ゾン100第1話のリアルさ

今更かもしれないが友達の紹介で「ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜」を読みだした。
アニメはまだ見ていない。
読んだことがない人向けに簡単に説明すると、主人公はブラック企業に努めている。ほとんど鬱のような状態で物語冒頭では見ているゾンビ映画の方が会社よりマシだ…とつぶやく。そんな中、ある日突然世界にゾンビがあふれるが、主人公は会社に行かなくて良くなったということで活力を取り戻し、再び青春を謳歌していく…というストーリーだ。
読んでみて思ったのが第1話の主人公の描写がリアルなところだろう。
ブラック企業に勤め、判断能力がなくなっていき、会社に行かなくて良くなった途端に元気になる。
特に「会社に行かなくて良くなった途端に元気になる」という部分だが、ストーリー中では町中にゾンビがあふれ、身の安全もままならないような状況なのだが、それすらも気にかけない。会社よりましたのだ。
これはこの主人公がおかしいのではなく、実はいろんな人間が思っているのでは無いかと思う。
数年前、流行り病の第一波が日本を襲った時、当初数ヶ月は自殺者数は減っていた。色々な要因があるが、煩わしい人間関係に付き合わなくて済んだ、というのも一因らしい。
その後は経済苦により自殺者数は増加した。
話を戻すが、決してこの漫画はディストピアを描いているのではなく、むしろユートピアを描いていると思う。
労働の苦痛から逃れ、ビールを昼間から飲み、ハーレーに乗り、友人と気ままに過ごす…
贅沢な夢だろうか…
これすらも叶わぬならゾンビのいないこの世界がディストピアかもしれない

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