ケチに憧れる

   元々裕福ではない家庭に育って、大人になってから事業やエンターテイメントの世界などで大成功して一気に大金を掴んだ人達の中で、苦しい生活から抜け出したにも関わらず、浪費しない、無駄に豪遊もしない、三つ星とか行かない、普通にファーストフード食ってファミレス行って、クーポン券使ったり、こまめにポイント貯めたり服にも全然金かけない、そして会社に関しての売り上げや講演会のギャラや入金日にはめちゃくちゃ細かいという所謂「ケチ」とか「おちょこ」とか言われる人に憧れがあります。自分がもし大成功したら絶対成り金になりますもん。全然使いこなせない最新のCG機材とか買っちゃったり、IMAXか!みたいなデカい4Kテレビ買っちゃったり、営業マンの口車とべんちゃらに乗せられて運転出来ないセスナ買っちゃったり、聞いたことないビットコインを勧められて「This!This!This!This!This!」ってマイケル買いしっちゃったりして我を忘れて有頂天になる絵がまんまと見えますね。只の俗物、只の普通の人間ですからね。なので、億万長者に一気になってしまったにも関わらず生活スタイルがほとんど変わらない人ってのは、もうハナから確固たる自己を持ってて動じない「生まれながらに強い人」としか思えないんです。自分の拘りや価値観が巷の流行やブランドの勢いに全然流されない冷静さは、「流行り廃りの傾向が分かりゃ良い」というある意味、流行なんてものは事業のための最低限の知識に過ぎないと無意識的に捉えられる達観した諸行無常感があるんじゃないか?と思うんです。一般的には、苦労して成功した時の自信は、すぐに慢心に変わるのが当たり前なんで、そこで浮つかずに今まで通りのスタンスで生きれる人は、凄まじいメンタルの強さですよ。そういう人は商才以外に関しては物凄い鈍感なんじゃないだろうか?とも思ってしまいます。

自分なんて「1円を笑う者は1円に泣く」という諺を「チッ、うるせーな」と思ってしまう意志の脆弱な人間なんで、到底辿り着けない「ケチ」という崇高なる境地にいるモンスターへの憧憬がハンパない訳です。そんな人智を超えた人間に来世は、なってみたい。只、それとは真逆に「今後の見通し0なのに闇金に数百万の借金をして全部ギャンブルに突っ込む人」の感覚も全く分からないので、ある意味憧れるんですけどね。本能を惜しげも無く曝け出し、自ら破滅に頭から突っ込んでいく生き様は、まるでアメリカンニューシネマの主人公みたいでワイルドですからね。「明日に向かって撃て!」のブッチとサンダンスが現世に生まれてたら、凄腕のパチプロだったんじゃないかな?なんて想像してしまう時があります。

そんな訳で勝負師の冷静さと大胆さ、動じない意志の強さを見習いたいもんです。

そういえば今日タバコ吸い過ぎて胸が痛いんで、暫くタバコは絶対に控えよう!と思ったんですが、やっぱり吸いたくなって来たんで一服します。それでは。

おわり

help!