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夢中になってもらう店とは何か?

銀座は世界中からお客様がご来店


銀座という場所柄、当店はインバウンドのお客様が増えていることや、羽田空港にデジタルサイネージの看板が設置されていることなども影響してか、世界中のお客様がご来店になります。
たとえば、先日メキシコからいらっしゃったお客様。
「いつもインスタの更新を楽しみにしていて、東京に行くときには行ってみたいと思っていたの!」
ギンザレコードでは銀座店も蔵前店もスタッフに毎日必ずSNSで情報発信をしてもらうようにお願いしているのですが、そういう小さな積み重ねが良かったんでしょうね。ご対面できてうれしい瞬間でした。顔を紅潮させながら、夢中で音楽のお話をしていました。

KaskadeもColtraneもBeatlesも好き

アメリカのお客様で、2か月に1回くらいいらっしゃるお客様。このお客様も愉快で楽しい方でした。
前回ご来店の時には日本のクリエイターのハウスやテクノのレコードが欲しいということで、何点かお買い上げされたのですが、先日いらっしゃった際に、レコードの感想を求めると「あの後、レストランに行って忘れて帰っちゃったの!」とあっけらかんとおっしゃっている(笑)
まだ25歳くらいの若い方なのですが、いろいろとお話していると音楽に対する姿勢がニュートラルでオープンマインド。Coltraneも聴けば、細野晴臣も聴いて、Beatlesも聴く。
かと思えば、最近は何が好きなの?と尋ねると、Peggy Gouだと。
自分はこのアーティスト知りませんでした!(汗)
聴かせてもらったら、とってもいいハウス。韓国の女性DJということで、韓国の音楽産業の奥深さを思い知りました。
で、このクリエイターがリファレンスしている音楽は想像ついたので、KaskadeとかDeadmau5(デッドマウス)とか聴くの?と尋ねると、好き!と。ロンドンのフェスでKaskadeは見た!って答える。
そんな人が、Coltraneも細野晴臣もBeatlesも一緒に聴いてる。

プライベートジェットでご来店されるお客様

当店の一番若いお客様は15歳。
プライベートジェットに乗って、いらっしゃるのですが、
普段ストリーミングで聴いている音楽がレコードで目の前の棚に詰まっていた時の興奮、あふれ出てました笑。
初めてご来店になったとき、興奮のあまり、お母さんに「あなたのクリスマスプレゼントはナシね!」と釘を刺されていて、お母さんというのは世界共通なんだなと思ってみたり。
ある日、今度は通訳を携えてご来店。お母さんは自分の買い物がしたいから、通訳を雇って預けちゃったらしい。
ここぞとばかり、お客様は棚からあれやこれや抜き放題。幸せそうでした。でも、お母さんからの電話で意気消沈。こういうのも万国共通(笑)
これだけ音楽というかレコードに夢中になれるのって、すっかり忘れてしまった気持ちですが、お客様を見ていて、とても新鮮な気持ちになり、もっと夢中になってもらえるようにしないとと気を引き締めたのでした。

夢中になってもらえる店とは何か?

この3人のお客様に共通することは、いろいろな音楽が好きで、それをレコードで聴いてみたいという想いです。今の時代、音楽にアクセスする方法は様々な方法があります。ストリーミングもあればYoutubeもある。レコードである必要はまったくなくて、レコードじゃなければ、聴けないということもほとんどありません。多くの人にとっては不必要なものをプロモーションするために自分たちが大切にしていることは2つ。一つは商品の見せ方と在庫の方向性です。もう一つは販売スタッフのホスピタリティです。
どんな小売業でも商品の見せ方はこだわるところです。ヴィジュアルマーチャンダイザーという職種もある。私たちがこだわっていることは、レコードの希少性で商品の陳列をしないところ。
季節のものや、季節を表す色などが中心です。アルバイトスタッフがお客様の目線で選んだりすることもあります。来日中のアーティストとか。最近見たライブとか。
これは販売スタッフのホスピタリティにもつながってくるのですが、レコードが好きだとどうしても感性が先鋭化してくるので、そうならない努力をしています。
当店で働くスタッフは服装も自由ですし、髪の毛も自由です。店主が赤いくらいなので、何色でも構いません笑
ただ、人懐っこいか?ここを採用基準にしています。ご来店のお客様には話しかけることをスタッフにお願いしています。初めてご来店のお客様はびっくりされることが多いです笑 ギンザレコードはこの雑談を大切にしています。
「お近くにお住まいですか?」「今日は何かご用向きがこちらのほうであったのですか?」「当店は初めてですか?」など他愛もない会話をするように心がけています。
自分として理想としている店は黒人映画に出てくるような床屋です。髪の毛切っている人も、そこで待っている人も、関係ない近所のおじさんもそこにやってきて、会話している風景。自分たちがhubになって、人と人をつなげることで新しい価値を生み出したいという夢があります。
それは、1号店である銀座店を阪急メンズ東京に出したときの理想から変わっていない価値観です。
※ギンザレコードがめざすもの
レコードやオーディオを買うだけではなく、その場で楽しく時間を過ごしてもらうことができる工夫を蔵前店では始めました。

ベンチシートの他、カウンターチェアを用意しました。

店では酒税免許も取得しましたので、ドリンクの提供も可能になりました。
インストア用にライブハウスクオリティの機材も導入しました。
ギンザレコード クラマエにCornered Audio スピーカーシステムが導入されました
徐々にではありますが、理想とする店が完成しつつあります。音楽がキーとなるコンテンツを少しずつ増やして、お客様があそこはレコードやオーディオを買うだけでなく、遊びに行っても面白いし、何か新しい発見があると感じてもらうことができればいいなと思っています。
そのためのインストアイベントしては自分たちでレコードを紹介するイベントを『Talkin’ About Vinyl』スタートします。










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