３分で読める眠りにつく前の話

『反射神経』

コロナ自粛期間中は髪を切りにいくのも控えていたが、ずいぶん髪が伸び、乾かすのも一苦労になってきたので、そろそろ良いだろうと思い、数年間通っている馴染みの店に予約を入れた。
数ヶ月ぶりに会う美容師のSさんは相変わらず明るく、おしゃべりが楽しい。お店にはリラックスした雰囲気が流れていた。経営でしんどいことも沢山あったと想像すると、素直に敬意が湧いてくる。

S「お久しぶりですね」
俺「いや〜本当に」
S「ちょうど昨日ウワサしてたんですよ」
俺「生きてました笑」
S「いやそんな笑　しかし伸びましたね」
俺「前髪が目にかかって痛いし、乾かないんですよ」
S「完全にロン毛になってますもんね」
俺「もみあげが肩にかかってますから」
S「いや、それ蔵馬じゃないですか」
俺「え」
S「襟足じゃないですか」
俺「あ、そっかそっか」
S「びっくりしましたよ」
俺「よく瞬時に蔵馬が出ましたね」
S「任せてください、じゃ、切っていきますね」
俺「はーい、お願いします」

日々、いろいろなお客さんと話している方は反射神経が研ぎ澄まされているなぁと感心しました。お店の経営も何とかなっているそうで一安心。ウィズコロナの時代も、私の髪をどうぞよろしくお願いします。