見出し画像

Think Clearly

前置き
本書の目的は哲学の理念や学術研究の結果を日常生活に活かし、より良い人生を送るための方法を記載している。
認知心理学と社会心理学における多くの学術研究の裏付けがあり、それを元にした思考法。

「1」   考えるより行動しよう

・「考えている時」ではなく、「書いている、取り組んでいる時」にわかる。
時間と共に新たに得られる認識はどんどん小さくなり、すぐに思考は「飽和点」に達する。

「思考の飽和点」→それ以上長く思い悩んでも一ミリも先に進まない点(3日から1週間)

「2」    なんでも柔軟に修正しよう
・物事が全て計画通りに運ぶことはない。計画も続けることに意味がある。
これは行動力あっての事であり、行動が大切な意味が分かる。

・柔軟性は、行動→その問題に柔らかく対応

「3」    大事な決断をするときは十分な選択肢を検討しよう
・「秘書問題」
わたしが100人の中から一人を雇いたいと思っているが、どのような採用の仕方が正解か。
→この問題の最適解は一つしかない。

まず最初の37人は全員不正解にする。その37人の中で一番優秀なレベルを把握し、残りの63人の中から優秀な一人を上回った人を採用する。

この37人とは?
応募者である100を数学定数e=(2.718)で割って求めた数。

「4」    支払いを先にしよう
・失ったお金と時間は取り戻せないが、起きた出来事の解釈の仕方を変えることはできる。
物事は全て考えよう。見方で大きく変化を生む事ができる。

「5」   簡単に頼み事に応じるのはやめよう 
・囚人のジレンマにおいて勝利をおさめるのは一手目だけ相手と協調して、それ以降は相手の出した手をそのままコピーするというもの。

・頼み事をされた時は、その要求を検討する時間は5秒。5秒で決断する。

「6」    戦略的に頑固になろう
・戦略的に頑固になることで「決断疲れ」がない・「評価が確立される」

頑固とは、自分のこだわりを確率する事で、楽に問題を対応できるというもの

「7」    好ましくない現実こそ受け入れよう
・自分が失敗したことを受け止めて、理由を追及する

「8」    必要なテクノロジー以外は持たない
・「反生産性」に注目する
結論、本当は必要ないものを排除する行動が必要

「9」    幸せを台無しにする要因を取り除こう
・考えられる限りのあらゆるネガティブな事柄を避ける、排除する。
負け続けなければ勝つことができる。

「10」                      謙虚さを心がけよう
・謙虚であれ 全ては目に入らない偶然のおかげ
・成功の一部を恵まれない人(環境・病気など)に惜しみなくわけあたえるべき

「11」                      自分の感情に従うのはやめよう
・自分の感情はフワフワと浮かばせておいとく。自由気ままに行ったり来たりするから。

「12」                      本音を出し過ぎないようにしよう
・自分自身を本当に理解しているとは言いがたい
・本音を語っても自分をこっけいに見せるだけ

・本音を出し過ぎず、約束したことを守り、自分自身の信条を守って行動する(それ以外のことは他人からほとんど注目されない)

「13」                      物事を全体的にとらえよう
・自分の人生をできるだけ距離を置いて捉える
全体的にはほとんど影響を与えていないほどの小さな点だ。

「14」                      買い物は控えめにしよう
・モノで得られる喜びは一時的なモノだが、経験で得られる喜びは一生。
意識的に喜びを感じる機会を持とう

「15」                      貯蓄をしよう
・「お金と上手に付き合う」→
「ある程度の貯蓄」・「所得額や資産額の変動にいちいち反応しない」・「裕福な人と自分を比較しない」・「もしあなたがお金持ちでも生活は質素にする」

「16」                      自分の向き不向きの境目をはっきりさせよう
・ここでは「能力の輪」とされているが、得意なことを拡散して伸ばして不得意なことは無視する。
一つでも素晴らしい能力があれば欠点があろうと帳消し

・「能力の輪」すなわち「得意な事」の作り上げ方
「時間をかける」「執着する」
何時間も費やしたことは、そのとき無駄に見えても、その分野でエキスパートになれる可能性を秘めている。

「17」                      静かな生活を大事にしよう
・「長い時間をかけて一貫して何かに取り組む」事は大きな成功が得られる。

「18」                      転職を追い求めるのはやめよう
・「得意なもの」と「好きなもの」は同じである事が多い
自分の能力に基づいて仕事を選ぶべきだ。
また、自分の才能を「他の人々が高く評価している」ことが大事。
誰からも必要とされない才能を持つ人ほど不幸な人間はいない。

