見出し画像

拝み屋さん

小学校三年まで住んでいた長屋に、小さい時に拝み屋さんが来たことがある。

私のその時の記憶は、

拝み屋のおばさんが部屋にいて何かしている間、家族で正座して並んで座っていて、

部屋の真ん中では、なぜか釜みたいなので米かなんか炊いていた。


私は誰かに抱っこされてその湯気を浴びせられたのを覚えている。



あと覚えているのは、部屋全体からめっちゃ変な音が鳴っていたこと。



ぐぉぉぉ~~~~~ん



って言う、低い地鳴りみたいな音が鳴り響いていた。


大人になった最近、姉に聞くと姉も音が鳴っていたのを覚えていて、

姉曰くその釜の儀式は悪いものがいるとこで『音』が鳴るというものだったらしい。



『めっちゃめちゃ鳴ってたよねぇ…………』


って、二人で話した。

この記事を書くのに、色々気になって今まで聞いた事ないけど両親にその時の事を聞いてみた。

両親も『うんうん、拝み屋さん呼んだ。よう覚えとるのう』と言って、その時の事を聞くと内容は私の記憶と一致していた。

その拝み屋さんはうちの曾祖母トラさんの知り合いでイタコの能力者だったらしい。

家で悪い事が立て続けに起こっていたので呼んでお祓いしてもらったのだと言った。

やはり、炊いた釜の儀式は悪いものに反応して音が出るもので、

ぐおお~んと音が鳴っていたのを父親も覚えていた。

わりと地元の島には拝み屋さんが何人かいたらしい。

小学校三年生の時にその家は引っ越したんだけど、

わたしはその家を引っ越す当日に高熱が出て寝たきりだった。

だから引っ越し先でも拝み屋さんを呼んで祓ってもらったよと母親が言っていた。

ちなみにうちは宗教には無頓着だし、霊的な事を盲信している家族ではないのだけど、

漁師だからか、やはり『目に見えない何か』があるのを疎かにできないと理解している節がある。

地元では割りとどの大人でも、霊的な話をわりとナチュラルに受け入れている印象。

実際みんな少なからずそういう理屈では説明できない体験をしている人が多い。

父親の漁師仲間も何かあったら『拝み屋』さんに相談している人もいるくらい、町医者に近い感覚で受け入れている人もいる。

看板などはないけど、口コミで活動している拝み屋さんが地元にはわりといるようだ。

父親が音が鳴る釜の儀式の事を『あれは鳴るようになってて、ああいう祓いかたがちゃんとある』と言っていたので調べてみたところ、それは『鳴動神事』と一致した。

↓鳴動神事のリンク

http://www.awajinoinari.com/service.html

非常に興味深い!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?