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レコード棚を総浚い #80:『Derek And The Dominos / LAYLA and other assorted love songs(いとしのレイラ)』
ザ・バンドに傾倒したエリック・クラプトンが、歌を主体とする音楽に立ち戻ろうと、デラニー&ボニーのボビー・ウィットロック、カール・レイドル、ジム・ゴードンを誘い、結成したバンドがデレク・アンド・ザ・ドミノス。 唯一のスタジオ盤がこの『いとしのレイラ』である。 名曲『レイラ』のスローパートにおける盗作疑惑の主犯格こそが、そのジム・ゴードン(2023年没)だが、その顛末はすでに書いた。 アルバム『いとしのレイラ』におけるザ・バンドの影響は、複数の声によって織り上げられる楽曲構成
レコード棚を総浚い #74:『Dave Mason & Cass Eliot/ Dave Mason & Cass Eliot』
トラフィックの活動休止後、アメリカに渡ってファーストソロを出したデイブ・メイスンがパパス&ママスのキャス・エリオット(ママキャス)と組んで、1971年に出したコラボアルバム。 ファーストソロに較べるとアコースティック要素強めで、フォーキー・スワンプとでも呼ぶべきか。ハモンドの多用も印象的。 グラム・パーソンズの手引きで、出会った二人の共作アルバムだが、キャス番長が作曲に関わったのはわずか2曲。その『Here We Go Again』と『Something to Make Y
レコード棚を総浚い #70:『Daryl Hall & John Oates / Rock'n Soul Part 1(フロム・A・トゥ・ONE)』
1982年にリリースされるや、15週連続全米3位、同年年間第4位、プラチナ・アルバムとなって、ダリル・ホール&ジョン・オーツとして最大の売り上げを記録した『H2O』に続いて、翌年1983年にリリースされたキャリア初のベスト盤。 邦題に『フロム・A・トゥ・ONE』とあるが、#69でご紹介した『プライベート・アイズ』がSIDE AとSIDE ONEとなっていることに何か関係があるのだろうか。 RCA移籍後、最初のビッグヒットとなった『サラ・スマイル』から、その余波で再評価され
レコード棚を総浚い #68:『Daryl Hall & John Oates / Along The Red Ledge(赤い断層)』
1978年、プロデュースにデヴィッド・フォスターを迎えてリリースされた『赤い断層』 タイトルのRed Ledgeには、「人生の転機」という意味だが、音楽的な転機を企図して制作されたアルバムということなのだろう。 ブルー・アイド・ソウル路線を踏襲したA面と思い切ったロック路線に舵を切ったB面で構成されている。 この「転機」を豪華なゲスト・ミュージシャンが支えている。 ジョージ・ハリスン、チープトリックのリック・ニールセン、キング・クリムゾンからロバート・フリップなどなど。