USCMA Part2 合格までの勉強内容

お世話になっております。また、本記事をお読みいただきありがとうございます。本記事は、2022年2月末に受験し、合格したUSCMA Part2 につきまして、どのくらいの期間、どの程度勉強したか、またその間の紆余曲折等について記載したノートとなります。USCMAに興味のある方、すでに勉強を始めている方のご参考になれば幸いです。

なお、勉強を始める前に持っていた知識やPart1の勉強方法については、下記記事で紹介しております。

Part2は、上記記事のPart1受験(2021年9月末)から約5か月間勉強し、400/500(合格ライン:360/500)にて合格しました。
今回は簡単に、時系列・散文形式で勉強過程の紆余曲折のみお伝えしようと思います。といいますのも、合格のためにとった基本戦略は Part 1 のときと同じだからです(その実行方法が少し異なるのみ)。ただし、2021年12月、2022年2月、試験本番の部分は差分が大きいと考えるため、Part1の記事を読んでくださったUSCMA受験生の方も、2021年12月、2022年2月、試験本番の部分はお読みいただくと参考になる情報もあるかと思います。

2021年10月(勉強開始~お試し受験)

2021年9月末にPart1受験後、絶対に落ちると分かっていましたが、2021年10月のPart2受験を申し込みました。理由は、試験合格に必要なことを体感することと、約1カ月の勉強で得た知識でどの程度得点できるかを知ること、でした。
この期間は決算繁忙期でしたし、Part1の結果も出ていなかったため、モチベーション維持のためにも受験することにした、という側面もありました。
勉強内容は、
・Beckerの英語講義をUnit1全部とUnit2の途中まで
・TACのUSCMA対策講座のPart2の問題演習の手前までを1周
・Beckerの英語テキストの章末問題を1回
でした。
実は、Part1での教訓を生かそうと真っ先にBeckerの英語の授業を受けようとしたのですが、Unit2のコーポレートファイナンスの内容に対して事前知識が薄く、太刀打ちできなかったため、日本語のTACの授業に切り替えた、という経緯がありました。後述しますが、TACのUSCMA対策講座は、Part1と比べるとかなり試験対策として役に立ちました(2021年12月の箇所で書いています)。

なお、10月の試験のスコアは、260/500 でした(2021年12月中旬判明)。ただし、今回は現在の実力をより正確に測るため、25%の配点を占めるエッセイ(論述)は白紙で提出し、75%分の選択式の問題のみを解いて解答しました。そのため、実質
260 / 375 = 69.3%
のスコア(必ずしも正答数を表すわけではありませんが)といえ、選択式のみでみると、合格ラインの 360/500 = 72% に近いスコアを取れていることが確認できました。1カ月足らずの勉強で上記のようなスコアの取れた要因は、Part2で最も配点の高いUnit3(CVP分析など)の内容を日商簿記1級で勉強していたことが要因として挙げられます。
一方、解いた時間の観点では、3時間いっぱいかけて解いても全部は解き終わらず、Part1よりも時間の制約は厳しいと感じました。本来は2時間30分で選択式を解き終えるべきと言われているため、合格に向けてスピードアップが必須である、と感じました。
時間がかかった要因は、Part1以上に計算が多く、またコーポレートファイナンスの分野の計算理論を理解できていないことが原因であった、と自分なりに分析しました。また、地味にEthics(Beckerの教科書のUnit6)の問題が長文であることも時間のかかった要因でした。
そのため、今後合格ラインを超えるためには、なじみのないコーポレートファイナンスの分野も含め計算や回答の基礎となる考え方を正確に理解し、それらをすばやく引き出して計算・回答する訓練が必要、と考え、11月以降の勉強を行うこととしました。
(結局、結論は教科書をきちんと理解して、基本的な問題を素早く解けるようになるまで体に馴染ませる、という、非常に当たり前なものでしたが、それをぶれずにやるべき、と心を決めることに役立ちました。)

2021年11月(Beckerの英語教材を1周)

