見出し画像

「私は明るく元気です!」という女がオーディションで落ちるわけ

「私の長所は明るく元気なところです!」と自己㏚をする人が多いです。
でもどうでしょう?「明るく元気」は口頭で説明することではありませんよね。「明るく元気」な人なのか、そうでないか、それはオーディションがはじまってすぐに、こちらには分かっちゃいます。

ところが、この「明るく元気です!」を元気なく言う人。
特に新人モデルに多くみられます。「え?何かのギャグですか?」と私は心の中でつぶやきます。そして、ベテランでこれを言う人。準備不足が、バレバレです。


「頑張れ新人!声を出せ!」


「明るく元気」と言っておきながら、その言葉を元気なく言う不思議な人がいます。それは、「すごい嘘つき」「新しいギャグ」「何もPRすることがない」のいずれかでしょうか?新人の場合は、おそらく「何もPRすることがない」に当てはまるのでしょう。ということは、「私は特に何もPRすることはありませんが、採用して下さい」と図々しくも言っていることになります。たしかに新人の場合は、緊張してしまい、元気がないように見えることもあるでしょう。そして、若く経験が少ないので、実際PRすべきことが、ないのかもしれません。しかし、「声が小さい」「表情が硬い」「姿勢が悪い」と、3拍子そろって大切な第一印象ポイントをすべて外しているようでは、PRどころかとうてい「明るく元気」な人にもみえません。

私は、特に武器のない新人アイドルに自己PRをさせるとき、まず「誰よりも大きな声」を出すように指導します。緊張のあまり笑顔がなくても、声が震えても大声を出すことはできるでしょう。それは音量が大きすぎて面接官が驚く程の大きな声でもいいのです。むしろ、ここで驚かせたいところ。こわばった顔でする、大きな声の挨拶は、緊張をしているけれども、精一杯頑張っていることを伝えるでしょう。震える声での挨拶は、フレッシュささえ感じられます。あわよくば、大きすぎる声が不器用さをもかもしだし、かわいらしく思ってもらえるかもしれません。オーディションが終わった後、せめて「一番元気があったのは〇〇ちゃんだったね」さもなければ、「一人面白い子がいたね」という評価をもらうためです。

「頑張れベテラン!考えろ!」


ベテランで「明るく元気」を多用する人は、さらにたちが悪いです。私には「明るく元気です」が「私はそんなにやる気がありません。」に聞こえます。なぜならば、何も準備をしてきておらず、その場しのぎで中身のないことを言っていることが、こちらに伝わるからです。こんな人が、笑顔で元気よく、流ちょうに話すと、なおさら心無く感じられ、こちらはとても気分が悪いのです。ベテランの場合は、本来なにか一番のものをPRしてほしいところです。ダンスでも歌でも、歴史に詳しいでも、とにかく誰にも負けない特技を熱く語るのです。ただ、残念ながらそれがないので、「明るく元気」と言っているのでしょう。

ベテランなのだから考えましょうよ。こちらが欲しいものが、いったい何なのか。それは「知的な人」なのか「華やかな人」なのか、それともとにかく「スポーティーな人」なのか。こちらが欲しいものが何かを考え、それに焦点をしぼったPRをするのです。先日、英語が話せること必須、なんて条件で、知的さを求める内容のオーディションのとき、特技のピカチュウのものまねをひたすら披露する、イタイ人がおりました。こんな失態をしないよう、注意して下さい。

「明るく元気の正しいPR!」


「明るく元気」をPRしたいのなら、ビジュアルで表現しましょう。
最初に、見た目を整えます。例えば、黄色いTシャツにデニムのミニスカート、それにスニーカーをあわせます。髪は絶対に顏にかからないように気を付けましょう。その次に、大きな声で挨拶をします。また普段のおしゃべりより、少し高い声を出すように心がけましょう。そして、笑顔と、胸を張ることも忘れずに。これだけのことで、あなたの第一印象は「明るく元気」。
言葉にしなくても十分伝わりますよね。

聞き手にあたえる影響の9割は非言語情報だという、メラビアンの法則で言われるように、あなたのイメージは数秒で決まります。第一印象が暗くては、後から楽しい話をしても、一度感じられたマイナスイメージを挽回することは難しいのです。だから「明るく元気」だってことは口で説明するのではなく、第一印象で相手の視覚、聴覚に響かせるのです。オーディションでは、あなたが話す自己PRの内容よりも、あなたの服装、髪型、表情、姿勢、声のトーンでイメージが評価されます。そうです。オーディション会場の扉を開けてほんの数秒で、あなたの評価の大部分が決まってしまいます。あなたの思う「明るく元気」はどんな人ですか?まずはそれを考え、自分自身で決めた「明るく元気」な人を演じればいいのです。それが、明るく元気の正しいPR方法です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?