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#92 トレーニング日記。テーマをもっともっと明確に。

こんばんは。
今日も最初の30分間のトレーニングをやらさてもらいました。
最近は毎回やらさせてもらってます。
実際にやってみると頭でわかってても出来ないことが多かったり、気づきがあったりで充実した時間を過ごしています。

・教えすぎって?
最近どの国でも問題となる「教えすぎ」の指導。
特にスペインなんかは小さい頃からとにかくサッカーの知識を詰め込んだりしてるらしい。
それに伴い、型にはまった創造性の乏しい選手がクリエイティブ風な選手が量産されている。

で、「教えすぎ」ってなんだろう?
「ここをこうしろ!」「ああしろ!」「違う!」「俺の言うことを聞いてろ!」
選手を駒のように扱い、プレイ選択権を与えない指導者。
珍しくない光景である。
僕はコレが教えすぎだと思ってた。

先日キチコーチと話してて、こう言っていた
「いや、それは教えすぎなんじゃなくてプレイの強要なだけじゃん。また別の問題だよ。」
そうだな。と、納得。

たしかに、教えてない。
ただ強要しているだけである。
逆だ。教えなさすぎである。

じゃあ子どもたちに自由を与えれば、創造性は身につくんかな?と思ってた。

ドイツの現場にいると、試合中に指示を全く出さない指導者はあんまりみない。
キチコーチも、ほかのU13とU19のコーチも。
「サイドにひらけ!」「そこに走るんだ!」
「一度戻せ!」「簡単に蹴るな!」
結構具体的な指示がある。試合中に。

だからといって選手らが考えてないか?
というとそう言うわけでもない。

先日のU19の試合では、比較的楽に勝てる相手で久々の勝利だった。
試合前のミーティングや普段の練習から、
簡単に蹴るのではなく、丁寧に中盤やサイドハーフを経由し、前線にボールを送ることをテーマに取り組もうとした。
練習のゲーム中、
「ケイタ!簡単に蹴るな!短いパスだ!短く!」
とアシスタントコーチから指示をもらったことがあった。

前半4-0で終わった。
でもそのテーマはあまり試合中に選手達は取り組めていなかった。
9番の選手がフィジカルが強くて、収められるので、とりあえずそこに蹴っておけばなんとかしてくれることが多い。
だから繋げる場面でも「とりあえずロングボール」を選択していた。
その度にベンチからコーチ達の指示が飛んでいた。

これは今まで取り組んできたテーマではない。
9番の選手に預けるのも1つの武器として持ち続けるべきだが、チームで狙いを共有して攻める手段を増やしたい。
その1つがこのテーマだった。

ハーフタイムにその話をして、後半からはそのテーマに積極的に取り組んだ。
ぶっちゃけあんまり上手くいってなかった。
スコアも1-0だったし、簡単なミスからパスカットを許し、カウンターをくらいかけた場面がいくつかあった。

でも僕は後半のが良い試合だと思った。
チーム全員で1つの狙いを共有し、色々チャレンジをした。だから失敗もあった。
全部ダメだったわけじゃない。
良い崩しはいくつもあったし、ボールを支配する時間は増えた。
そしてなによりコーチ達から指示を受けているのに、前半より彼らは思考し、考えていたようにみえた。
「とりあえずロングボール」をしなくなったから。

この時、コーチ達からの指示がなかった場合。
彼らは創造性が身につくか?
成長度合いはどうだろうか?
考える量はどうだろうか?
自由にだけしていればいいわけではない。
1つ2つのテーマや狙いを提示することで、
「どうすりゃ上手くいくかな?」考える。

話を戻すと、「教えすぎ」というのはこのテーマの量だ。
あれもこれもこの1週間でやれるようにしましょう。と急ピッチで詰め込みすぎている状態を「教えすぎ」というのだ。

強要指導や自由なゲームは「教えなさすぎ」だ。

選手らに適切な量のテーマや考える材料、課題、制限を与えて、徐々に身につくよう取り組んでいく。
テーマにそって、明確に、適切な指示やヒントを与える必要がある。
それらが全くないとそもそも考える材料は増えず、慣れてきて、考えることは少なくなってしまう。

・迷い、戸惑う選手達
それで、僕の練習では、少しずつ改善はしてきてるけど、まだより良い動きを引き出せてない。
ぐだったりしてしまう。

それは明確なテーマやヒントが提示されていないからだ。
例えば今日やったトレーニングは2vs2で両サイドにフリーマンを付けたミニゲーム。
数的有利で、サイドに壁となってくれる味方がいる。
そこでワンツーや受け直して再展開などを狙いをもってやっていた。

練習メニューの説明や回すのに手一杯で、狙いや共有まではちゃんと話せなかった。
イマイチしっかりやれない。悪くはないんだけど。
インテンシティは高くない。
迷いながら、「なんとなく」でやってる感じだ。
まぁでも数的有利なのでそれなりに良いプレイは少しでてた。

残り5分で、キチコーチから
「ケイタはどんなプレイを君達にして欲しいんだと思う?」とみんなに聞いてくれた。
数人の選手が意見をだす。
それをキチコーチが
「そうだね!じゃあそれをやってみよう。」
と話す。

明確に、全員がテーマと狙いを共有した。
すると明らかにプレイの質は向上した。
狙いとなるプレイをチームメイトと「どうやったら上手くいくか?」と一緒に考え、試して、チャレンジをするようになった。

狙いに「ワンツー」があったが、より多くの選手がパスを出して、スペースに走り込むようになる。
さらに出し手もそれをみんなで狙うとさっき確認したので、素早くそこに良いパスを出すようになる。
そんな狙いを持ったプレイがあったら「いいね!」とコーチ達で褒めていく。

今までドイツ語だから言えない。
と、だけ思っていたけど、そんなことはなかった。日本語でも明確な指示を出せているか怪しい。

今日の練習のテーマは?狙いは?をもっともっと明確にしていかないといけない。
コーチがそれを提示しなかったり、考えていないと選手は迷い、戸惑う「なんとなく」の練習になってしまう。

それも無意味ではないが、限られた時間でより意味がある練習をしていきたいじゃないか。

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