最近少々疲れが見え始めたイサシキです。
先日カブスラジオを共同運営させていただいている1人のフェグリーさんがnoteを出した際に、第3弾として補強記事をアップするよ~とアナウンスしていました。
また、同じくカブスラジオを共同運営させていただいているMasatoさんもシーズン終了後に総括記事をアップしていました。
そして何もしないイサシキ…さすがに怠惰すぎると思い、少し真剣にオフシーズンのカブスの補強に関して考察してみました。
おそらくボリューム量が多すぎるので、選手成績の参考資料等に関してはリンク先からご覧ください。
今回はオフシーズンを考える上で、多くの視点から考察しようと思います。
多くの視点とは
Ⅰ:Hoyerさんのお考え
今から大体1週間くらい前、日本時間の10月11日深夜にカブスの編成責任者であるJed Hoyer氏がシーズン終了会見を行いました。
1時間の会見を全文起こすわけにはいかないので、ここから先は端的にHoyer氏の補強に関連しそうな発言をまとめていきます。
ということで、非常に明確な語り方で来シーズンの決意を表明する形の会見になったことが伺えます。また会見の中で「David Ross監督とCarter HowkinsGMとの関係性が良い」との話をしているあたり、オーナーのRicketts氏も含めてフロント内のわだかまりがない状況というアピールをしていることにもつながりました。
戦術面に関する部分にも触れており、「走塁がお粗末だった」という趣旨の内容を発言し、来シーズン以降のルール改正によってさらに重要度を増すことを示唆しました。昨シーズン途中までの攻撃スタイルであったホームラン攻勢から大きく方向性を変えて、バントや盗塁を絡めて得点を狙うスモールベースボールへと舵を切ったカブスにとっては非常に大切な部分となってくるでしょう。
Ⅱ:Rickettsオーナーのお気持ち表明
カブスのオーナーであり、福留孝介の引退試合ではビデオメッセージを送ったもののバンテリンドームの来場者から「誰?」と口を揃えて言われてしまったことでもお馴染みのTom Ricketts氏も2022シーズンについてファンに向けた感謝のメッセージを送っています。
その大部分を要約すると
以上のように、前述のHoyer氏同様、今のカブスには勢いがあって今オフ積極的な補強をすること、長期的にコンテンドできるチームを作りたいといって観点で意見が一致しています。字面で判断は出来かねる部分もありますが、上層部の考えやビジョンが同様のものであることは悪くありません。現場の欲している人材がミスマッチしてしまう事態等を回避できる可能性が高くなるので。
Ⅲ:大雑把にfWARの観点から
ここからは今シーズンのカブスを、主に指標を用いて振り返ってみようのコーナーです。
まずは私が信用しているベースボールデータサイトFangraphsより、WARの観点から見た「チームの穴」を探っていきたいと思います。
https://www.fangraphs.com/teams/cubs
まず野手から探っていくと
となり、MLB全体で見るとFrank Schwindelの大不振等でプレイヤーを固定できなかった1B、Patrick Wisdomを中心になかなか機能しなかった3B、Rafael OrtegaやChristopher Morelでは埋めきれなかったCFを中心にWARが低くなっている形となりました。
言い換えれば内野のホットコーナーと外野の要であるセンターが弱点とかいうこの上なくマズい状態で今シーズンを戦ったということになります。まあ見事に去年活躍して持ち上げられた(Morelを除く)3人組が機能しなかったこと機能しなかったこと。
一方で1年間安定した成績を残したHoernerのいるSSやオールスター出場組であるContrerasのCとHappのLF、さらにはメジャー挑戦1年目の鈴木誠也が守るRFや途中加入のFranmil Reyesの活躍等で奮闘したDH陣は軒並みMLB上位のfWARを稼ぎました。
続いては投手陣。それぞれスターターとブルペンに分けてみると
という衝撃的なスタッツが露呈されました。あんまり語りたくないなこれ…。だってチーム内投手fWARランキングで3位なのがまさかのAdrian Sampson(1.5)とかいうシーズン途中にローテに加わった選手なんですよ…?