11月は、10月末受験の手触り感とPart1の勉強時の反省を生かし、Beckerの英語教材および英語講義にじっくりと取り組み、1周しました。
オンラインのBeckerの問題はたくさんありますが、結局試験本番で全く同じ問題は出ないだろうと思っていたため、理論をしっかりとおさえて、応用力をつけるために最低限の問題演習をする、そのためにはBeckerテキストとBeckerテキストの章末問題が一番重要、と考えていたからでした(さすがに章末問題だけでは練習量として足りないと思いますが・・・)。
また、TACの厳選問題集も1周しました(1周目)。

なお、上記のように勉強している最中の11月中旬にPart1の結果が返ってきて、410/500 で合格していたため、勉強方法には自信を深めました。

2021年12月(※ターニングポイント。前半は勉強疲れ等で勉強できず。勉強方法を一部変更する)

今回の記事で一番重要であると考えているのが、この12月です。
12月は、勉強疲れ等々で、前半は勉強が手につかなくなりました。
理由は4つあります。
1つは、勉強疲れです。四半期決算中もPart2試験をむりやり詰め込んで勉強していたため、反動が来ました。
2つ目は、Part1に合格していたことです。Part1合格により、どの程度内容が身につけば合格できそうか概ね理解でき、かつそのラインにどの程度勉強すれば届きそうかイメージがついてしまったため、かえってモチベーションが下がりました(11月までのペースだとPart2はオーバーキルしそうな気がしていました)。
3つ目は、財務分析(Unit1)やコーポレートファイナンス(Unit2)、経済学(Unit2, Unit3の一部)の内容になじみがなかったことです。なじみのない内容をはじめから英語(Beckerテキストおよび講義)で勉強することは、想像以上に苦痛でした。Beckerテキストとオンライン講義を3周以上しつつTACの厳選問題200問を繰り返し解いていればほぼ合格するだろうと感じていましたが、10月に一度Unit2の途中で挫折し、11月に1周したときもかなり苦痛であったため、12月にもう一周勉強する気になれませんでした。
4つ目は、TACの200問厳選問題集のUnit4~6の内容に、Part1のUnit4~6の内容が混在していたことです。元々必要最低限の問題量を何周も解くことで合格に必要な基礎力を早期に身につける戦略だったにもかかわらず、頼りにすべき問題集に試験範囲外の問題が混在している(そしてその分Part2の収録問題数が減っている)ことはかなりモチベーションを下げました。

この窮地を救ったのは、TAC(草野先生)のCMA対策講義と、TAC事務局の丁寧な対応でした。
1つ目の草野先生のCMA対策講座。自身の体感としては、Part2の対策講義は、Part1の対策講義よりも、試験対策として有効でした。といいますのも、Part2のBeckerテキストははPart1テキストの2/3 ほどの薄さである一方、草野先生の講義コマ数は同じであるため、相対的に密度濃くテキストの解説をしているからです。
そして、その密度の濃さが、試験対策として十分有効に機能するレベルであった、と現在も感じています。

2つ目のTAC事務局の丁寧な対応。件のTACの厳選問題集ですが、TAC事務局に、Part1の問題が混在している疑惑があると具体的な問題番号とともに連絡したところ、すぐに確認していただけ、PDFで差し替え版を送ってくださいました。また、印刷機がなく印刷できない旨を伝えると、印刷した差し替え問題を送付してくださいました
今勉強をされている方も、これからされる方も、疑惑があれば連絡して確認・対応していただいた方が、その後の勉強がはかどると思います。

私は12月前半に煮詰まった後、Beckerの英語講義を受講することはいったん諦め、その代わり草野先生の講義を通じてテキストを何度も見返すこととしました。これが功を奏し、勉強が再び進みました。また、差し替え版の問題が手元に来たことで、安心して問題演習を行うことができました。
年末年始も含め、草野先生の講義を2周、Beckerテキストの章末問題を2周、TACの厳選200問問題集(Unit4~6の部分は差し替え版)を1周やりました。