「19」                      SNSの評価から離れよう
・「自分で何かを成し遂げる」「胸を張れる生き方をすること」に注力すべき。

「20」                      自分と波長の合う相手を選ぼう
・自分の性格は変えられない。好感があって信頼の置ける相手としか仕事をしてはならない。
スキルはいくらでもみにつけることができる。

「21」                      目標を立てよう
・「人生の小さな悪魔」=あなたの個人的・目標・意識的になれること あなたがすべきこと
人生の小さな意義を真剣に考えるべき
人が幸せを感じるかどうかは、目標を達成できたかどうかで決まる。

「22」                      思い出作りよりも今を大切にしよう
・そのとき体験したことよりも、思い出として思い出した時のほうがより良いモノとして記憶されている。「脳は大きな勘違いをしてしまうもの」という理解をするべき。

私達が「短期間」に集中して得られる喜びを過大評価し、「長期」にわたって手に入れる平穏な喜びを過小評価しがち。
「長期間のハイキング」より「バンジージャンプ」
「パートナーとの定期的なセックス」より、「ぞくぞくする一夜限りの関係」
前者より後者の方が得られる喜びが大きいと勘違いする。

「本当に充実した人生を送りたいか、アルバムだけを充実させたいか
どちらのほうが良いかを考える必要がある。

「23」                      「現在」を楽しもう
・「過去の素晴らしい経験を思い返している時に、人間が幸せを感じる」ことは研究で明らかになっている。
・人間死ぬときは記憶が残らないのだから、そのときそのときの体験を優先させる必要がある。
「未来の思い出」とり「今現在の経験」を存分に楽しむべき

「24」                      本当の自分を知ろう
・実際の私達は、私達が考えているより、多面的で複雑で矛盾の多い存在。
誰かがあなたを「間違って」評価しても驚いてはいけない。あなただって自分を正しく評価できていないのだから。

「25」                      死よりも人生について考えよう
・「22」で取り上げた「ピークエンド」の法則が人生において重要。
その物事に対する印象はピークと終わりの部分だけで決められてしまう。
これを理由にキャリアのピークに亡くなった俳優が印象に残る。

「どれだけ長生きできるか」ではなく、「良い人生を過ごすこと」の方「良い死を迎える」よりずっと大事。

「26」                      楽しさとやりがいの両方を目指そう
・「楽しいこと」と「有意義なこと」の両方を目指す必要がある。
自分の楽しみもほどほどに、何か世の中の為になることも適度に

「27」                      自分のポリシーを目指そう
・どんな事情があろうと妥協できない、個人的な優先事項や主義の明確な領域を「尊厳の輪」
「尊厳の輪」を小さいままにしておいたほうがよい。

・輪の中に入れるものが多いと矛盾が生じやすくなる。
・輪の中に入れるモノが少ないと、自分の信念に対してきちんと信念を持って守ることができる。

「28」                      自分を守ろう
・個人的な優先事項や、主義の明確な領域である「尊厳の輪」を強化するべき

「29」                      そそられるオファーが来た時の判断を誤らない
・良い人生には「自分の判断の基準となる小さな強固な尊厳の輪が必要」
・「自尊心」や「評判」はしっかりと自分の価値として確立させる必要がある。
境界を作っておかないと、魅力的な取引やオファーに対して毎回決断する必要があるだけでなく、自身の抵抗力が無くなっていく。

「30」                      不要な心配事を避けよう
・恒常的な不安感は慢性的なストレスに繋がり、私達の寿命にまで影響を与える。(これは動物にも言え、人間はもっとひどい)
人間は「慢性的な不安を抱えると、間違った決断をするだけでなく病気になる。

★「不安に対する3つの具体的な対処法」
・「私の心配事メモ」というメモ帳を作る。
日々習慣的に心配に考えている事柄を書き出し、わざと必要以上に考え込んでみる。そうすれば心配事は頭の中から自然に消滅する。
それでも消えないモノが本当に危険で対応が必要な問題。
・「保険」をかける
・「仕事」に精神を集中させる

「31」                      性急に意見を述べるのはやめよう
・「軽率に意見を述べる」頻度を極力少なくするべき
軽率に意見を述べる頻度が少なければ少ないほど、私の人生は向上する。

人間は複雑で自分が知らない事にもすぐに答えを出してしまう。
「好き」か「嫌い」か「ポジティブ」か「ネガティブ」かの二択の判断で。

「32」                      「精神的な砦」を持とう
・一度手にしたと思っても、次の瞬間には取り上げられてしまうかもしれないものばかり。

「33」                      嫉妬を上手にコントロールしよう
・自分よりも上がいる事実を受け入れて謙虚になるべき。
「嫉妬」は必要ない感情だ。

