詩）不肖の息子

母が朝から他所行きに着替えて
どこかへ行こうとしているので
どこへいくの？と聞くと
薬が切れたので今から内科へ行くと言う
予約は？と聞くと
してないと言う
いきなりいくとすごくまたされるよと言うと
大丈夫　まえもそうだったからと言う
スマホで調べると
ネット予約となっていて
土曜日の枠は全部埋まっている
きっと混むから来週にしたら？と言うと
もう薬がないから今日行くと言う
どうして今日になって
しかも土曜日になって病院にいくと言い出すのか
少し腹が立って　強い口調で
もう予約でいっぱいだけど　行ってみればど
言ってしまった
本当は昨日行きたかったんだけどね
雨が酷くていけなかったんだとかぶつぶついいながら　もそもそと母は一人で病院へ行った

それから１時間半ほどして母は戻って来た
やっぱりまたされたろう？少し意地悪く聞くと
いや　予約の枠だけじゃなくて予約出来たから意外と早く入れた　10時には入れたと強気に言う
でも　病院の先生からは　出来れば土曜日は避けてください混みますからねと言われた　と言う
来てるのは男の人ばかりだったよ　と言うので　それはそうだ　みんな平日は仕事していて土曜日に病院に来るんだから　
次回は頼むからいきなりじゃなくて予約して行ってくれよと　いうと　ハイハイと二つ返事

その時　まあそんなことの繰り返しが　案外と生きていくと言うことなのさと　母の心の声が聞こえた気がした　
僕は不肖の息子である