見出し画像

難しいな・・・から抜け出せたとき

大介君(仮名)は4歳。幼児クラス(異年齢クラス)に入室前に、プライベートレッスンに来てくれていました。最初は乗り物が大好きで、乗り物のお仕事をなどをしていました。

幼児クラスになってからは、まわりのお友達の影響で、プライベートレッスンのときよりも、お仕事の幅も広がってきました。そのなかでよく選択していたのが乗り物のパズル。

はじめは54ピースに挑戦。大人にとっては簡単なパズルかもしれません。でも、子どもには完成するまでに様々感情の変化がみられる訳です。

「たくさんあるな」「できるかな」「むずかしいな」「途中でやめたい」
そんな葛藤のなかで子どもたちは自己選択したものに向かい合います。

大介君は「難しい」と言うことが多かったのです。もちろん子どもによって、選択したものが発達段階に合っていないということもありますが、大介君の場合は、

1,甘えたい、構ってもらいたい
2,口癖のようになっている。できるものも、「難しい」と言ってみる。
3,自信がない。

観察をとおして、この3つであると分析しました。
教師はお仕事を通して、子どもたちとの信頼関係を大切にしていきます。
大介君には「大介くんならできるよ、難しいと言ってしまうと、できることもできなくなってしまうよ」と伝えていきました。そんなことが何度か続いて、ほとんど教師の援助なしに54ピースが完成。

ここで、1つ自信が持てたのです。そして、70ピースに挑戦。まわりの年長さんのお兄さんも声掛けをしています。「大丈夫だよ、できるよ」どこかなと真剣に探していると、「この辺にあるかもよ」とすぐに答えを言わずに「この辺」というニュアンスを使って伝えているのです。

教師がしていることをよく子どもは観察していますね。よく見られています。援助の仕方もすっかり吸収。

そんなお兄さんの援助もあり、大介君はほぼ1人で70ピースを完成!

「たくさんあったけど、できた」
「できたね」

ご自宅での様子をお母さまが記帳してくださいました。ご自宅でもパズルに挑戦していると。今までと異なるのは、【難しいからやめよう】ではなく、難しくてもまずは挑戦してみよう、やってみよう、きっとできる。そんな気持ちもフツフツと湧き上がってきていることでしょう。

それだけ、子どもが自信を持つことは、心のなかにあった不安やモヤモヤを一気に消し去るほど大きいものなのです。この自信があればこそ、臆することなくどんどん挑戦していく心が育っていきます。

次の入室時もパズルに挑戦。

「一人でできたけど、時間がかかっちゃった」
「時間がかかってもいいんだよ。
最後まで諦めないでやることが大切なんだよ」



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?