そんなわけでカブスの弱点という面をfWARから見た場合、主な弱点はSP、RP、1B、3B、CFの5ポジションになるかなあと思います。
Ⅳ:指標上の弱点から
続いてチームスタッツから。Ⅲで参考にしたFangraphsのデータを見ていただけるといいかなあと思います。
まあ簡単に述べると、打線はMLB中位~やや下位の成績で、投手陣は中位以下といった感じでした。
野手陣で特出すべきなのは盗塁数。こちらはMLB4位の111個を記録しており、昨シーズンの86個からさらに増加しています。今シーズンはWisdomにスクイズをさせたりHoernerが20盗塁をマークしたりと小技が光る場面も数多くあったことを象徴するデータかなあと思います。まあ思いっきり打線はスケールダウンしたんですけどね。
その反面、チームfWPA(チーム勝利への貢献値)が-12.27(MLB28位)とこれでもかと低い数値を記録しています。まあ簡単に言うとどうでも良い場面でのクラッチや得点などが多く、大事な場面での凡退やエラー、被弾などが多かったということかなあと思います。
また、wCT(カットボールによる得点の増減)が-14.9(MLB26位)と、カット系の球種に対して悉く得点を下げられたシーズンでもありました。そりゃダルビッシュなんか打てるわけないよ…。
また、Barrel%6.7(MLB20位)、LaunchAngle10.5(MLB28位)も、ヒッターズパーク寄りのリグレーフィールドでは寂しい数字となっています。
対する投手陣は秀でた指標こそあるものの、BB/9:3.37(MLB22位)、HR/9:1.29(MLB28位)、WHIP1.30(MLB21位)など、とにかく胃薬が手放せない劇場型投手が多いシーズンでした。というのも、四球出しまくって自滅するパターンと、四球でランナーを溜めて被弾する2パターンが非常に多く、筆者が幾度となくブチぎれそうになっていたのはあまりにも有名です。
Ⅴ:直面する実情面から
ここまでの話を総括しつつ、カブスの現状をまとめると以下のようなことが言えるかなあと思います。
Ⅵ:財政面から(arb含む)
まずは今季Arbitration(以下Arb、年俸調停のこと)を迎えた選手たちの来シーズン予想年俸から見ていきましょう。参考サイトは下記です。
2023シーズンArb組※()内はサービスタイム
Ian Happ (5.036): $10.6MM
※参考記事のOrtegaはサービスタイムが2.145となっていましたが、実際は1.145なので、2023シーズンオフからArbがスタートすると思われます。
この中であればおそらく怪我でほとんど投げられていないWieckと元ノーヒッター右腕Millsはノンテンダーとなる可能性が高く、Wieckと同様の理由でBrault、さらには今シーズン途中加入のReyesもその予想年俸の高さからノンテンダーを食らう可能性があることが示唆されています。
続いてチームのトータルペイロールを見ていきましょう。
勿論確定していない部分もありますが、来シーズンカブスのペイロール予測額は$116MM(Arb組含む)となっており、新CBAで締結された2023シーズンのぜいたく税ライン$223MMとは$107MMの開きがあります。さらにStromanの23年シーズン終了後のオプトアウトがあり得ること、先述のHeywardの契約満了、さらにはHendricksのクラブオプション行使($16MM)が微妙過ぎることからさらにペイロールの柔軟性が生まれる可能性もあります。
ということで、資金体制も現状のペイロールも未来も明るくなりつつあるカブスが、今オフに獲得しそうな大物選手をピックアップしていこうと思います。
カブスにフィットしそうなFA戦士
3人目:Jose Abreu(ホセ・アブレイユ) 1B CWS 35歳
4人目:Tyler Anderson(タイラー・アンダーソン) SP LHP LAD 33歳
5人目:Nathan Eovaldi(ネイサン・イバルディ) SP RHP BOS 33歳
6人目:Carlos Rodon(カルロス・ロドン) SP LHP SF 30歳
その他補強候補
ここからはざっと他選手も見ていきます。
まとめはしません(怠惰)
量が多くなり過ぎました。
後日開催されるであろうカブスラジオでは、今回触れなかったトレードでの獲得候補選手をベラベラしゃべりたいなあと思ったり思わなかったり。
では良いポストシーズンライフを!(泣)