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#04 G10の大切さは?評定平均って?

皆さんこんにちは!
前回の記事では定期試験に焦点を当て、IBDPでの2年間の流れをお伝えしましたが、今度は10年生から12年生までの高校3年間をどう過ごすのが良いか、自分自身の経験も交えながら紹介したいと思います

… という意気込みで書き始めたのですが、10年生について書いているだけでかなりのボリュームになってしまったので、今回は10年生の大切さと評定平均の説明に絞り、次回また高校3年間の過ごし方について書きます!

前回も書いたように、勉強や課外活動への最適な取り組み方は人それぞれなので、この通りに従えば良いのだと捉えるのではなく、自分にとって最適な方法を探すヒントとして活用していただければと思います。

なお、特に10年生のカリキュラムに関しては変わっている部分も多いと思うので、その点は頭の片隅に入れて読んでいただけると幸いです!

「10年生は空白の一年」ではなく…

IBDPの過程は11年生からスタートするため、10年生はMYPはもう修了したもののDPはまだ始まらない、という状況になります。一見、空白の一年のように思われてしまうかもしれませんが、個人的にはむしろ高校3年間で最も大切な一年だったのでは、と思っています。その理由としては、

  • 評定平均維持の観点では、実は10年生が最大の山場である

  • CASなどの課外活動につながる経験を積める

  • IBDPを始める前の基礎学力はIBでも、大学に入っても超重要

といった点が挙げられます。それぞれの点について一つずつ順番に見ていきましょう。

評定平均維持は10年生が山場!

10年生は家庭科や情報科、美術・音楽といったいわゆる副教科を数多くこなす必要があります。そのためで、それぞれの教科の課題やテストはそれほど重くなくても、全体としては課題やテスト対策に多くの時間がかかりました(実際、11年生の頃に比べると、10年生の頃のほうが忙しかったです)。
また、課題が少ない教科こそ、一度良くない評価が付いてしまうと挽回するのが困難です。その結果、10年生で高い評定平均をマークするためには特に努力が必要、ということになります。

補足ですが、評定平均(GPA)は全ての科目の評定を合計し、科目数で割ることで計算されます(詳細は下のほうを確認してください)。10年生は約15科目あるのに対し、11年生・12年生はともにIBの6科目以外ではCASと保健体育しかないため、10年生の評定が高校3年間のGPAの約半分を占めることになります。もちろん、全員がGPAを大学出願に利用するとは限らないため、必ずしもGPAの維持が第一だとは言いませんが(実際、自分自身はほとんどGPAを活かせませんでした笑)、指定校・学校推薦型選抜ではGPAが要件となることが多いため、GPAを高く保てると受験の選択肢が広がります

CAS・課外活動・面接にもつながる経験を積める!

今では内容が変わってしまったようですが、私たちは10年生の時に映画製作やキャリア甲子園に取り組みました。授業の一環で行ったこのような活動が課外活動・CASのヒントになることもありました。さらに、授業外でも自分たちでチームを組んでコンテストに応募するなど、「時間があるうちに」という思いで様々なことに挑戦しました。その結果、特に10年生の冬は大変なことになってしまったのですが、逆に10年生のうちに忙しくしておくことでIBを比較的楽に感じる、という効果があったのかもしれません。

結果的に、10年生の時に取り組んだプロジェクト・課外活動は出願の際に直接触れることはあまりなかったのですが、この経験を通して得た能力は面接にも活きたと感じます。例えば、コミュニケーション能力があることをアピールする材料としても使えますし、仮想的な状況に対する対応を問われた際に実体験ベースで答えることもできます。

基礎学力・学習法がIBでも大学でも活きてくる!

私たちの代では、10年生の間は化学基礎・生物基礎・物理基礎を全て英語と日本語の両方で学習したため、理科だけで合計6科目の勉強をする必要がありました。これだけの科目数になると、うまく工夫して自分なりの学習法を見つける必要性が出てきます。この経験があったため、IBの試験は極端に苦労することなく乗り越えられたのだと思います。

また、意外と盲点なのは、大学に入ってから10年生での勉強経験が活かされることです。IB生は共通テストを受ける、一般の受験生に比べて暗記をする機会が圧倒的に少ないです。しかし、いざ大学に入ってみると、試験のために暗記が必要な内容がたくさん出てきます。そのため、IBではそこまで活用しないとはいえ、暗記する能力もある程度身に付けられていると将来的に役立つと思うので、試験勉強を決して無駄だとは思わないでください

これは少し余談ですが、最近、講義で「基質特異性」や「滑面小胞体」などといった言葉を聞いた際に「10年の時に日本語生物で習ったな~、懐かしいな~」なんて記憶が蘇ってきたりしています。IBの学習は英語で行いますが、日本国内の大学に進学すると当然ですがほとんどの講義は日本語です。思いも寄らないところで10年生で習った内容が活きてくるかもしれないので、「いつか役に立つかも」という意気込みで学習してみてください!

評定平均の算出方法は?

ここまで10年生の大切さを説明してきましたが、その際に触れた評定平均について改めて補足します。

学校によっては多少内容が異なるかもしれませんが、評定平均の基本的な計算方法は「各科目の評定を合計し、科目数で割る」です。以下のような例を用いて実際に考えていきましょう!

Figure 1. Hypothetical Grades of a Student

このような成績を収めた場合、出願時の評定平均は

ということになります。多くの場合、出願の時期が秋頃になるため、G12は前期の成績のみが対象となりますが、夏頃に出願期限が設定されている場合はG11までの成績で評定平均が計算されます。なお、評定平均は 1 decimal places に四捨五入されるため、例えば 4.85 も 4.949… も "4.9" になります。

上の例では、G10時点でのGPAは 26/7 ≒ 3.7、G11のみのGPAは 19/4 ≒ 4.8、G12のみのGPAは 18/4 = 4.5 となります。ここから、IBでの2年間の評定が高くても、G10の時の成績が出願時のGPAに影響を与えることが分かります。

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