2023.6.7 関西大学戦感想と、本の紹介

個人

牲川

岩波がライン上あたりでカットしたシュートについてはポジション修正と反応が甘かった気もするし、西川と比べるとクロス対応ももっさりしてしまった。

でも、おおよそ安心して見ていられた。

みんなレベルが高い。


佳穂

FWが高い位置にいることで空いたバイタルを活用した佳穂。

ガシガシドリブルで前進したことで、相手CBが食いつくスペースを潰してしまい、リンセンのマークが外れなかった。

他のシーンで、相手を意識しているように見えるいいドリブルをしていたシーンもあったので、意識的ならその方向で頑張って欲しい。


平野と柴戸

控え組でパートナーとしてやっているからか、攻守とも"2人の"意思疎通はめちゃめちゃスムーズ。

完全に分断してる前後の橋渡しが主で、前に出て行くプレーは難しそう。

そういう前提もあって、DFラインの前で彼らがバラバラになることはなかったので、パスミスは多かったけど相手ボールになっても改めて回収するのはスムーズだった。


大畑

岩波が止めたシーンに限らず、守備位置と軌道が全部危うかった。

リンセンが前にいたというのは運動量が増えた一因ではあるけど、彼のところからピンチというのはこの試合に限らない。


荻原

大畑に比べて随分安心して見ていられる守備。

得点シーンも含めて、クロスの選択は相変わらず上手。

だけど、クロスを上げる前に味方にフリーにしてもらわないと減速したところからではあんまり剥がせないのが難点でもある。



モーベルグ

最初に佳穂に指摘したのと同様、ミクロの駆け引きはもう少し減速しながらやった方が相手により多くの選択肢を突きつけられる。


岩波と馬渡

岩波が「今からそこにパス出すね」って感じで相手にヒントを与えてしまうのは特に変わらず。それで苦しんでたのは馬渡。

ラインを上げにくいのは、組み立ての拙さにも原因がある。

後方の数的優位を全く生かさず逆サイドを消された状態でのプレーで相手のカウンターを招く。

守備局面では二人とも無難に組織を壊さずプレーできていたが、ロングボール対応で普通に背負われてしまうシーンも。


犬飼

守備の時に動きすぎる、これは昔西川がそうだったように、いいポジションにいないと急いで動き直さないと間に合わないからバタバタするっていうことだと思う。

奪えないならステイする、この判断が甘い。

攻撃でも中盤をフリーにしてあげることがあまりできなかったと思う。


明本

何よりゴールシーンのドリブル。なぜほとんど指摘されていないのか疑問。

味方をフリーにするために相手に影響を与える。その最もシンプルな形。

自分が引きつけた相手だけでなく、カバーがオギのところに行く出足が遅れるのがキモ。

スタメンの中盤だと関根だけが頑張っているみんなができるべきプレー。

前で使いたいと感じさせてくれた。


敦樹

まず最低だったのは守備面。危ないシーンにことごとく絡んでいた。

得点シーン等、普段より前に絡みに行くことが多かったのも含めて、判断がガラリと変わってしまうのは悩ましい。それは相手を見てプレーするのとは違う。

攻撃面で評価されていたけど、柴戸と違って平野とのチェーンが切れていたからこそいろんなところに顔を出せたこと、また相手が疲れてきた中だからというのもそれなりの要因だと思う。

"構造を維持すること"を重視しているスコルジャ的に、それがどのくらい正しいのかわからない。

また、攻撃面では高めとはいえ結局周りの選手が空けたところを埋めるバランサー的な役割が多く、またフリーで受けても明本がやったような相手に影響を与えるプレーができていない。

ゴールシーンは正しく前線に参加できていた。


ただ、相手CBとの勝負をし続けられない前線との組み合わせでは、走り込んでも下がってきたFWと役割が被ってしまうんだなあという局面も。

走り込む場所が既に埋まっていることも少なくないんだなと感じた。そんな意味でも、下がらずプレーできるFWは上手く活かしたい気がする。



リンセン

前提。

守備はいつも通り。飛び込みすぎ。左SHでは動きすぎて背後のカバー大変など。(ただ、後ろがステイした状態で組織を維持できるなら大きすぎる問題にはならない、という側面もある)

ただ、得点シーンの守備は珍しく丁寧だった。疲れた方が動きが抑えられていいかもしれない。普段からやってほしい。

攻撃面。オンザボールでの意思疎通がままなってない感じはどうしたものか。

オフザボールについて、崩しの手前に絡んでほしいという声が多いのはまあわかる。

ただ、そもそもビルドアップの質が低いから前線の関与が不可欠なプレーになってしまっている。

DFライン周りでのプレーに終始する選手はいわゆる深さを取っている状態なので、手前にあるスペースを他の選手が数的優位で活用できれば本来無駄がない。

広島戦の敦樹へのアシストなんかもそうだけど、プレッシャーが一番激しいところにいるリンセンのマークをボカすところまで他の選手がやれたら、シュートシーンに絡んでくる。

ただ、ラストピースな訳で、おそらくそれなりのお金を積んでいて、もう少し味方に頼らずできてほしいなと思う。

比較的やれそうなギアクマキスに手を伸ばす意味はわかる。


高橋

得点シーンでは、横を切るリンセンの手を借りて、飛び込まないステップで寄せて奪い、その後背後のスペースを作れるようにあえて相手CBの近くを通りながら前線まで向かった。

シームレスでとてもいいプレー。

リンセンの決定機も、ニアで潰れるからDFライン複数人に影響を与えて(GK-DFライン間に向かわせて)いて、手前を空けている。

相手とのレベル差や時間帯は考慮しないといけないけど、みんながリンセンに求めていそうなプレーも多少やりながら、リンセンがやっている役割も果たそうとしていて、もう少し長い時間見たい。

それにしても熊本サポから愛されてて素敵。


カンテ

ボールの持ち方は時間を作れて相変わらず面白いし、簡単なプレーを間違わないのは偉い。関係作りがリンセンと比べて上手なのは印象がいいだろうなと思う。

下がった後めっちゃ頑張って前に戻るのは、でかいから迫力がある。

ただ、中盤の進路を邪魔してしまう面もあるな、というのは敦樹の項ラストで書いた通り。

チーム

鹿島戦もそうだけど、相手の方がコンディション的に有利に思える試合で、通してみれば五分かそれ以上に持ち込めることが増えている、相手が動けなくなることが多くなってきたのは、大雑把にでも前半から広くプレーできているからな気もする。

今回も相手の怪我が目立ったのは理由があると思う。

この試合はオープンすぎたので自分達もキてたけど。

本の紹介

個々人のプレーは関係性が前提だよ、という話を攻守両面で理解するヒントになる2冊。


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