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豪徳寺の招福猫児を授かる
3号のいちばん小さい猫
そんなことが楽しく
女房と二人で境内を歩く

世田谷ボロ市で焼物の小物を探す
やっぱりいいと思うものは高いねと言いながら
九谷焼の小皿を見つけ出す
赤い地の絵付が鮮やかだ 値段も手ごろ

片っ端から店を周る あれどこいった?
女房が急に消える  
少しでも気になるとふっと動く 
左側通行に規制されて 
人混みはなかなか動かない  
こんなところで大人の迷子は嫌だな

三年ぶりだ こんなふうに歩くのは
帰りながら 10年くらいしたら
二人はどんな感じだろう
足痛くて歩けないとか あるかな
そうしたらおんぶして歩いてくれる? 
そんな話になって

こんなことが案外  
いちばん最期に思い出す景色なのだ
帰りの電車の中で 疲れて眠ってしまった
夢の中で そう思った

2022年に詩集を発行いたしました。サポートいただいた方には贈呈します