでみました。
それぞれ一旦落ち着き試合に戻ります。
そして試合終了。なんとか勝利。ここから驚き、つい笑ってしまったのが。試合が終わった後、コーチが観客の喧嘩した老人に向けて笑顔でグッとポーズ。そして老人も笑顔で拍手をして、グッとポーズ。その後2人は笑顔で握手をして少し話していました。

いやいやいや!
あんたらさっきガチ喧嘩してたじゃないすか!
切り替えはっや!

これに近いことはホッホドルフでも見たことがあります。たしか僕がまだドイツに来て3ヶ月ぐらいの時。
試合中にアシスタントコーチが「ああ!そんなことしてないで外に蹴れよ!」みたいな声掛け。
それに対してキチコーチが「彼らは今それにチャレンジしているんだ!そんな声掛けするな!」と怒鳴りました。結構ピリピリした雰囲気。あんな風に怒鳴られたら僕は多分泣きます。
そしてその試合は勝利しました。勝利した瞬間にキチコーチとアシスタントコーチは「やったな!」と笑顔で握手。
さっき同じツッコミをしました。
いやいや、さっきあんなに険悪な感じだったのに!!!

日本だとこんな風になったらもっと引きずるし、若造が年上にあんな風にブチギレることなんてなかなかできません。「なんだ!あの失礼なやつは!」となりがちです。
1度大喧嘩なんてしようものなら修復不可能になったりもして、チームから離れる。なんてこともよく見る光景です。

確かな信頼関係の元、対等に、許せないことはしっかりと怒り、自分の気持ちを伝える。こんな風に全力で意見をぶつけ合い、試合が終われば笑顔で握手。多分大人の試合だったらクラブハウスでビール飲んで笑ってるんでしょうね。そんなドイツのサッカー現場を羨ましく思います。

僕はこんな風に意見のぶつけ合いは苦手です。だけど自分の考えを自信を持ってしっかり伝えることは大切だし、相手の考えを受け入れ聞くことも大事です。もっとやらないといけないなと感じました。

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