2022年1月(決算繁忙期。また、会社の海外研修への応募準備。)

1月は、仕事や研修で忙しく、勉強時間を取ることが中々難しかったです。
しかし、草野先生の講義はなんといっても日本語なので、勉強するハードルが低いです。そのため、この期間も2周講義を聞きつつ、Beckerテキスト章末問題1周と、TACの厳選200問問題集を1周しました。
これは社会人の資格勉強全般にいえることかもしれませんが、仕事があって勉強時間が満足に取れない場合、自身の忘却速度を意識しながら、ある程度範囲を絞って高速で復習するほうが合格に近づく気がします。
草野先生の講義やTACの厳選問題集は、そういった意味で、当時の私には大変ありがたいものでした。
なお、草野先生とBecker英語講義を通じて、Beckerテキストをこの時点で6周しています。草野先生の講義は英語テキストほどじっくり読み込まないものの、内容はある程度頭に入ってきています。

2022年2月(仕事等がきつく、平日は勉強せず。弱点補強し、本番へ)

2月も仕事や海外研修の選考準備等で忙しく、平日は(誇張抜きで)ほとんど勉強できませんでした。その代わり、土曜日に2時間以上、日曜日・祝日・有休取得日に5時間以上勉強するようにしていました。
取り組んだ内容としては下記のような内容でした。
①TACの厳選問題集(3周目)
②Beckerの模擬試験を1回分(MCQのみ)(本番3週間弱前)
③Unit6, 5, 4, 及び3 のModule3(Pricing)の英語講義視聴、テキスト読み込み
④TACのエッセイ問題集を一読
⑤TACの厳選問題集でよく間違える問題のみもう1周(4周目)

②につきましては、解き終わった後の点数表示で気づいたのですが、本来15%分の配点のある Unit6(Ethics)の内容が出題されておらず、その分計算問題が多く出題されていました。
そのため、合格ラインに入る人でも2時間30分以内に全問解くことは難しいと思います。私も試験本番の3週間ほど前に解きましたが、2時間30分で15問解き終わりませんでした。また、正答率は未回答込みで64%ほどでした(Part1同様、本番より難しかったと思います)。

④については、Part1のときよりは丁寧に確認しました。と言いますのも、Beckerの英語講義ではなく草野先生の講義でBecker教材を読み流していたので、択一式はある程度解けるようになっていましたが、数式の定義などを英語で説明できるほどには頭に入っていなかったからです。
③も④と同様の理由で視聴しました。Unit4~6 はきちんと理解していないと長い英文で出題されたときに対応できないと思うので、英語講義ではなくとも何かしらの方法でBeckerテキストを読み込むべきと思います。Unit3のPricing は個人的に苦手でしたので、弱点補強の意味合いで視聴・読み込みしました。本当はPart2も視聴したかったのですが、時間がなくできませんでした。。

試験本番

試験本番では、MCQ は2時間35分かけて 2問未回答でEssay に移り、Essay は1問どう回答してよいか分からなかった問題のみ白紙で、それ以外は回答を埋めて試験終了しました。
試験を受けた感想として、 Constant Growth Model, CAPM, Business Combinations の4 type = Horizontal, Vertical, Circular (Conglomerate) , Diagonal , 米国のFCPAと英国のBribery Act の共通点および違い, あたりは頻出のわりに忘れやすい気がしますので、本番前に復習しておくと良い気がしました。

最後に

結果としては、概ね手ごたえ(Part1 よりは少しできていなさそうだったので、390/500 くらいのスコアと予想していた)どおりの点数で合格しました。そういった意味では、 Part1 を合格できた方は、その時の肌感覚を活かして勉強していただければ合格できると思いました。

社内で会計情報を経営に活かすためには、Part2 で勉強する財務分析・コーポレートファイナンス・時間価値を考慮した投資対効果の分析の考え方などは理解しておくべきではないかと思いますので、お互いに USCMA で勉強した内容を実務に活かして頑張っていきましょう。
本記事をお読みいただきありがとうございました。






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