「34」                      解決よりも予防をしよう
頭の良い人→問題を解決する人
聡明な人→問題をあらかじめ避ける
「結婚問題・お金の破産・大きな病気」といったリスクを考えて問題をあらかじめ避けるにはどうすべきか考える。

「35」                      世界で起きている出来事に責任を感じるのは辞めよう
・自分の能力の輪の中にある事を行ったとき。それこそが時間を最も効率的に使える時だ。(16章参照)

「36」                      注意の向け方を考えよう
成功する為には「着眼点」「注意を向けた点」といった「どこに注意を向けるか」が成功を手にするための大きな要因。
「注意の向け方を間違えない」ための5つのポイント
・「新しいモノ」と「重要なモノ」を混合しない。
・「無料」のものや「無料」のテクノロジーは避けるべき
・マルチメディアからはできるだけ距離を置こう
・注意を「分散」させないようにしよう
・「弱者」ではなく「強者」になろう(受け身で貰った情報は信用しない)

「37」                      読書の仕方を変えてみよう
・「良い本を連続で読む」

「38」                      自分の頭で考えよう
・考え無しに自分の周りの人々の物言いや表現を取り入れるのではなく、自分自身の言葉を見つけるべき。
「自分の頭で考える」必要性の高さを理解する。

「39」                      「心の引き算」をしよう
・「当り前にできていること」が不可能だった場合を考える必要がある。
当たり前は当り前ではない。心の引き算をしよう。

「40」                      相手の立場になってみよう
・相手の立場になって考える、行動してみることで、自分の知らない世界を見よう。
そうすれば良い考え方が生まれる。

「41」                      自己憐憫(じこれんびん)に浸かるのはやめよう
・人生で災難が降りかかったときに「自分が可愛そう」と思うのは間違い。
何かを「過去の出来事のせい」と考えるのはやめよう。
(今の出来事を好転させるなど前向きな考えに注力すべき)

「42」                      世界の不公平さを受け入れよう
・自分自身の日常生活に意識を集中すべき。
不運や失敗、大きな成功や幸運は冷静に落ち着いて受け止める。

「43」                      形だけを模倣するのはやめよう
良い人生にしたければ中身を見るべき。
その憧れはほとんど意味が無い。髪をマネする、服をマネするなどしても、全く意味はないし、同じようにはなれない。

「44」                      専門分野を持とう
・私達が生きていくには専門知識を持つ多くの人に頼らなければならない時代であり、何か一つ専門分野の教養を持つ必要がある。

「45」                      軍拡競争に気をつけよう
・軍拡競争=軍事面での競い合いを差す言葉。
軍備を拡張する他国よりも優位に立つために自国の軍備も強化せざるを得ないというもの。

この競争の中にいては良い人生は見つからない。

専門性の知識を得つつ、その分野で軍拡競争と無縁の分野を見つける必要がある。
他人と同じ分野で戦うのではなく、違う分野を一人で広げる。

「46」                      組織に属さない人と交流を持とう
・歴史上、大きな変化を与えた人は組織に属さず一人で行動する部外者。
組織に属さない人達はその内部にいる人達よりも迅速に行動できるので早く結果を出せることが多い。
★しかし「完全な部外者」にはならないほうがいい。属する組織を持たないと社会があなたを拒絶しようとする。
片方の足は残した上で、部外者と交流するのが良い。

「47」                      期待を管理しよう
必然→しなければならないこと
願望→願望
できれば良い→期待

明確に区別しよう

「48」                      本当に価値のあるものを見極めよう
・世の中の90%のものは不必要でありクズである。
・「価値のあるもの」・「質の良いモノ」・「絶対に必要なもの」はほんのわずか。

※くだらないものかどうか確信が持てない時、それはくだらないものだと思って間違い無い。

「49」                      自分を重要視しすぎないようにしよう
・尊敬される人間になるためには?
★「本当を出し過ぎず、約束したことを守り、自分自身の信条を守って行動する」事をしていれば、謙虚であればあるほど尊敬される。
★自分自身に対して正直になる事

「50」                      世界を変えるという幻想を捨てよう
・個々の人間が世界を変えられるという思想は幻想でしかない。
「すべては偶像の産物」

「51」                      自分の人生に集中しよう
・自分自身に集中して生きよう。時に偶然得たポジションは、求められた仕事を全うすべきで、誰かに求められた世界的な・・などと思う必要はない。

「52」                      内なる成功を目指そう
・墓地で一番裕福な人間になるより、今の人生を充実させる。
その日その日を人生最高傑作の日にする。その上で心の充実や平静さを手に入れることがゴール。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?