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いますぐ役立ちそうな経済理論など。「経済学」を広く浅く知るなら『教養として知っておきたい33の経済理論』

世はまさに「教養時代」。
「教養 大切」でググると、これでもか!とばかりに教養の重要さを説いた記事が出てきます。

専門性がもてはやされた時代(があったかどうかは定かではないけれど)から、幅広い知識とそこから物事の本質を抽出する力が必要とされている現代社会。
いろいろなことをちょっとだけ他人より知っていると有利になれるのかもしれません(し、なれないのかもしれません)。

特に経済学に関しては、私たちの生きる社会の仕組みを理解する学問でもあり、教養として必須…!ということで、この一冊を読めば経済学を知ったつもりになれる必読本を見つけました。

『教養として知っておきたい33の経済理論』

古今東西の経済に関する33の知識が紹介されており、幅広く経済学(じゃないものもあるような…)を知ることができます。
個人的には行動経済学の理論が多めな気がします。

たとえば誰もが一度は耳にしたことがあるアダム・スミスの「神の見えざる手」
自由経済の根拠として用いられることが多いものですが、実は「何もかも自由にしておけばうまくいくわけではない」という文脈の中で語られていたことを知っていますか?(はい、ぼくは知りませんでした。)

アダム・スミスが生きていた当時、各国家は東インド会社などの特定企業に権益を与えて独占状態を生み出していました。アダム・スミスはそれを批判するために「神の見えざる手」を提唱したそうです。必要以上に国家が経済市場に介入するべきではないと。

ほかにもケインズの「有効需要論」やリカードの「比較優位論」、「囚人のジレンマ」、「ピケティの理論」などが紹介されています。有名な「返報性の法則」とかも。
知っているだけでニュースを見る目も変わりそうですね。

というわけで、(急ですが)ここからは個人的に「覚えておいたら役に立つかも!」なものをまとめていきます。

プロジェクト運営とかで使えそうなもの

コンコルドの誤謬(ごびゅう)
たくさんの投資をしたプロジェクトは、途中で失敗すると分かってもなかなか止められない。ときには勇気ある撤退が必要。

柔軟性って大事。

段階的要請法(Foot - in - the - door)
最初に小さいお願いをして、それを受諾してもらった後に、段階的にお願い事を大きくしていくと聞き入れてもらいやすい。

営業テクニックに応用できそう(というかされている)。使いこなすと便利だけど、投資詐欺の手口にも使われており、「自分も誰かに使われているのでは?」という意識をもつことも大事。

人間関係で使えそうなもの

最後通牒ゲーム(最終通告ゲーム)
ひとは自分が損をすることになっても、誰かが得をすることを阻止しようとすることがある。人の嫉妬心は損得感情を超える。

税務官経験のある著者によると、脱税の密告は近親者によるものが多いらしい。「お前にもメリットあるから、これでいいだろ」は大まちがい。

自信過剰の法則
ほとんどの人は、客観的な数値よりも、自分の評価を高く見積もっている。

自分は「自分が思っているよりも、周りには評価されていない」し、他人は「周りが思っているよりも、自分自身(他人自身)のことを高く評価している」ことを覚えておく。

ハロー効果
人は最初にいいイメージをもったことに対して、ずっといいイメージを持ち続ける。ひとつの出来事だけで、物事全体を判断しようとする。

大記録を打ち立てたスポーツ選手は、人格もすばらしいと思い込みがち。
人を評価する立場の人は、ハロー効果に惑わされず、客観的に公正な評価をしよう。

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「覚えておいたら役に立つかも!」という前置きでまとめてきましたが、使える使えないは別にしても、知っておくだけで自分のふとした行動を見つめ直すことができると思います。

通勤時間やお昼休みにサクっと読めるので、興味のある方はぜひ読んでみてください〜。



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