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ダニー・カルフォルニアの衝撃

やっぱりレッチリよね

レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(以下レッチリ)を久々に聞いた。

というのも最近、10年ぶりにエレキギターを購入して弾くことが増えて、ジョン・フルシアンテのギターが恋しくなったからだ。

結成してもうすぐ40年経つベテランバンドだけど、私は彼らが元気なキャリアを歩んでいる状態でのギリギリ直撃世代とも言える。

調べてみると2022年現在、主要メンバーも還暦間近(!)というおじちゃんぶり。

正直、人並みの知識くらいしかレッチリは持っていないし、私よりもっとオジサンの方が詳しいだろうし、若い人からしたらなんじゃそれなバンドでもあるだろう。

レッチリという略も通な人からするとなんか違うらしい(レッドホットとかチリペッパーズ?)。

アークティック・モンキーズをアクモン、電気グルーヴを電グル、マキシマムザホルモンをマキホルと略されるとなんか違うなと私が思うのと同じことだろう。

 

私とレッチリ

さきほど「ギリギリ直撃」って言ったのは、気になってwikiで調べても2006年あたりのレッチリは日本においてもメジャーなフィールドで勢いがあったなと感じたからだ。

当時は洋楽好きなバンドやってる男子高校生ならレッチリくらい知っていたと思う。そうじゃない単なる洋楽好きはマイケミとか聞いてた。

とにかく、バンド全員がカッコよかった。当時でも結構パワフルなおっさんなイメージだったけど、あれから16年以上経ってるので今やパワフルおじいさんになっている可能性がある。

彼らへの入口としては漫画BECKだった。作者ハロルド作石先生のフェイバリットバンドの一つであるレッチリは欠かせなかった。

BECK語り始めたら5個くらい記事書いちゃうので割愛しますが、レッチリ的要素が随所にあった。

主人公のバンドBECKはまさにミクスチャーロックぽい立ち位置で、レッチリ感があった。

主要キャラ平くんのベースの弾き方なんかはまさにフリーみたいな感じだった。

完全後追いで彼らのことを追いかける僕たちにとっては、レッチリはアルバム『母乳』以降の楽曲が人気だった(というか、ほぼその辺しか聞いてない)。

知った時にはベスト盤も出てたくらいだったしね。

『Californication』『By the way』が特に直近のアルバムでよく聴いてたし、人気があったように思う。

とにかくレッチリは共通言語的にみんな好きで、軽音部の部活の仲間と彼らの真似してチンチンにソックス履いて写真撮ったこともあった(あの写真どこ行ったんだw)。

 

そして僕ら世代がリアルタイムでレッチリの衝撃を初めて受けることになったのがアルバム『Stadium Arcadium』だ。

このアルバムは2枚組でめちゃくちゃボリュームがあった。正直、全曲聞いたらだれるくらいの量。

そんなマシマシ二郎系アルバムだったが、今までのレッチリの流れを汲んで肥大化させたアルバムは概ね好評で世界19か国のチャートで1位を記録している(!!)

名実ともにスタジアム級バンドになった時期が2006年ということだろう。

 

当時の音楽シーン

2000年代中期はまだ洋楽シーンもロックが元気があって、洋楽も邦楽も色んなバンドが出てきていた。

そんな中で「音楽フェスのトリがレッチリです!」となると今でいうと「星野源か米津玄師がドラマ主題歌やります」くらいな安心感でした。

同じ時期の日本ではレミオロメンのメジャーに毒された3rdアルバムが発売されたり、ヒットを記録したHYやDef Techのアルバムが発売されたりと

インディーズからメジャーへみたいな流れがまだあった時代の感じだ。

 

改めて聞く「ダニー・カルフォルニア」

そんで「ダニー・カルフォルニア」である。

改めてPV見てもいい感じにロックの歴史を振り返るパロディしてるし、ここまでコテコテでシンプルなロックナンバーが全世界チャートまで席巻していたと思うともはや感慨深い。(個人的にはミスフィッツっぽい格好してる所が好き)

ヴァースからサビの歪んだギターサウンドの中「カーリフォーニャー!!」と発するアンソニーのロック感たまらん。

イントロ8ビート世界一選手権トップレベルのチャドのドラム。

ファジーでロックなペンタトニックが一番強いことを証明するジョン・フルシアンテのギターソロ。そして最後はワウで引っ搔き回される。

縦横無尽のフリーのベース。

聴きどころが実にシンプルで潔い。

 

当時は「Can’t stop」や「Californication」みたいな楽曲に比べてなんかベタ過ぎるなぁと思ってたけど、今聞いてもやっぱりベタ(笑)

ベタベタのベタを全世界でウケちゃうっていうのが当時の世相なんだろうな。

 

2006年って

なんとなく当時の雰囲気が気になって調べてみた。

タカラとトミーが合併。ホリエモン逮捕。

甲子園ではハンカチ王子斎藤佑樹と現楽天の田中マー君の決勝戦延長15回引き分け再試合。

今やBIG BOSSでおなじみ新庄監督が、日ハムで有言実行の日本一。

PS3とWiiが発売。

ドラマは医龍、マイボスマイヒーロー、クロサギ、のだめカンタービレ、アンフェア、白夜行、結婚できない男(昔のドラマってタイトルだけ聞いてもめっちゃ覚えてるなぁ)。

桜塚やっくんがエンタでブレイクして、オリエンタルラジオも人気、チュートリアルがM-1優勝そんな年(あんま関係ないw)。

 

ベタに追い背油を注ぐ映画「デスノート」

大ヒットしたデスノート

そんな中、映画公開された「デスノート」の主題歌になったのがこの「ダニー・カルフォルニア」だ。

たぶんワーナー繋がりってだけで、なんとなく許可とってつけられたであろうこのタイアップが、

結果的には功をそうして今日の日本でのレッチリ人気がある気もする。

とにかく漫画デスノートの作品自体が面白かったし、その後もヒットを続ける大場つぐみ先生には敬意しかありません。ラッキーマンもバクマンも好き。

実写映画も少年ジャンプ漫画原作としてはこれ以上ないヒットになったと思う。話自体がサスペンス要素あって映画向きだし、スピンオフ作品も結構興収あった記憶。

 

さらにはCDリリースと映画の影響でテレビCMも流れまくり、フジロック06での来日、その前日にMステ出演というバッチリなプロモーション。

フリーがリハ後にバリカンしてタモさんに「髪型変わったね?」ってリアルに言われてたの今思い出しても笑える。

とにかく、ベタ&シンプル、スタジアムでロックな衝撃を当時の僕たちに与えたのがレッチリによる「ダニー・カルフォルニア」だったのだ。

思い出の濃い味はまた食べたくなるよな!

もしサポートしてくれたら、僕は草野球の三塁コーチャーでも頑張れます!